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ドコモ・アバターポータル キャラクター制作の裏側

メタバース空間でとっても重要な「アバター」。
自分の分身でもあるメタバース上のアバターですが、かわいい女の子になりたかったり、恐ろしい悪魔のような姿になりたかったりと、色々な好みがあります。
現実世界の私達が季節によって着替えたり、イベント用におめかしすることもあるように、ヴァーチャル世界でも気軽に着替えることができると良いですよね。

NTT QONOQ(以下、コノキュー)が開発した「ドコモ・アバターポータル」では、洋服をクローゼットにしまって着替えるように、アバターを簡単に管理できます。
アタリでは、この「ドコモ・アバターポータル」のポータルサイトの動画と、キャラクターアバターの「リーリ」を制作いたしました。

▼ドコモ・アバターポータル
https://portal.avapf.com/home

▼株式会社NTTコノキュー 


アバター制作の方針

アタリでは、バーチャルヒューマンのようなフォトリアルなものからトゥーン調のものまで、多様なアバター制作が可能です。

アバター制作にあたりコノキュー様から、いくつかのリクエストをいただきました。

・なるべくフォトリアルでありつつ、手軽にスマホでも体験できるクオリティにしたい
・中性的なタイプで、男性にも女性にも好まれるタイプにしたい
・ケモ要素も取り入れたメタバースならではのファッションにしたい

上記のような要望から今回のアバターの方向性を決定していきました。
フォトリアルでありながらも、メタバースで動かせるようにある程度軽量化されたアバターを希望でしたので、今回は実在する女性をフォトグラメトリでスキャンしたものを調整するワークフローで進めることに決めました。

今回のアバター制作におけるCGのこだわり

フォトグラメトリといっても、スキャンしたそのままで簡単にアバターへ仕上がるわけではありません。
メタバース上でバーチャルヒューマンMEMEのようなリッチな見た目の仕上がりにするには、まだ技術的に難しいポイントがいくつかあります。
そこで、メタバース空間上でなるべくリッチなクオリティで動くための、最適化の工夫をいくつかご紹介します。

・シェーダー表現の代替案の工夫
メタバースのリアルタイム空間で使うシェーダーには制限があります。プリレンダで使えるシェーダー表現の代わりとして細かな調整をしています。
例えば肌のテクスチャ感や、前髪の立体感、服のふわっと感をだすのには、それぞれの影が自然になるようにベイクしています。
髪の毛は特に見た目でクオリティ感が印象づきやすいので、描画順を調整することもリアルさを追求する上では大事な調整です。

・ポリゴンの調整
もとのスキャンモデルにあるディティール感を損なわないよう、細かなポリゴンの微調整をしています。

表情をつくるときのポイント

今回キャラクターをメタバース空間上で動かすことが目的なため、いくつかの表情セットが必要でした。
フォトリアルなキャラクターはアニメキャラクターのような大胆な変化がつけづらく、表情の変化が繊細なものになるので、細かい調整が鍵になります。

実際にモデルになった本人に表情を作ってもらうことで自然な筋肉の動きを知ることはできますが、笑顔にもたくさんの種類があります。
そのため、笑顔とはどんな表情なのかを再定義した上で、本人に再現してもらうという段階的な作業をしています。

どうしても不気味になってしまう微妙なニュアンス調整なのですが、人間の表情のうち大部分を占める「目と目の周りの筋肉の動き」を最終的には突き詰めて今のかわいらしい表情を作っています。

動画中のリーリ・アップ画像

まとめ

アタリではMEMEのようなハイパーリアルなフォトリアルキャラクターの制作以外にも、さまざまな条件のアバター制作を請け負っています。
例えば今回のようなマルチプラットフォームで動くメタバース空間に合わせた「リーリ」や、CM動画用のアバターなど、プラットホームや使用用途に合わせて最適に調整します。
また、MEMEのようにタレント性をもたせたキャラクター制作の場合には、キャラクター自身のストーリーやバックグラウンドを深堀りした、トータルプロデュースも可能です。

ぜひアタリにお気軽にご連絡ください!