好漢未だ不射の射を知らぬと見える

「不射の射」って人形劇(映画)があります。
中学の頃にアニメージュかなんかに紹介が載っているのを見た事があるだけで、実物は見たことありませんでした。

中国に若い弓矢の達人がいて、名人と呼ばれる老人の元へやってくる。その老人が言うには「弓で矢をうっている内は”射の射”だ」と。
その人は達人すぎて、弓をうたなくても飛んでる鳥を落とすことが出来る。あまりの凄さに若者は老人に弟子入りするが、山を降りた時には弓がなんだか分らなくなってしまっていたって話。

なんか不思議な話で妙に印象に残ってたんですが、それから何年経ってもそんな映画の話は聞いたこともないですし、調べても見つからなかったんですよ。
インターネットが普及し始めた頃にも検索したんだけど見つからなかった。

で、数年前に急に思い出して検索してみたら、ザクザクと情報が出てきました。
覚えていたことも大体合ってました。

映画の元ネタはこちら。
【名人伝】
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/621_14498.html

中島敦ってなんか知ってるなぁと思ったんですが、「山月記」の人でした。
中学校で(たぶん)誰もが習う「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」の山月記ですね。
詩人が虎になる話です。

あの話好きだったんですよね。
なんとなく、この人形劇を探し続けていた意味が分ったような気がします。

その後、調べを進めてみたら人形劇のDVDも見つけました。
【川本喜八郎作品集】
http://www.amazon.co.jp/%E5%B7%9D%E6%9C%AC%E5%96%9C%E5%85%AB%E9%83%8E%E4%BD%9C%E5%93%81%E9%9B%86-DVD-%E5%B7%9D%E6%9C%AC%E5%96%9C%E5%85%AB%E9%83%8E/dp/B0000677NK

大御所じゃねぇか!(笑)
声は橋爪功じゃねぇか!
と、言うことでDVDを購入。
(いまだとニコニコで見られます。著作権的にOKかどうかは知りませんが)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9199061

人形劇の方もスゲエんですが、小説のほうも面白い。
そこからしばらく中島敦を読みまくる程でした。

俺、なんかしら面白い話を書こうと色々考えてるんですが、人を楽しませようとして内はまだダメですよね。
「あいつはあまり喋らないけど、いるだけでなんか楽しい」って言われるようになってみたいです(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?