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草ブレードちゃんと行く中国人民铁路旅~不忘初心編~

  《キーワード 寝台新幹線 プルマン式寝台 纵向卧铺动车组》

 前回はこちら。

 女士们先生们!さて、前回は北京西駅に到着したところで終わりました。早速、荷物検査を受けて駅の中へ…と思ったのですが、ちょっとその前に售票处こときっぷ売り場へ。昨日の本人確認のお蔭で晴れて5枚以上の乗車券を12306で買えるようになったので、ついでに翌朝、昆明南から昆明まで移動するきっぷを買おうかと。まぁ地下鉄でも移動できるんだけど、クロスシートの方が快適だし…。1等でも18人民元(約300円)だからな。
 ということで、スマホをポチポチし、そのまま售票处へ。ちゃんとリアルタイムでシステムに反映されているようで、予約番号をスマホで見せたらなんなく買えました。明日の昆明南発のきっぷということで、ちょっと驚かれましたが、D939次のきっぷを見せたら納得したみたい。

 無事、追加のきっぷも買えたところで、いよいよ荷物検査を受け駅の中へ…入りたいのですが、中国国鉄に乗る際は、まず荷物検査の前に身分証確認があります。が、見渡す限りは、中国人なら誰でも持ってる(?)二代居民身份证専用の自動化ゲートのみ。一応、端に有人窓口があるのですが、そこにはビジネスクラス用とか障害者用と書いてあります。とはいえ、有人窓口はそこしかないので、突撃してみると、すんなり通れました。

 そして、荷物検査を終え、進むと…。

 「不忘初心、牢记使命、交通强国、铁路先行」が早速迎えてくれましたwww

 電光掲示板には、10番の待合室で待てと書かれているので、そのとおりに待合室で待ちます。待合室の入り口の電光掲示板にも、該当の列車番号(D939)が表示されています。

 中に入ると、もう既に列形成が始まっていたので、その後ろに加わります。さぁいよいよ人民铁路の旅の始まりです!

动车D939次 北京西19:35→昆明南10:30(+1) 2760km 动卧

 キタキタキタキタwww 人民と共に仲良く文明的にエスカレーターでホームに降りると、トップランナーの姿が! 2階建てのように見えますが、窓が寝台の上下段にそれぞれついているだけです。583系のちゃんと各寝台に窓がついてるバージョンみたいなものですね。中国では、他にも寝台新幹線が走っているのですが、基本的には客車と同じコンパートメント形で、プルマン式のように通路に沿って並んだ形のものは、北京と昆明を往復しているこの一列車だけです。

 ちなみにこのCRH2E型電車は、元をたどるとJR東のE2系1000番台に行き着きます。はやてとかで使ってるやつですね。いまはもうE5かもしれんけど。日本では遂に実現しなかった寝台新幹線がこの中国の地で…。

 とはいえ、日本ではムリでも、そりゃ中国なら寝台新幹線も走るわなと納得もします。この列車の走行距離は営業キロベースで2760km。ちなみに中国国内で一番長い距離を走る”電車”列車らしいです。

 2760kmと言ってもピンと来ないかもしれませんね。Google Mapさんによれば稚内から鹿児島までの道なりルートが2830kmということなので、まぁそれくらいです。昨日北京に来ておいて、この列車に乗るというのも流石鉄オタという感じww

 それを15時間ほどで走破します。表定速度184km/hほど。新幹線(高铁)の面目躍如ですね!

 車内には通路にそって寝台が並びます。スタッガード式のような配置になっているので、若干足元が狭いのですが、とはいえ快適!

 北京西駅を定刻どおりに出発すると、あの東武だったり中京圏だったりするチャイムが音割れ気味で流れましたww ほんとに人民铁路に乗っているんだなぁ…と実感。

 すぐに車掌さんも車内改札に回ってきたので、それが済んだらカーテンを閉め電気を消して、寝台の旅へ…。

 サンライズEXPにも勝るとも劣らない乗り心地を楽しんでいると、軽食の配給がきました。

 パンやらミルクティーの粉やらスムージーやらドライフルーツやら保存肉?やら色々入ってました。 無銭食なのでまぁそこまで美味いわけじゃないですが、でも美味しくいただきましたww

