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『同伴のノルマがこなせない』確実に同伴できるコツとは

新人ホステスが必ずぶち当たると言っても過言ではない悩み、それは『同伴問題』。私が新地で働いていた時も、銀座に来てからも必ず勤めたお店では「はい、あなたは日給○万円、同伴ノルマは入店2ヶ月間は免除、3ヶ月目からは月に5回です」と全てのお店でノルマがありました。そのノルマがこなせない場合は、一回につき日給1日分の罰金なんです!
そう、クラブでは同伴のお約束は取れて当たり前なのです。

そもそも同伴とは

夜働いたことがない方の中には「同伴って何をするの」と知らない方も多いと思います。「何時に待ち合わせして何をすればいいの」と思うことでしょう。

まず同伴の一番ポピュラーな流れは「18時にお食事の予約をして、20時半までに一緒に勤め先のクラブに入る」ということを指します。例として大まかな時間を挙げましたが、この時間はお客様のご予定によって多少前後します。仕事の終わる時間が遅い方は19時スタートや19時半スタートの食事になったり、もっと早くから時間がある方やスタートが早いレストランを選んだ場合は17時スタートだったりします。
ホステスが通常同伴がない場合にクラブに出勤する時間は20時、同伴がある時はクラブのルールによって違いますが20時15分だったり20時半だったりします。それ以降は同伴といえど遅刻をしっかりとられます。

他にもイレギュラーな同伴として、食事前に買い物に行ったり映画に行ったりお客様と一緒にお出かけすることもあります。そういった場合でも、遅刻をとられない安全な時間帯から食事を始めるという意味でも、18時〜19時にスタートする食事が一般的です。

同伴が取れないとどうなるの

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ではこの同伴が取れない場合はどうなるのか。「たかだか食事ありきの予約じゃない」と思うかもしれませんがクラブの営業時間帯、ホステスの給与体系の視点から考えると大きな意味があります。

まず銀座のクラブのホステスは日給制です。人によって違いますが3万円の方もいれば5万円の方もいます。今回は間をとって4万円にしましょう。
この4万円はお店側は、このホステスが出勤するたびに予約がない手ぶらでも支払わなければならない金額です。つまり新人ホステスや自分のお客様を持っていない売り上げがないホステスは出勤する時点で既にお店はマイナスの経費なのです。
そこで同伴というシステムが役に立ちます。クラブというところはよく耳にするかもしれませんが座って5万円、ボトルが下りて10万円の世界なので、お店のお客様や売り上げの女性のお客様と同伴することによって、自分の日給=人件費を確実にペイするという意味を持っています。

「でもクラブって高いシャンパンが降りたら簡単に売り上げが上がるじゃない」そう思うかもしれません。そこで今度はクラブの営業時間が関わってきます。
銀座のクラブの営業時間は20時から24時半、お客様は支払いを済ませて25時には退店しなければいけません。そしてクラブには「1セット90分で飲むのが粋ですよ」という暗黙のルールがあります。昔の飲み屋街は道を歩けば人と人の肩がぶつかり合うくらい混み合っていた時代がありました。どこのお店も満席。長居はよろしくないということで、パッと飲んで1日3軒をはしごする方もいらっしゃいました。たくさんのお店を回る時代はクラブは1セットがちょうど良かったんです。

お客様が一番多い時間帯=お店が忙しい時間帯です。それは22時前後です。その90分1セットの来店が21時半〜23時だと前後でお席が回転しません。オープンと同時の20時ぴったりにいらっしゃるお客様は少ないですし、お客様が帰られた後は片付けもあります。後半で考えても、21時半にいらっしゃって23時にテーブルチェックだとお支払いをして退店する頃には23時15分ごろになります。仮に次のお客様を23時半にお席に通してもそのお席は1時間強しか滞在できません。

お店は限られたテーブル数を確実に1日2回転以上させたいわけです。同じ1日の売上でも「1人のお客様がたくさんお金を使ってその他のお席がスカスカ」のお店よりも、「いつも早い時間から満席」のお店の方が見栄えもいいですし、活気があって気がよく見えるので来店されるお客様からの印象が良いです。
その為、20時半に確実に来店の予定を立てられる同伴は大事になってくるのです。

実際みんな同伴はできているのか

さてここまで読まれた方は「そんなに厳しい同伴どうやって約束するんですか」とお思いになるでしょう。誰しも新人時代、右も左も分からないお店でお客様の連絡先をひとつも知らないのに、3ヶ月以降に同伴5回以上がノルマとなれば不安にもなります。

でもコツを掴めば簡単です。クラブには同伴賞というものがあります。毎月8回以上達成したホステスがミーティングで表彰され、賞金をもらいます。ある月はBlairも15人程が同伴賞を取っていました。人気のホステスさんにもなると毎日同伴している人もいます。つまり、コツさえ掴めばそう難しい話じゃないんです。

同伴を取るコツ

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接客で一番大事なことは、まずはお店の中でお席を盛り上げること。自分の顔を覚えてもらうことです。これが本当に大変で、お客様は一度の滞在で4人も5人も名刺をもらいます。お酒も飲んでいますし話した時の印象が薄ければ翌日「あ、この名刺誰だっけ」なんていうのは当たり前です。それでは翌日のお礼のご連絡をお送りした際にお返事をいただける確率は低いでしょう。

そしてお席では食事の話を混ぜながら、翌日以降に昨晩話した内容を混ぜてお礼をするということです。翌日のお礼の際には必ず前日に話したお話を混ぜてください。基本中の基本ですが特別感が大事です。お客様はきっとたくさんのホステスからお礼の連絡をいただきます。みんなノルマがかかっていることは一緒。ホステスからのお食事のお誘いも連日されていると考えて間違い無いです。

ではその普段の連絡のやり取りで「お食事一緒にいきましょう」や「よかったら今度お食事連れて行っていただけませんか」と送っていませんか。
そんな人任せな方法だとうまくいきません。商談や仕事では、相手が断れないような理由を作ることが大事です。

「先日お席でお話ししていた美味しいお食事屋さんの件ですが、◯◯というお食事やさんが美味しいと、お店のママに聞きました。予約が難しいそうなのですがもし取れたら一緒にいきませんか」

この答えが私はベストだと思っています。勿論誰にでも当てはまるわけじゃ無いのですが、もし私がお客様だとしたら
・提案がある(しかも少し興味があるお店)
・他の人が連れて行っての一点張りだけど、少し気が利いている
・自分との会話を覚えている

と、このホステスの連絡はポイントが高いなと感じます。
お客様にとってホステスは1対100。自分のお店以外のホステスにも食事は誘われています。お誘いは頭を使ってしないと、月並みの文章だとダメなんです。
同伴が取れないホステスのみなさんは、同じような内容をただたくさんのお客様に数打っているだけなので、試行錯誤してコツを掴めば確実に実力をつけていくことができます。

私は東京に来て新人時代、お客様0から2ヶ月目は同伴15回、3ヶ月目から月に16回(1週間5日営業中4日)を切ったことがありませんでした。色々と試行錯誤したり模索して必ず手ぶらでお店に出勤しないと心に決めていました。
他にも同伴のコツはたくさんあるのですが、そちらはまたの機会にお話しできたらと思います。

よろしければこちらの動画も参考にご覧くださいね。同伴やその他夜の仕事についてあれこれと語っています。それでは、また。

おすすめ参考動画

【銀座のお仕事について本音で語ってみた】同伴できないとクビ?キャバクラとクラブの違いは?

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