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200名が1チームになるための「日々のものさし」。カルチャーコード・リニューアルの道のり

本日atama plusは、大切にしたい価値観「Values」とカルチャーの全体像をまとめた「atama+ culture code(カルチャーコード)」をリニューアルしました。

Mission/Principle/Values

半年ほどかけて検討を進めてきた本プロジェクト。
ビジネスやプロダクト、コーポレートなど職種混合のメンバーで話し合いながら、改めて「大切にしたい価値観」を言葉にしてきました。

何にこだわって、どのようにリニューアルを進めてきたのか。
プロジェクトメンバーの杉本(カルチャーチーム)・河口(スクラムマスター)に話を聞きました。

1チームであるために、改めて大切にしたい価値観を言葉に

リニューアルした「atama+ culture code」

ーーリニューアルに着手することになった背景を教えて下さい。
杉本:カルチャーは一度つくって終わりではないので、磨き続けることが大事です。ValuesやCulture codeについて、理解をすりあわせるためにこれまでもさまざまな取組みを行ってきたのですが、多様なメンバーが集まり組織が拡大する中で、「すりあわせるが難しくなってきているな」と感じる場面が少し生じはじめていました。

これから300人、500人と仲間が増えてもカルチャーをみんなで磨き続けられるように、基盤となるものを整えておきたいと考え、内容を変える必要があるのかどうかも含めて検討するプロジェクトチームを発足しました。

ーープロジェクトチームでは、どのように議論を進めましたか。
河口:まずは、今社内で起きているカルチャーに関連しそうな問題について、社内のメンバーにヒアリングし、具体的な事象を集めて課題を深ぼっていきました。

プロジェクトチームの様子

例えば、「この行動ってSpeak up.なんだっけ?」という事象の深掘り。そもそもSpeak upは「1つの大きなチームでミッションに向かう」ために、大切にしたいコミュニケーションについて表現したValuesです。

一方で、従来の日本語コピー「話そう、とことん。」の言葉の印象が強いために、すりあわせが難しくなっていると分かってきました。実際は、コミュニケーションにおいて大事にしたいことの1要素でしかありません。

さらに、従来のCulture codeでSpeak upにまとめていた要素を整理すると、情報に対するスタンスや意思決定・役割分担など複数の要素が絡んでいるよねと。もともとは文章で大切にしたいことのニュアンスを伝えるような形式でしたが、100人を超えてきた組織で認識を合わせるには、かなりハイコンテクストになっていました。

だとすると、Speak upはコミュニケーションの要素に絞ってコピーの表現を見直したり、他の要素は改めて別のValuesで言葉にしたり、理解しやすい構造を見直したりしたほうがいいよねと。

リニューアルしたCulture codeでは、Valuesごとの大切な要素をキーワードと説明文で整理

杉本:他にも、大事にしたい価値観ではあるけれど、これまでのValues/Culture codeでは言語化されておらず、すりあわせが難しい価値観がありそうだと見えてきたので、それらの明文化も進めることにしました。

ーー結果的に、どのような方向性で見直していくことになったんでしょうか。
杉本:組織が拡大しても全員でミッションに向かって前進し続けるために、改めて大事にしている価値観を言語化すること、それらを理解しやすい構造・表現にすることに取り組むことに。具体的には、Valuesの追加、既存のValuesの表現見直し、Culture codeの構成・内容の見直しを進めました。

河口:その後は、プロジェクトチームでまとめた素案に対して、全社員から意見やフィードバックを集めて作り上げていった感じです。


「私たちの大切なもの」と感じられる言葉・デザインへ

コピー案の数々。

ーー今回も形にするにあたっては、ブランド戦略顧問の斉藤さん・後さんも関わられたそうですね。
杉本:Valuesの言葉やCulture codeの文章を磨くにあたっては斉藤さんと、本やイラストに落とし込むにあたっては後さんと進めました。

河口:特に、Valuesの言葉を決めるのは、喧々諤々の議論があって(笑)。最初に斉藤さんから頂いた案は、英語コピーだけでも76案。その中から、代表の稲田とプロジェクトチームのメンバーで投票を繰り返しながら、絞り込んでようやく決まったという感じです。

