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イタリアの手続きって。

イタリアに住んでいる・いた方なら誰しも思い当たると思います。
でも、住んでいる地区にもよるのかと思います。
今回書きたいのは滞在許可証更新にまつわる苦労の話です。

そんな話聞きたくないという方は読まなくてもいいです(笑)

いつか誰かが、僕と同じように滞在許可証更新の手続きに心が折れそうになった時、検索でたまたま見つけてくれれば、何かの役にたつかもしれない。そんな程度です。

とにかくイタリアの生活で外国人が一番大切にしなきゃいけないもの。
パスポートもそうですが、それと滞在許可証(ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ)です。
イタリアに居てもいいよっていう証明書です。
これがないと不法滞在で逮捕され、強制送還されます。
イタリアに来た外国人は、到着8日以内にその申請をしなくてはなりません。

着いたばかりなのに、郵便局に行って書類をもらったり、慣れないイタリア語の書類に記入したりと、色々大変なのですが、ネット上に申請の仕方を優しい日本人達が載せてくれているので、ほとんどの人は真似をすればここはクリアできると思います。

ただそこをクリアしてもまた何カ月か後に警察署に指紋認証をしに行かなければならなかったりと、とにかく面倒くさいです。

僕は最初にフィレンツェの語学学校に入ったので、フィレンツェの警察署(クエストゥーラ)に申請することになります。

ただ僕の場合は2か月くらいでフィレンツェを出て、プーリアやローマに移り住んでいたので、実際に指紋認証の日はローマからわざわざフィレンツェまで行きました。

その後ボローニャで仕事を始め、2回目にフィレンツェに呼ばれた時、滞在許可証を貰えると思ったら、なんと2回目の指紋認証。
これ意味ある?
1回目と同じ指紋認証をして終わり。

実際ピエモンテのアスティで申請した知り合いは2回目の招集ですでに滞在許可証をゲットしています。
不安になったので、いつ滞在許可証をもらえるのかその場で確認すると、携帯電話のSMSに連絡するとだけ返答。
どのくらいが目安なのか問いつめると、多分9月くらいじゃない?と返答。

僕がイタリアに来たのが2022年10月後半で、この時点で年をまたいで2023年5月。
滞在許可証を使ってイタリアの銀行口座を作りたかったのですが諦めて、とりあえず出来上がるまで待つことにしました。

しかし9月になっても10月に入ってもSMSに連絡はなし。
ネットで滞在許可証をもらえないまま帰国する人も多数いるという情報は知っていたので、気長に待っていたのですが、僕の場合はもう1年滞在を延長しなくてはなりません。

延長手続きには滞在許可証の原本が必要なのです。

10月に入ると流石に遅いのでフィレンツェの警察署に問い合わせのメールを送りましたが返答はなし。電話をしても分からないと言われる。謎。
所属している語学学校からメールを送ってもらっても返答なし。
警察所のサイトから自分の番号を入力してみても、NON È PRONTO(準備できておりません)

埒があかないので仕事の休日を使って、ボローニャからフィレンツェの警察所に直接問い合わせにいくことにしました。

すると警察署の門の前に何人か警察官が立っていて外国人に対応しています。きっとどの外国人も滞在許可証に関係する様々な問題を抱えているに違いありません。

僕は門の前の警官に事情を説明すると、「滞在許可証に関してはこの列に並べ」とだけ言われ、警察署の門の前にできている約30mくらいの列の最後尾に並びました。

30分くらい並んでいても一向に進む気配がありません。

その時、僕の後ろに並んでいた外国人達の会話が聞こえてきました。

「この列はいつも3時間くらい待っていなければならない。私は一旦帰って、ランチを食べたあとまたここに戻ってくる」。

僕は何かおかしいぞと気づきました。
ただ滞在許可証が準備できているかどうか聞きたいだけなのに、なぜ3時間も待たなければならないのか?

