企画三原則~世の中にないイベント企画を創るたった3つの方法~

「よくそんな面白い企画を考え付きますね」とほめられることも多いのですが、実は「面白い企画」もフォーマットに基づいて創られていることが多かったりします。今回の記事では、その面白い企画づくりの3大フォーマットについてご紹介します。歴史の教科書で聞いたことあるフレーズをもじって「企画三原則」と呼んでいます。

本当は、教えたくないか、有料記事にしたろうかとも思うくらいの企業秘密ですが(笑)新年お年玉大公開です。実際、やっていることは、超シンプルだったりするのですよ。

昨年「つまらないイベントをおもしろくする」というテーマで講演会をやったのですが、そのときの内容が好評だったので、時間の都合でカットされた話も含めての記録です。何かのお役に立てれば幸いです。

面白いイベントを創る方法. 1 一緒につくる

しゃべれて集客力のある登壇者を招いてしゃべってもらって「あ~おもしろかった」……これもイベントの王道パターン。一方、最近、増えてきていてホットなのは「ステージとお客さんが一体化して共通のゴールに向けて何かをつくりあげる」タイプの「参加型イベント」です。

前者は、ステージをテレビに見立ててみると「マス型ショーイベント」となります。一方、後者は「ソーシャルメディア型参加型イベント」とでも言えばいいでしょうか。

こと30~70人、多くて100人くらいまでの規模で場の空気を暖める最良の方法は「客席を巻き込んで一体感を創る」ことだったりします。

客席の巻き込み方には様々なパターンを持っていますが、ここでは例として「プロモソン」を紹介します。

たとえばNHKさんと取り組んでいる「NHKディレクソン」は、全国の支局をまわり年間10都市で開催されています。地域のキーパーソンを30人弱あつめてグループにわけ、NHKの職員さんも一緒に、その地域を盛り上げるテレビ番組企画を考えてプレゼンします。審査の結果優勝すると、実際に県域放送とBS1全国枠で番組化されるという企画です。

プロモソンは「ハッカソン」や「アイデアソン」のフォーマットを活かしながら、参加型エンタテインメントの要素を強調したオリジナルの型になります。プロダクトやブランドの要素を構成に存分に盛り込み、そことつながりのあるアウトプットをお客さんに企業と一緒に創ってもらうことで「参加してよかった」「(ブランドやプロダクト)があってよかった」と参加したみなさんに感じていただくことがゴールです。

さらにチーム戦による「共同作業」なるので、特に同じチームになった人とはとても仲良くなり「友達が増えた」というお土産がついてくることが、参加者の満足感を増やします。

ちなみにこの型を思いついたきっかけは、SCRAPさんの大人気コンテンツ「リアル脱出ゲーム」だったりもします。参加型エンタメの王者なので、参加してみるととても勉強になりますよ。

面白いイベントを創る方法. 2 たくさんあつめる

しゃべれて集客力のある登壇者を招いてしゃべってもらって「あ~おもしろかった」……繰り返しになりますが、これもイベントの王道パターン。しかし、有名人を呼ばなくても、おなじ属性のひとたちをたくさん集めると、お客さんが「……なんか面白そうだ!!」と思う企画が生まれます。

その典型が、ナースのコミュニティ・看護師ーずと立ち上げた「渋谷ナース酒場」です。「病院勤務の看護師が対談」では企画としてのインパクトは正直弱い。しかし「現役の看護師が50人集まります!」という企画になった瞬間に、いわゆる「ヒキ」は格段に増します。誰もそんな場所を見たことないし、なんか面白そうな気配がそのフレーズだけで広がってくるからです。渋谷ナース酒場は、朝日新聞、日本経済新聞、エキサイトニュースの取材を呼び、話題性も獲得しました。

これをスライドさせた企画が「保育士さんといっしょ」です。看護師がうまくいったら保育士……本当に短絡的な発想でスライドさせた企画ですが、保育士さんのみなさんのファシリテーション、場づくり能力が存分に発揮される素晴らしいイベントになりました。

集める属性を変えて人を集めると、つくられる場の空気がガラっと変わります。両イベントをはしごして、ちがいを楽しむリピーターも生まれました。参加者ひとりが3人呼べば、100人のお客さんが集まるイベントが成立するので、集客上もとても有利だったりもします。

