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オオカミが3びきのコブタに感謝する話。

娘の幼稚園では、「できるひとができるときに」というスタンスの母親ボランティアが何種類か用意されています。その中に、「人形劇」というのがあって。
春から週に1回、参加を続けてきました。
舞台装置や背景画や登場する人形をみんなで作って、なんと劇中歌までオリジナルで、ピアノを弾くママがいて、みんなで歌う。とても、本格的で驚きました。
昨日はその発表会(こどもたちに見せる)日で。
「3びきのこぶた」を上演しました。私は、オオカミの声役。

今回、娘の幼稚園のボランティアで、自分の子供時代を色々振り返ってしまいました。

大学ノートに物語を書いて、一生懸命絵をつけて。
中学に入ると、受験勉強をしているフリをしながら、テープレコーダーに朗読を録音したりしていました。「なんか私へんなことやってんなー。でもたのしいなー。」そんな夜をいくつも越えて、(息苦しい高校時代をなんとかやりすごして)、大学生になりました。
ずっと自分の部屋でコソコソやっていた自作自演の怪しげなシュミ(←と自分で思い続けてきた)を、一緒にできる仲間と出会いました。ラジオドラマを作ったり、芝居をやったりとか、そんなことです。とても、楽でした。(楽しいって、楽という字なんだなあ。)
高校時代は、自分をあるがまま出すと浮きそうな気がして、不安がとても強かったような気がします。

でね、そこから時は10年以上経って。母ちゃんになって。娘の幼稚園。人形劇。やりたすぎる。でもさ、例によって、あんまり熱心だと浮くかも、という予感。
涼し気な自分でいたくて、はじめのうちはうっすら参加していました(笑)。
(もちろん、えほんの納期が迫ったりの事情もあるけれどw)
で、配役決めの日。野暮用で20分ほど遅刻した私。
「はなむらさん、確か悪役希望って言ってたなと思って。」
他のママたちが、なんと私向けにオオカミ役を空けておいてくれました。
そうだ私、「いじわるじいさんに憧れて」とか自己紹介で言ったんだった。
そこから、役を楽しんで演じるまで時間はそうかかりませんでした。

気づいたら、美術が専門だったというママが熱心に舞台背景を描いていて。
ピアノが得意なママが、作詞作曲をして歌を用意してくれていて。
そういう芸を歓迎するムードがそこにはあって。
ああ、私は思いっきりタチの悪い狼になろう、って思うことができました。
これって、私の日常にとってとても幸せな出来事なのでした。

世間にはママ友ワールドの色々な噂や憶測や、突飛なエピソードが飛び交っていて。できるだけ、大人しくしていたほうが無難、みたいな気持ちになっていて。この気持って、高校生の時の鬱屈した自分と重なる感じがして。
でもね、そうじゃないママ友ワールドもあるんだ!ということを知れて、とても嬉しく思いました。

どうせそこに居るならば、私らしく居たいじゃない。
そして、周りのみんなにもそうであってほしいと願うわけです。

3びきのコブタ。

色んな意味で、ありがとう。

人形劇を見て「わー」とか「きゃー」とか興奮する園児の声に、オオカミは改めて、居場所をもらった喜びを噛みしめたのでした。

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