見下したくなったら感謝を

 最近やたらと目につく、何かをバカにしてる人をバカにしてる人をバカにしてる人をバカにしてる人をバカにしてる人をバカにしてる人をバカにして………みたいな無限ループあるじゃないですか。僕が知らないだけで他人様を小馬鹿にすることでしか摂取できない栄養素があるとすると、僕は常にある種の栄養失調状態に陥っているはずなわけですがとりあえず今日も元気です。

 威張り散らせるほどレアで高位な知識や技能であれば、持たざる人がいるのは当たり前で、非常識なのは寧ろ持ってる人の方です。そんなことも知らないのか的な持っていても当たり前の知識や技能であれば、ひけらかすほど立派なものでもないでしょう。

 もし仮に本当に誰かが自分より劣って見えたのなら、感謝するべきです。彼らがそこに留まっているが故に、あなたの優位性は担保されているのだから。そしてその優位性をさも理知的であるかの様に喧伝し膾炙する試みは厳に慎むべきです。いずれあなたの玉座に挑みかかる者を生み出すことになるのだから。

 世阿弥は言いました。「秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず」と。知らない人がいるからこそ輝くのであって、知っているもの自体はなんのことはなかったりするもんです。

 とりあえずIQ激低大バーゲン中の僕に感謝してみてはいかがでしょうか。

 自己顕示欲や優越思想の起源を氷河期に求める論説は非常に面白いのでSteven M. Stanley『children of the ice age』もしくは田中康『気候文明史:世界を変えた8万年の攻防』をお薦めします。


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