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TIME誌の岸田氏に関する記事の和訳②

こんばんは。TIME誌の記事の和訳の2回目です。1回目をご覧になりたい方は以下をクリックしてください。

以下、和訳

岸田氏が5月19日から21日までのG7に各国首脳を迎えるのは広島だ。そこで彼は、広島市の悲劇的な歴史を語ることで、世界に最も強力な民主主義を発信することが期待されている(訳註:本記事の取材は4月28日で、G7会合は行われる前です)。そうすることが、ますます好戦的になっているロシアや中国や北朝鮮といった権威主義の脅威を総合的に解決する唯一の方法である。東京はウクライナのキーウから5000マイルも離れているとはいっても、ウクライナでの戦争は日本にとって世界をより危険なものにした。特に日本は、ロシアとの間に領土問題を抱え、北朝鮮からは弾道ミサイルがしょっちゅう飛んでくるので、面倒ごとはいつものことだ。さらに日本を心配させるものは、中国が台湾を攻撃していることである。自治が行われている台湾は、権威主義者の習近平から繰り返し、中国に服従させるための声明が送られている。北京から昨年の夏に軍事演習が送られ、米のペロシ衆院議長がそれに抗議して台北を訪れたとき、日本の排他的経済水域に5本のミサイルが落下した。中国海軍の艦隊と空軍艦隊は日本の排他的経済水域をしょっちゅう侵している。

4枚セットの写真の1枚

こうした背景に反して、岸田氏は12月に、第二次大戦以来最大の軍備を披露した。これは、欧州での軍備が拡大していることを反映している。この欧州にはドイツも含まれていて、ドイツもまた、日本と同様に戦争によって謙虚さを身につけた国である。この軍事への関与は、2027年までにGDPの2%に拡大し、これによって日本の軍事予算は世界で三番目に大きくなる。そして、歴代の日本首相は世界からの制裁を恐れて軍備の拡大を行ってこなかったのにもかかわらず、岸田氏は米が主導する安全保障の枠組みに敏速に参加している。

これは、日本の安倍元首相からしつこく言われて起こってきた変化である。安倍元首相もまた右傾化した自民党に所属していたが、7月の選挙運動中に暗殺されている。しかし、安倍氏のタカ派としての評判は自民党を分断するようなものだが、岸田氏のハト派の性格は、自民党をかき乱すことなく安全保障政策を変化させることを可能にした。

それでも、日本が好戦的な兆候を示していることは論争抜きには語れない。日本には平和主義憲法があり、専門家が言うには、日本の軍備の拡大はすでに安全保障のあり方に火種を起こしている。そして、中国が日本の貿易の最も強力なパートナーだとはいっても、岸田氏が掲げる野心的な国内政策にどうやって予算をつけるのかは不明瞭だ。米主導の安全保障によって中国に強大な圧力をかけているならば、圧力をかけるために予算が使われるはずである。もっと根本的には、日本の再軍備は岸田氏が世界に対して誓っている核なき世界の誓いと真っ向から矛盾すると信じる論者がいる。岸田首相が言うには、自分の立場としては、広島のような悲劇を防ぐためにはこう発言するしかない。そう、「今日のウクライナは明日の東アジアだ」。

ーー今日はここまでにします。この調子でいけば、このシリーズは全部で6回くらいになりそうです。よろしければおつきあいください。

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