 ぐっすり眠り翌朝。怀化南駅あたりで起床。かなり南まで来ましたね。

 給湯器で朝のお茶なんかを飲みつつ、時速250km/hで走る新幹線とは思えないくらいゆったりとした時間が流れていきます。寝台列車の醍醐味やなぁ…。

 洗面台やトイレ周りも及第点な感じには綺麗でした。

 最後の途中停車駅、贵阳北。D939次の旅も残すところあとすこし。

 基本的には高速線なのでトンネルや掘割等も多いのですが、視界が開けるところも。いい眺めやなぁ…。

 まもなく昆明南に到着です。そういえば車掌が変わったのかなんなのか分かりませんが、朝になってからは肉声放送ばっかりで東武チャイムを聴けていませんwww

 そして列車は数分遅れで終点昆明南に到着です。途中はむしろ早着気味だったりもしたんですけどね。まぁ何はともあれ、2760kmの大旅路、名残惜しいですが、お疲れ様でした。

 さて、この後は昨日購入したきっぷで昆明まで移動するのですが、乗り継ぐきっぷを予め持っていれば、駅から出ず乗り換える運用もしてくれるらしい。ただ、今回は、時間もあるので一旦そのまま改札を出ます。

 駅の到着ロビーにはマクドナルドやケンタッキーの看板も見えますが、せっかくなので、中華っぽいのを食いたいなぁと思ったら重庆小面の文字が見えたのでそちらへ。最初は美味い美味いと食ってたが、だんだん辛くなって来ましたww

 そこそこいい時間になってきたので、上の出発階に上がり、駅の中へ。

 しかし巨大な駅です…。さすが中华人民共和国…。抜け番なしで30番線までありますよ旦那。

 しばらく待っていると、改札が始まったので再びホームへ。

②动车D8703次 昆明南11:54→昆明12:12 28km 一等座

 これも種車はE2系1000番台。確かにそれっぽいといえばそれっぽいかも。

 ずっと向こう側のホームには客車列車が停まっていたりして、これが共存してるのが人民铁路の魅力ですね。

 さて、昆明駅まで28km。18分間の旅です。昆明駅からの乗客が多いのでしょう。一等座の車内はガラガラでしたが、隣に人が来ましたwww マジかww この辺の売り方は流石に考えて欲しいっすねww


 とはいえ、そこは一等座。隣に人がいたところで、快適なことには変わりありません。

 すぐに昆明駅に到着です。こんな短区間でわざわざ人民铁路乗るなんて、自分だけだろうと思っていたら、二等座からは、下車する人も数名いました。地下鉄で移動すれば5人民元なので、二等座でも10人民元と2倍なのですが、まぁ、日本の地下鉄の初乗りと変わらんかむしろ安いくらいですからね。
 向かい側のホームの客車を見ながら、成昆線はこんなやつなんだろなーと思いつつ駅出口へ向かいます。

 マリ○ナベイサンズみたいな形をした昆明駅。昆明では特にやることもないのですが、せっかくなので少し街を歩いてみます。

 綺麗な街ですね…だけど暑いwww 北京は涼しかったのですが、流石にここまで南に下ると気温が上がりますねww

 ところで色んな場所で「扫黑除恶」という標語を見かけます。北京でも見かけましたが、こっちのほうが多い気がする。

 暴力団追放!みたいな意味合いらしいですが、まぁ習政権の引き締めの一環みたいなものなのでしょうか。ついこの間、無錫市が幼稚園児に対して、”黑恶势力”との関係を調査してたりして、テキトー過ぎると批判を浴びたらしいですがww しかし黒悪勢力ってなんかカッコいいなww

 さて、扫黑除恶を胸に刻みつつ、駅構内へと入ります。昆明南は新しい駅なので広いのもよく分かるのですが、昆明駅も広いっすね…。ちなみに、駅の裏口は封鎖されているのですが、地下鉄の昆明駅はそっち側にあるので、そこで降りると、地下道等を延々歩く羽目になりますww 駅を挟んだ隣の环城南路駅利用がオススメです。実際、环城南路駅にもしっかり昆明駅への出口案内が出ていました。

 とりあえず、暑かった…!ということで、待合室の椅子に座りながら冷えた涼茶で一服。涼茶と言ってもお茶ではなく煎じ物の一種。甘い漢方っぽい味がします。初めて飲んだのですが、暑い日にはぴったりでとても美味しい。

 ちなみに駅構内には、文字だけでなくイラスト付きで旅情を感じさせる、「不忘初心、牢记使命、交通强国、铁路先行」が。さすが麗江への玄関口。

 ということで、次は憧れの山岳鉄道、成昆铁路に乗車です。牢记使命編へと続きます!


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