正直最初は「これどうやって決めるん?!」と(笑)。言葉にならない部分も含めて「なぜこの案がいいのか、違和感があるのか」を伝え合いながら決めていきました。

Valuesの言葉を絞りこんでいく様子

ーーValuesの言葉を磨く中で、特に印象的だったことは。
河口:「この表現は、なんかatama plusらしくないよね」みたいな話をしたのは印象的でしたね。ひとつのValuesにも伝えたい要素がいくつかある中で、「何を伝えたいのか」を突きつめて、全てを包含させようとすると、あたり前のことしか言ってない言葉になってしまって。

杉本:そう。Valuesは、日々みんなが働く中に根ざすものにしたい。だからこそ「atama plusらしい言葉か」は、決める際の大事な軸にしてましたね。他にも、意味がわかりやすい、覚えやすい、口にしやすい...みたいなことももちろん大事で。そのあたりのバランスを取るのは、大変だったかも。

ーー前回に続き、今回も本にした理由は?
杉本:atama plusとして、ValuesやCulture codeはずっと大切にしたいものです。ただ一般的には、こうして会社でまとめた言葉って自分ごと化されづらい。愛着を持ったり、自分のお気に入りにしたり、「好きだなあ」と感じたりするためには、「モノ」としてみんなの手元に置いてもらうことが必要なのではと。後さんとそんな話をして、今回も本にすることにしました。


全員でカルチャーを磨き続ける

プロジェクトメンバーからValuesごとに改訂の背景やポイントを説明

ーー新しい内容を200名ですりあわせるために、どんな取り組みをしましたか。
河口:まずは、新しいValuesについて基本的な理解をそろえようということで、半日程のワークショップをカルチャーチームが企画してくれました。一つひとつのValuesについて、改定背景や内容、改めてなぜ大事かといったことを説明した上で、グループワークをするような流れです。

グループワークは、Valuesごとの特性に応じて設計

杉本:Valuesごとに、理解しづらいことや改訂のポイントが違うので、それにあわせてグループワークの内容を設計しました。例えば、新たに加わった「Run together./いち早く、共に」。不確実な状況においてもお互いを信頼しあって、一つの大きなチームとしてミッションに進もうという「チームとしてのあり方」をまとめたValuesです。

意味としては理解しやすいけれども、実際に行動する上では案外難しいことだったりします。そうした難しさも含めて理解しやすいよう、説明に加えて「Aさんが発表した方針に対して、Bさんがその背景に理解・納得しきれず、少しもやもやして前に進めない場面」というケースを設定し、Aさん・Bさんのそれぞれの視点からその要因をValuesに照らして考えるというグループワークを企画しました。

Run togetherのグループワークに取り組む様子

杉本:総じて、みんなからも好評な機会だったのかなと。参加アンケートでは、ワークショップへの参加前後を比較して「ValuesやCulture codeの内容を大事にしたい、迷った時には立ち返りたいと感じるか」を10段階で聞いたところ、半数以上の人で評価が上がっていました。また、職種混合の3〜4人ずつのグループで取り組んだこともあって「普段とは違う視点を得られた」みたいな声もありました。

ーー今後、ValuesやCulture codeをどんな風に使っていきたいですか。
杉本:よくatama plusでは「カルチャーは庭」と言っているのですが、日々みんなで耕し続けるもので、終わりはありません。まずはワークショップを通じて、基本的な理解をすりあわせた段階。「日々のものさし」とするためにも、今後はより日々の具体的な場面で、ValuesやCulture codeに都度立ち返りながら、みんなで理解を深めていけるといいなと。

例えば、「この人のSpeak upの仕方は見習いたいな」「この人のTake partな姿勢は素敵だな」とか。逆に「これってValues的にどうなんだろう?」みたいなことも、率直に話し合いながら、みんなで磨き続けていきたい。それが結果として、Mission実現に向かう速度を上げることにつながると信じています。


(終)

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