僕は列から抜けて再び門の前に行き、別の警察官に尋ねました。
すると別の警察官は
「この列に並んでいても意味はない。今日は対処できないから明日来い」
と言いました。
危うく3時間無駄に並ぶところでした。
イタリアの警察署は外国人に冷たく、いいかげんに対応するという事前情報も入っていたので、諦めて次の日再び来ることにしました。

次の日の朝、再び警察署に出向きました。警察官に同じく事情を説明すると、予約の有無を聞かれたので、前日ここで今日来いと言われた旨を説明しました。
すると警察官は「予約の証明書がないならだめだ、帰れ。」と言い放ちました。

しかしそんなことで僕はへこたれません。
「いやあんた、昨日、あの警官が僕に今日来いと言ったとこ隣で見てたよね? 警察官が嘘つくの? どうなの?」
と糾弾し、
「とにかくあんたたちは何も分かっていないようだから、中に入る」と、僕は警官を押しのけて無理やり警察署の中に入ろうとしました。
すると焦った警官は「だめだだめだ。わかったから少しここで待て」と言いました。
しばらくすると手続きの担当の人らしき方が出てきて、「10日程度で急いで準備する。準備出来たらSMSで連絡するから待て」と言いました。

本当はこんな強硬突破はしたくないけど、こんなことをしないと事が前に進まないとは・・・。
それに本当は受付の警察官達だって、外国人を追い返す仕事なんてしたくないはず。なんだか可哀そうになりました。

そんなこんなで10日経ち、15日経ち、一向に連絡がくる気配はありません。
そこで電話で警察署に問い合わせると、「とにかく準備はできたから、月曜か金曜どっちでもいいからとにかく来い」とのこと。

月曜が仕事休みだったので再びフィレンツェに向かいました。
そこから3時間どころか6時間外の列に並び、2時間署内で待ってようやく滞在許可証を手に入れました。
途中、5時間くらい待った時点で警察官が、「今日は手が追い付かないから終わり」とかなんとか言ってきましたが、ずっと並んでいる人達みんなで抗議して、流石にそれは無くなりました。

予想はしていましたが、滞在許可証の有効期限は10月31日。
許可証を貰った日が10月31日。
あと数時間で失効するという、意味のなさ。
そして多大なエネルギーの無駄遣い。

滞在許可証申請手続きはここで終わりではありません。

その滞在許可証を使ってイタリアの保険(テッセラ・サニタリア)に入らなければなりません。
そしてその保険に入る為に住居登録(チェルティフィカート・ディ・レジデンツァ)を取得しなければなりません。

地元の市役所(コムーネ)に行くと、有効期限が切れた滞在許可証では何も対応できないとのこと。
そして彼らは言います。

新しい滞在許可証を得る為には・・・。

保険が必要。
保険に入るためには・・・。

住居登録が必要。
住居登録を得るためには・・・。

新しい滞在許可証が必要。

いや、もう卵が先か、鶏が先かみたいな話になってるじゃん!
結局役所でさえ、外国人の滞在許可証に関してはよく分かっていないのです。

色々調べた結果、イタリアの保険は諦めて、WAI保険というのに入りました。この保険はオンラインかつパスポートだけでいけるみたいです

いろいろドタバタはありましたが、必要な書類を用意してなんとかイタリアの2年目の滞在許可証を申請することができました。
そして今度は来年の2月にボローニャの警察署に出向かなければなりません。とほほ。

イタリアの手続きは本当にエネルギーの無駄遣いです。
かなり疲れます。
原因はフィレンツェの警察署の仕事の遅さなんですが、もっと早めに対応しておくべきだったかもしれません。
ローマでは勝手に半年くらい滞在許可証の有効期限が伸びていたなんてことも聞いていたので、何が正しい対処法なのかわかりません。
滞在許可証の有効期限が切れて1ヶ月までは、まだ犯罪にはならないのですが、ぎりぎりでした。
とりあえず一安心。
これで来年もいられます。

ちなみにこんな記事も見つけました。

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