十角館の殺人

表紙

最近漫画やyoutubeショートみたいな簡単に消化できるコンテンツにばかり触れていたから脳が委縮しているというか自分で深く考えることを拒否してきているように感じる。
作品を観た感想も話題作であればX(旧Twitter)に大量に流れてくるため、思考を放棄し他人の感想に乗っ取られそうになることもしばしばある。
なので感想を言語化する練習もかねて先月読んだ十角館の殺人を読んで思ったことをまとめようと思う。

あらかじめ書いておくとあくまで自分が読んだときに考えていたことをそのまま出力するので作品に全然関係ないことばかり書くことになるでしょう。

なぜこの本を選んだか

ミステリー小説が読みたくなって調べたらyoutubeで紹介されてたから。
上記であんなことをいっておいて結局こういうものに頼るのは悲しいものである。
とりわけ惹かれたのが「映像化不可能なミステリーの金字塔」というフレーズ。
正直この時点で2~3個オチが想像できちゃうがどのようなものか気になったのでこの本を読むことに。

10ページ読んでみて

本格的にやばいと思った。
何がというと登場人物の名前が全く頭に入ってこない。
名前が頭に入ってこないから特徴も頭に入ってこない。
しかも主要人物が7人もいる。
日本舞台だから全員日本人だろうと思って読み始めたら主要人物全員海外ミステリ作家からとったあだ名で呼び合うってなんだそれ。
洋画見てても海外の名前は全く頭に入らないから非常に参った。
冒頭の主要人物が全員出るまでを2回ほど読み返すことになった。

さらに読み進めて

なんとなく登場人物の特徴が掴めたが次の問題が。
登場人物の見た目や舞台となっている無人島、館の情景に今まで自分の見てきた既存の人物、キャラクター、風景を当てはめるだけで自分のイメージを想像(創造?)できなくなっていることに気付いた。
これは割とショックだった。
昔本を読んでいた時はそんなことなかったのになぁと思いつつここ数年ルーティーンみたいな生活しかしてないから脳が鈍ったのではと心当たりもあるのでもっと脳を使うように心がけた。

2章まで読んで

この本の構成が1章:昨年妻と使用人を殺し自身も自殺して無人となった曰くつきの島にきた7人の大学生が十角館と呼ばれる館で1週間の合宿をする。→2章:一方本土では別口で昨年の事件を探るため元ミス研の大学生が捜査を開始する…
といった用に島と本土の出来事を章ごと交互に描写していくが、前述のキャッチフレーズ「映像化不可能なミステリーの金字塔」が頭に残っているため大体予測がついてしまった。
自分はネタバレ込みでも楽しめるタイプではあるので一旦そのことを忘れて読み進めることに。

正直読みづらい

ある程度読み進めればあとは流れで読み続けることができるけど学生の時くらいしか活字に触れてこなかったので正直読みづらい。
加えて文体や表現がすこし古いということもあってなかなか疲れる。
調べてみたら1987年に出た本らしいので当然といえば当然か。

読み終えて

終盤まで読み進めて件の映像化不可能といわれる意味を理解した。
案の定1~2章を読んだあたりの予想と概ねあっていたわけだけど漫画や映画等で叙述トリックや複線回収を大量に浴びてきた世代であるとい前提を差し引けばかなりゾクッとするシーンだった。
(十角館の殺人の紹介に用いられる別のキャッチフレーズ「衝撃の一行」に該当するシーン)

X(旧Twitter)において過去の名作を見た感想が○○のパクリじゃんww→いや○○の元ネタがその名作なんだが?みたいなネタかどうかわからんやり取りをたまに見かけるけどこの作品においても昨今の叙述トリックの走りとして当時は斬新で衝撃的だったんだろうなぁ。

そういえば作中で遺体の左手がなくなるという描写があったけど「変な家」(著:雨穴)でも遺体の左手が見つかっていないことが重要なファクターになってたけどこういうところに元ネタがあったりしたのかしら?

総括

現代の最新エンタメもいいけどその元となった過去の名作に触れた方が深みが増すよね。


余談

「映像化不可能」って言われてたのに2024/03/22からhuluでドラマが配信されるのね。
どう表現されるか気になるから見てみようかしら。

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