最期に故郷に残した神社の話
古い集落を探索していると、よく昔あったものを耳にする。
「温泉宿があった」「郵便局があった」「棚田がどこまでも広がっていた」等々。
それらの集落を構成していた要素が徐々に消えていって、ついには集落そのものが維持できなくなったとき、果たして最期に残るものは何が多いのか考えることがある。
集会所、蔵、バス停、作業小屋、墓……。
そして、きっと神社もその一つだろうと思っている。実際、車で山奥を走っていると山道にぽつんと神社が建っているのを見かけるが、後で調べるとかつては小さい集落