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How to 架空世界 part.2

※最初に言っておくと、今回はあくまで「完全にゼロから世界を作る場合」の話なので歴史IF世界観はこれに当てはまりません。
※あと今回も数式が出てきます。嫌な人は耐えてください。
※この式は参考であり絶対ではありません。適当にやるんじゃなくてある程度のちゃんとした根拠が欲しいんだ的な人が使うと安心材料になります。
※万が一間違ったこと書いていたらTwitterなどで教えてください。強い言葉で叩かれると心が弱いため再起不能になるので優しめでお願いします。

空気がなければただの冷たい岩

前回は舞台となる惑星の主星である恒星を作りましたね。
では続けて惑星の表面温度を求めましょう。
惑星の表面温度、実はこれには罠があります。
次に示す計算式を用いれば確かに惑星の温度が求められるのですが、それは正しい値ではありません。なぜでしょう。
ちなみに先に答えを提示しておくと地球の平均気温は15℃程度です。
とりあえず計算してみましょう。

  • 恒星の半径 r_star [km]

  • 恒星の温度 T_star [K]

  • 惑星の軌道長半径 R_planet [km]

  • 惑星の反射能 A(ここでは地球と同じくらいの0.3を使用します)

  • 惑星の温度 T_planet [K]

惑星の温度(温室効果抜き)

ちなみに、Aのアルベド(ボンドアルベド)と言われる数値は計算がほかのパラメータに比べて概念の難易度がけた違いに高いので今回はパスします。この値は惑星の地表や大気組成によって変化するため、大変複雑かつ重要なパラメータです。今回は地球の値に近い0.3を代入していますが、この値は、金星は0.9、火星は0.25、水星では0.12など、惑星によってかなりのばらつきがあります。

さて、もしあなたの打ち込んだ数値が全て地球-太陽の情報と同じなのであればあなたの計算の答えは254K(-19℃)と表示されているはずです。
なんかさっき示した模範解答(15℃)に比べて随分と低いですね。こんなんじゃ植物も育たずに生き物は全滅のカチコチ氷惑星です。
でも、なぜこんなに温度が低いのでしょうか?

それは大気の温室効果を計算に含めていないからです。

温室効果ガス。昨今の地球環境問題で二酸化炭素(CO₂)の排出が国際的に問題視されているので、聞いたことある人も多いはず。
確かに温室効果が暴走すれば金星のように数百度になる可能性もありますが、全く温室効果がなければ地球はさっき求めた-19℃です。寒いですね。
35℃近く温かいのは大気のおかげなんです。

ではまた次回お会いしましょう。

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