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FXの両建てとは?両建て解除とは?

FXにおける取引方法の「両建て」とはそもそも何なのか、と興味を持たれたことはありませんか?

今回は、両建ての仕組みや、メリット・デメリットなどを知りたい方へ向けた、両建て、両建て解除について基礎知識から応用まで、わかりやすく説明します。


FXにおける両建てとは?

FXの両建てとは、同一通貨ペアの買建玉(買いポジション)と売建玉(売りポジション)の両方を同時に保有することです。

両建て期間中は、為替差損益が発生しません。

つまり、相場の急変動による損失拡大を防止できるため一時的なリスクヘッジなどに活用できると一般的に言われています。

そして、両建てのポジションから価格が上昇したら買建玉を決済して利益確定が可能です。

反対に、価格が下落した局面でも売建玉を決済すれば利益確定が狙えるわけです。

その一方、両建ては、スプレッドやスワップポイントの負担がデメリットとなり、経済合理性に欠ける取引とも言えます。

次は、FXにおける両建てのメリット・デメリットについて詳しく説明いたします。

※個人的には使わなくていいと思っています。
一般的に言われている内容をお伝えしていきます。

FXにおける両建てのメリット

両建てにおける最大のメリットは、相場価格が上昇しても下落しても為替差益と為替差損の双方が相殺され損失が発生しないことです。

両建てを行うと期待できるメリットを具体的にあげてみます。

FXにおける両建てのメリットは

– リスクヘッジに有効

– 含み損を抑制する

– つなぎ売買に使える

– 節税対策

以上についてそれぞれ説明いたします。

リスクヘッジに有効

そもそも両建は、リスクヘッジが目的です。

長期に渡って建玉を保有する場合、役に立つことがたまにあります。

例えば、買建玉を持っている期間中、各国が発生する重要な経済指標や政策発表などのスケジュールを確認して、発表直前に買建玉と同数の売建玉で両建てします。

こうしておくと経済指標発表後に相場が激しく変動しても両建てによるヘッジ効果で含み損は発生しません。

その後、相場が落ち着いてきたらタイミングをはかって売建玉を決済すれば元の状態に戻ります。

含み損を抑制する


両建てによるヘッジ効果で含み損を抑制することも可能です。

例えば、ドル/円を100円のレートで1万通貨の買建玉を持ったとします。

その後、レートが1ドル = 99円になって1万円の含み損を抱え込みました。

このタイミングで同数の売建玉で両建てした場合、仮にレートが1ドル = 99円からさらに下落したとしても両建によるヘッジ効果で含み損は1万円のままで損失を抑制できます。

両建てによるリスクヘッジは、相場が荒れそうな要因がある場合や、一時的に含み損を抱えたとしても建玉を決済したくないときに使うことがポイントです。

つなぎ売買に使える

つなぎ売買とは、含み益を得ている建玉を長期的に保有するために両建を使ったやり方です。

具体的に説明すると、現在含み益を得ている建玉を持っていて、まだしばらく保有したいと思っている間にも相場価格は上下に振れながら動いています。

例えば、含み益を得ている買建玉を持っていて利益確定はまだまだ先に伸ばしたいと思っています。

とはいっても、長期上昇トレンドと見込んでガッチリ保有していても一時的な押し目をつけることもあります。

この押し目をつけそうなときのタイミングをはかって逆の売建玉を建てます。

節税対策

FXで得た利益は雑所得として確定申告が原則として必要になります。

雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにも該当しない所得のことです。

FXの他に仮想通貨やCFDなども雑所得になります。

年末までに含み益のある建玉を決済してしまうと利益が確定して課税対象となります。

かといっても、利益を確定せずにそのまま建玉を保有しておくと相場の急変などで利益が損失に変わるかもしれません。

対策として、同額の両建を行った時点で、含み益は固定されます。

つまり、含み益を固定して利益の繰り延べに両建を活用できることになります。

ちなみに、FXの利益を含め雑所得以外の総計が年間20万円以下であれば、確定申告が不要なようです。

ただし、年収2000万円を超える給与所得者は、確定申告が必要になります。

FXにおける両建てのデメリット

FXにおける両建てのデメリットは

– スプレッドの負担が増える

– スワップポイントを払う可能性

以上についてそれぞれ解説します。

スプレッドの負担が増える

スプレッドとは、FX取引における通貨の買値と売値との差のことです。

FXの取引コストのようなものと覚えておくと良いでしょう。

手数料のようなコストはなるべく軽減したいのですが、両建てをするとスプレッドの負担が通常の2倍かかります。

なぜなら、両建は買いで1回、売りで1回といった合計2回分のスプレッドが生じるからです。

売買回数の少ない長期取引ではスプレッドはあまり気にならいないかも知れませんが、短期売買のように取引回数が多くなるとコストの増加は無視できないものとなるでしょう。

スワップポイントを支払う可能性

スワップポイントとは、各国通貨の金利差による調整損益です。

政策金利の異なる2通貨を交換するFX取引では、2国間の金利差調整分としてスワップポイントの受取り、支払いがポジションを決済するまで毎日発生します。

ただし、スワップポイントがプラスでしたら付与されるのですが逆にマイナスの場合は、スワップポイントを支払わなければなりません。

上図の例では
金利の安い通貨USD(米ドル)を売って、金利の高い通貨TRY(トルコ)を
買うことで金利差分のスワップポイントを受け取ることができます。

逆に金利の高い通貨(TRY)を売って、金利の低い通貨を買う場合は
スワップポイントを支払う必要があります。

両建てすると、基本的にスワップポイントがマイナスになることが多いです。

理由は、通常売りと買いのスワップポイントが同額ではないため、その差額分のコストがかかるからです。

先進国の通貨は基本的には政策金利が低く設定されています。
逆に、トルコリラやメキシコペソのような新興国通貨は政策金利が高く設定されています。

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2024年1月時点の主要通貨の政策金利一覧

日本(JPY) -0.1%
スイス(CHF) 1.75%
オーストラリア(AUD) 4.35%
欧州(EUR) 4.5%
カナダ(CAD) 5%
イギリス(GBP) 5.25%
アメリカ(USD) 5.375%
ニュージーランド(NZD) 5.5%
南アフリカランド(ZAR) 8.25%
メキシコ(MXN) 11.25%
トルコリラ(TRY) 42.5%

補足
政策金利とは
中央銀行が金融政策のために設定する金利を言います。
設定された金利を参考に預金金利や貸付金利などが決まります。
一般的に、景気が良い時は政策金利を高く設定してインフレを抑えます。
お金を借りる時に金利が高かったら借りにくいですよね!

一方景気が悪い時には政策金利を低く設定して経済を刺激します。
金利が安かったら借りやすいですよね!

この政策金利の変動に応じてスワップポイントも変わってきます。

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まとめ

今回、説明したFXの両建てと両建て解除について以下にまとめてみました。

FXの両建てとは

– 同一通貨ペアの買建玉と売建玉の両方を同時に保有すること

FXにおける両建てのメリットは

– リスクヘッジに有効

– 含み損を抑制する

– つなぎ売買に使える

– 節税対策

FXにおける両建てのデメリットは

– スプレッドの負担が増える

– スワップポイントを払う羽目になる

両建ては、メリットも多いですがデメリットもそれなりにあることが理解できたと思います。

少しでもご参考になれば幸いです。

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