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手話で脚本創作塾②「セリフが命」

今井雅子さんワークショップの「脚本創作塾」を先日受講したので、その中で作ったお話を備忘録としてメモその2。

前回のnote

文化庁の令和4年度障害者等による文化芸術活動推進事業の育成×手話×芸術プロジェクトでは情報保障がちゃんと付くのでかなり有意義です。オススメ。


前回はキャラ立ちについてモノローグを書けるようになるのが目標。そして今回はセリフについて化学変化と脱・予定調和を意識してやっていく。脚本はセリフが命。なので、誰が誰と話しているかを意識して考える。

空を飛ぶ、という言葉のお題に対して10分でサッと考えて書いていった。


お題3「空を飛びたいな」
〇12月クリスマス 家の中
絵本を読みながら少年と少女が遊んでいる 
少年「空を飛びたいな」 と手をばたつかせる
少女「(顔を顰めて)はあ?なんで?」
少年「神様はお空にいるって、お母さん言ってたよ。 神様が全部空から見てるからね、嘘ついたらだめよって。」 
少女「(本を読みながら横目で)ふ~ん」 
少年「空飛んでね、嘘ついてないよ、プレゼントちょうだい。って言うんだ」 
少女「違うんじゃない?神様は下にいるんだよ」 
少年「え、上じゃないの?」
少女「嘘をついてるかどうか分かる閻魔様は、地獄にいるって本に書いてあるよ」

<寸評> 
落語の小噺みたいな話。 最初、空に飛ぶ目的が神様に会いに行くとかかな、と思いきや下だったから飛ぶ理由がなくなっちゃった、と。それは思いつかなかったので面白い。落語的なオチは十分ついているのと脱・予定調和やズラしができているので良いと思う。

そして次はラジオCMを考えていくというお題。

お題4 ラジオCM 
娘を持つ父親、遊園地×手を握る、というシーンを考え実体験を盛り込んだ
(※内容は12月の〆切までに煮詰める予定なのでここでは一旦割愛)

<寸評>
手を握ってもらえて嬉しいっていうところにフォーカスしている。
20秒は本当に少しのことしか言えないのでその場面だけにフォーカスして描くのは良いと思う。あとは上手く整えるだけ。


ラジオCMは20秒なので文字に起こすとだいたい100文字以内あたり。
すごく短い間にバッと印象に残るように。ネタは突飛すぎず、ありきたりになりすぎず…。ありきたりでもいいけれど脱・予定調和やずらしがあると印象が強くなる、らしい。
ラジオCMだと聴覚的要素強め…?ラジオCM聞いたことないのでちょっとイメージしづらい。一般的なテレビCMでも字幕も付いてないのがほとんどだしな…CM……山手線でなら電車の中のCMは見るなあ…後で調べてみよう。
あと自分はオチを強く考えるので「これは面白いやろ」とぽんぽん発想を出していくのは比較的得意だと感じた。


・()の使い方
()には表情や気持ちを入れることができる。その他には言語など。
セリフの中の()の言語についてはかなり興味深い点があった。
脚本に手話を話しているシーンを取り入れるときはどう書くべきか

「(手話で)私の好きな色はオレンジです」(会話内容重視)
「(手話)私/好き/色/オレンジ」(手話表現重視)
どちらかで書くのが良いそう。
この(手話)がどういう手話なのかは役者(製作陣)に委ねることになる。
それは(英語)で話した場合も同様で、I like〜なのか、my favorite〜なのかと言ったようなニュアンス、どんな英語なのかは後で決めることになる。
一方、コンクールなどで出す脚本は「分かりやすさ」が最優先となる。審査員の立場としては手話がどんな手話なのかはあまり重要視しないためである。
もし言語について設定を盛り込みたいなら冒頭のキャラ設定部分で説明していくか、実際に制作に進む段階でそこで擦り合わせていくとのこと。

追記:今井雅子さんの話の中で「日本とイランとの合作を作った時はまず日本語で脚本を書き、日本で企画を進めお金を集めてから、撮影する時はペルシャ語の脚本も改めて作って、進めた」という例を話していたのを今思い出した。ペルシャ語の脚本を後で作るのと同じように手話脚本も後で作るパターンも考えられるかもしれない。
手話通訳の日本語→手話とろう役者の日本語→手話の翻訳や在り方についてはまた別の話となると思われる。要は脚本は一つの細長い道筋みたいなもので、シンプルであることが求められ、そこから監督、役者、それぞれの人の手によって多様に変化しやすいものなのだろう。


・他受講者コメント感想
「聴者の笑いのポイントとろう者の笑いのポイントは異なる」と。
自分の作品は聴者的(聴覚的)、ろう者的(視覚的)かどうかはあまり意識しない方かなあ…。ただ、他の人の発表を聞いてみると、あ、これは視覚的に見たら絶対面白いんだろうな、と思った部分もあった。これを手話でなく文字で言語化するのはちょっと難しく感じる(時間がかかる)(笑)

・聴者の笑いについて
友人曰く、Silentのドラマで取り上げられていた「パンダが落ちる」動画は音的な要素で面白くて笑えるらしい(?) 
(ここ未だにピンと来ず)

・今回面白いって思った他の人の発表(要素メモ)
 ・お空×バンジー
 ・遊園地×変顔・入れ歯・皺


来週までにお題4の文の体裁を整えておく。
がんばります。

追記:聴覚的な面白さの笑いのポイントを分析してみると「繰り返す言葉」「SE」が重要そう?
ネットで調べてたら「キャッチコピーのコツとして効果音も声に出して(!)再現してみてください。」って書いてあるのを見かけたのだが、わざわざ(!)を付けてるあたり聴者は効果音を滅多に声に出さないんだなって思った。ほ〜ん…。


写真は渋谷の109前。
草間彌生の写真がそこら中にあってかなり狂気を感じた。
ルイ・ヴィトンさんそんな感じでええんですか?ええんですね。心の懐がめっちゃ広いんですね。
あまりにも突飛すぎて風景に視覚がバグるけれど、逆に渋谷のカオスな雰囲気に妙に調和してしまっているように感じられた。カオスだなあ。

つづき

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