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アート作品はなぜ高価なの?

アート作品を販売したことはありますか?

今回は、作品の値段の決め方に関する投稿です。

作品の値段、私はいつも悩みます。


私が切り絵作家になりたての頃、自分(なんか)が作ったものだし・・・と思い、自分の時給もど返ししてそれはそれは安い価格で出品していました。

そこには「え、このレベルでこの値段なの!?」と言われたらどうしようという自信のなさと、自分のことを大切に思う気持ちの不足がありました。


その価値観がガラっと変わったのは、初めて展示会に出した時。

その展示会はグループ展で、まだコロナ前だったということもあり、会場に多くの作家が在廊していました。周りは皆切り絵界では名の知れた作家さんばかりです。作家活動を始めたばかりの私は身の置き場が分からず、作品をじーーーーっと見つめるフリをして周りの作家さんたちの会話を聞いていました。

すると、作家さんたちは作品が購入されることを「お嫁に行く」と表現していることに気が付きます。

そう、作品というのは自分が生み出したもの。時には苦しみ、時には楽し過ぎて全てを忘れて生み出したもの。子どもと一緒なんです。作品が購入されるということは、お嫁に出すのと同じ。

そう考えた時、変な人にもらわれて、雑に扱われたら、それほど悲しいことは他にない。と思うようになりました。雑に扱われないためには、それなりの価格で出品しないといけませんよね。だって自分の子どもなんですもの。貰われた後も大事に大事にしてほしいです。

大事にしてくれる人に貰われるまでは、お嫁に行かなくて良いと思っています。


以前、「5万円で作品をオーダーできませんか?」

というお話をいただきました。しかしその方とメッセージのやり取りをしていると、どうも信用できない部分があったため、その話はお断りしました。

ですからアート作品の購入というのは、買い手の信用も大事だなと思っています。自分の信用がないと、いくらお金を積もうが手に入らないのがアート作品です。

作品のことを大事に大事にするようになってから、自分自身のことも大事に考えるようになりました。作家になる前、趣味で切り絵をしていた頃は「私なんか・・・」がいつも頭の中にありました。でも今は、そんな自信のなさはどこへやら。「こんなに素敵な作品を生み出した私が、自分を卑下したり否定したりすることなんてないわ」と思うようになりました。

他の人と自分の作品を比べて落ち込むこともなくなりました。思えば、人と比べることで自信をなくしていたのだと思います。しかしアートは、他人と比べる必要は全くありません。

「あの人よりも下手だから、あの人の作品よりも安く・・・」という価格設定の仕方はしなくても良いです。

大事なのは自分軸

人と比べた時の作品の価値ではなく、自分にとってその子(作品)がどれだけ大切かによって価格が決まります。だから作品の価格を決める時、いつも悩みます。子どもに値段はつけられませんから。

でもお嫁に行って幸せになってほしいので、出品をします。

結果、アート作品は高価になります。

子どもの頃はアート作品が高価なことが全く理解できませんでした。でも今は、どれだけ高価でも驚きません。他の方が作った作品も愛おしいです。アート作品を迎え入れるということは、結婚するようなものですね。


はい。今回はこのような取り留めもない思考を最後まで読んでくださりありがとうございました。



記事を読んでくださりありがとうございました。辛い思いをしている人が少しでも楽になりますように。