医療の定義を間違えると、誰も幸せになりません
<診療と経営は同じ視点を持つことが重要>
診療技術が高い素晴らしい先生ほど、口腔内だけでなく、全身疾患の状態や患者様の顔の表情などから問題点を把握します。
今後、起こるリスクも事前に察知します。
例えば
「数年前に治療したこの歯の根っこに少し膿が溜まっているので、数か月以内に痛みが出たり、歯が浮いた感じが出てくるかもしれません」
「食事の時、よく噛めているから食事の形態は変える必要はないですが、飲み込むまでに少し時間がかかっています。もしかしたら普段のADLの低下など変化はありますか?見たところ肺活量の低下が疑われます。」
その時は、
え?
いまそんな症状なかったけど…。とびっくりします。
実際に予言したかのような状態になると
「すごい!先生の言う通りになりました」
ということは多々あります。
この高度な診療ができ、成果を出している先生に
「今できていない治療や技術など足らないことはありますか?」
と聞くと、必ずと言っていいほど
「あれもできてません、これもまだまだ勉強中です」
と謙虚な回答をいただきます。
他責でなく、自責。うまくいくことはスタッフのおかげ。
失敗は自分のせい。
そんな印象を受ける先生方にたくさん会ってきました。
一方、客観的にみて「やべーな」と思う医院の院長に同じ質問をします。
「いやー患者も多く来ているし、順調だよ」
と、これも必ずと言っていいほど、同じ回答が返ってきます。
しかし数年以内に、スタッフは去り、売り上げはがた落ち。
すべて悪いのはコロナのせい。スタッフのせい…。
経営も全く同じです。
診療の知識がないから、全体が分からない、問題点、未来がわからないように、経営の知識がない先生は今後起こる問題点を発見できないのです。
例えば、売上が5億ある医院があったとします。
人事生産性(1時間当たりにスタッフが残す利益)は800円。
純資産率(医院に残っているお金の割合)は3%です。
この場合、
歯科医院で5億もあるんですか?すごーい!
って多くの先生方は感じるかもしれません。
私や経営に詳しいプロからしたら
「めちゃヤバいやん!!…。いつ、つぶれるかわかりませんよ」
と思います。
口腔内でいうと、痛みが全くないけど、歯周ポケットが全周10mmといった感じです。
乾燥痰がべったり上顎にくっついているのに、肺炎になっていないから大丈夫と診断する感じです。
とはいえ、医療と経営を結びつけるのは「はしたない」
金儲け主義の医者の考えだ!!
と思うかもしれません。
おそれながら先生方。
公益社団法人全日本病院協会(全日病)の医療の定義をご存知でしょうか?
『医療とは、診療のみならず、医療機関で行うすべての業務をいう。すなわち、経営、組織運営を意味する。』
つまり、医療とは、診療、経営、組織運営の3つすることが求められており、どれか1つだけでは不十分だという意味だと私は解釈します。
高度な診療を提供し、そこで働くスタッフの生活の不安を取り除き、良好な人間関係を構築する組織を運営する。
その先に患者様やご家族が喜ぶ姿がある。笑顔がある。
医療法人幸縁会、あすか歯科は全日病の定義通り
本物の「医療」を目指して行動しています。
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