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フランスの家庭料理、アッシ・パルマンティエ

アトリエ・グルマン クミコ料理教室です。
今年のグルマンクラスのメニューでは
ずっと取り入れたかったフランスの伝統料理、家庭料理を紹介していきますが

その中でも来週以降レッスンする
「アッシェ・パルマンティエ Hachis Parmentier」
についてお話しします。

元々は、ポトフ(洋風おでん)にして残った肉を
フォークで裂くように刻み切り(アッシェ)、
玉ねぎと一緒に炒めてグラタン皿に敷き詰め、
ジャガイモのピュレ(マッシュポテト)を
お肉が見えなくなるくらいに乗せて
パン粉とチーズをかけて
グラタン焼きした料理です。

レストランのまかないにもよく登場し、
ビストロでも残り肉を無駄なく使え、
そして美味しい!
学校の給食でも大人気のメニューです。


写真はCuisine et vins de Franceより

ポトフの残り肉を使わずに
ひき肉で作るレシピも多いですが、
ある程度の塊肉をしっかり柔らかく煮込んで
それを細かくして作った方が
食感も断然美味しいです。

パルマンティエという料理、
これは
18世紀の薬剤師でもあり農学者でもあった
アントワーヌ・オーギュスタン・パルマンティエ
の名前に由来します。
この方、ジャガイモをフランス人の日常食に普及した人なのです。

ジャガイモは17世紀に南米から持ち込まれましたが、
それまで豚の餌(家畜の飼料)としてみなされていました。
またハンセン病を引き起こすとも考えられていて
1748年にはジャガイモの栽培を禁止する法律も作られました。

パルマンティエはジャガイモを
栄養学的に研究し、なんとか広めようとします。
薬剤師として活躍しており
ルイ16世にも気に入られていたので
ジャガイモの花束を贈ったり
有名人を夕食会に招いて
ジャガイモ料理をふるまったり
畑にわざわざ昼間は兵士を護衛させよるは引き上げさせて
興味を持たせて盗ませる、といった方法で
ジャガイモのイメージを上げていきます。

そんな中、1785年北部フランスを襲った不作の年に
ジャガイモ料理を提案して広め、大飢饉を逃れたことを契機に
フランス全土で一気にジャガイモ料理が定着していきました。

今ではフランス料理には欠かせない食材、
パルマンティの努力があったからなのですね!

フランス料理でパルマンティエ、という料理があったら
ジャガイモを使った料理、と覚えてください。

パルマンティエさん、
パリのメトロ(3番線)の駅名にもなっていますよ。
プラットホームにはいきなりこんな銅像が!!

ジャガイモを配っています!!!


ジャガイモの歴史も


パリのマレー界隈に行かれる際にはこのメトロ駅を利用してみてはいかがですか!

表紙の写真はRegal.fr よりお借りしました。


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