BABA GEMS より便りありーその2
シーギリヤについてもう少し・・・
かつてワニが放たれていた、城壁を取り囲む蓮の水路を越え一直線に進むと、岩山の中腹に美女の壁画『シギリヤ・レディ』が迎えます。カッサパ王が父を弔うために描かせ、当初は500体あったようですが、風化により現在は18体が残るのみ。花や草木などの顔料で描かれた美女たちは妖艶で、その壁画が映るように磨き上げられた岩壁「ミラーウォール」も近くにあります。さらに階段を登りライオンの前足が彫刻された「ライオンの入口」へ。以前は頭部もあり、ライオンが大きく口を開け王宮へと導いていました。シンハラ語でライオンをシンハ、のどをギリヤといい、これがシギリヤの語源ともいわれています。
このライオン像は北向きで、向かいの山「ピドゥランガラ」の方を向いているそうです。かつての巨石信仰の名残でしょうか。
「狂気の王」カッサパが王位に就いたのは459年。7年後に山上の豪奢な王宮は完成しますが、わずか11年後には異母弟の反攻にあい自害。生涯自責の念は消えることがなかったと思われます。野望と悲哀が交錯する王宮は跡形もなく、かたや1500年を経てもなお鮮やかさを保ち続けるシギリヤ・レディ。その微笑みは父王の死を悼み、カッサパ王の罪さえ許すかのように穏やかです。
*以上、旅行メディア「itta」さんより写真、本文をお借りしました。
ありがとうございました!
https://itta.me/article/10564/
この威容を放つ遺跡には、こんな人間のドラマが秘められていたのですね。
「シーギリヤ編」終了です。
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