大事なのは「属性」の人を集めることで、それぞれの属性が持つ個性が、場の個性を色濃くつくりだされることです。プロデュースする身としては、その個性がきっちり発揮されるよう企画を整理して、丁寧に進行や、お客さんとのコミュニケーションの創り方を設計すればいいわけです。

面白いイベントを創る方法. 3 フォーマット×テーマ

テレビ番組や世間のイベントをみると、世の中にはさまざまなコンテンツの型「フォーマット」が転がっています。そのフォーマットを、既存コンテンツとは異なる意外性のある「テーマ」と掛け合わせると、ユニークな企画が生まれます。

AbemaTV発の人気ラップバトルコンテンツ「フリースタイルダンジョン」のフォーマットを「手打ちうどん」というテーマで掛け算した結果生まれたのが「TEUCHI~うどん総合格闘技~」というイベントです。オーガナイザーの小野ウどんさんと「うどんでストリートバトルできたら最高に面白くない?」という雑談したのがきっかけで生まれました。

ちなみに今この対戦型フォーマットは盛り上がっていて、拠点にしている東京カルチャーカルチャーで最初披露されて話題になったのは「デジタルアート」というテーマで掛け算した「LIMITS」というイベントでした。そのあと「契約書レビュー」を掛け算した「契約書タイムバトル」というイベントも人気になり、しかもいずれも面白く、2018年のイベントシーンを代表する型になりました。話題になっている「eスポーツ」もまさにこの型そのものです。

ビジネストークイベントが面白くない……という雑談から「カードゲームと組み合わせたら面白くなるのでは?」という流れで生まれたのが、一般社団法人コトの共創ラボと開催している「めたもんショー」です。ポケモンの発想で、異能なビジネスパーソンを捕獲・コレクションしてカード化するプロジェクトという体で、毎回4人の異能人材をトークで戦わせます。カードになりたい一身で、それまでなかなか表に出てこないような方も喜んで登壇してくださるのも特徴で、27人の方々が既に出演=カード化されています。

名刺交換会というきわめて日本的なフォーマットを逆手にとったのが、企業やベンチャー支援者と一緒に開催している「名刺交換禁止のメイシ交換会」です。名刺交換会なのに名刺交換禁止!?という意外性が好奇心をそそるのか、会はとても盛り上がります。要するに、自分をもっと本質的に紹介できる型をその場で提供し、それをもとに自己紹介をしてもらうワークショップスタイルのコンテンツなのですが、意外性も手伝ってか、参加する前と後の盛り上がりが段違いなのが特徴です。

ほかにも「フリップトーク」「ひな壇トーク」「クイズ」など、世の中には王道なコンテンツのフォーマットが転がっています。ある種のパロディ感覚でもって、違うテーマと掛け合わせて見ると、自然と面白いコンテンツが生まれます。

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いかがでしょうか。書いてみると意外と簡単に、面白い企画が生まれそうではないですか?

ただ、なかなかパターン化できずに難しい企画の要素が2つあります。

1つ目は進行やロジスティクス、つまりイベントを現実化するための構成組みです。最近の参加者は目が肥えているので、進行の粗や隙を見逃さない傾向があります。ただ一方で、実は参加者は完成されたものも求めてないし、その完成感が場の空気を硬直化させることもあるので、大事なのは「オーガナイズされたゆるふわさ(隙)」をつくることだったりします。これがコミュニティ・アクセラレーターとしてのノウハウのコアの部分かもと思ってます。

2つ目は「ネーミング」です。イベントには、企画コンセプトが先で後から名前が決まる「コンセプト先」の場合と、名前が先に浮かんでコンセプトがまとまる「名前先」の場合とがあります。名前づけは締め切りぎりぎりまで悩むことが多く、本当に胃が痛い作業です。「茶ッカソン」「渋谷ナース酒場」は名前から一気に企画がかたまった例。やっぱり、ヒットする企画って、名前として力のあるケースが多いんですよね。

というわけなのですが、基本的にイベント企画は誰でもできることです。この3つのパターンの企画を駆使して一歩踏み込んでみると、この世の中にないユニークなコンテンツが、みなさまにもつくれるのではないでしょうか。ぜひ、2019年、新しい、みんながあっと驚く企画を世に放ってください!!

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