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玲央への手紙 04

玲央,

パパは玲央のかんしゃく発作を押さえるつもりで
玲央の体を痛めつけてしまう時があるんだね。
酷いパパだね。
自分のことが嫌になるよ。
玲央が怒りそうになったら、気をそらして、
いい気分にさせればいいと分かっているけど、
うまくいくとは限らない。
玲央を部屋から連れ出しても発作が治まらない時は恐ろしい。
恐ろしい泣き声、恐ろしい力、恐ろしい息子…
激化する暴力を止められなくて、
パパは耐えれなくなる。
だから、玲央が化け物に見えてしまう前に、
愛情に憎しみが入れ替わらない内に、
パパは感情を捨てて、動物的になればいいと思う。
何とも思わなくなるようにね。
全部忘れて、玲央に身を任せる。
でもね、玲央のパパであることは忘れないよ。
一緒にいることが全てであるように、
このままでもいい、このままがいいとずっと望みつづける。

パパより

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