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<プレスリリース>[IT 分野のジェンダーギャップに関するグローバル調査] ITエンジニアの女性活躍が進む北欧およびバルト3国、日本の女性比率は17%に留まりOECD38カ国中22位、STEM分野の卒業者における女性比率では、最下位の結果に。~データで見る世界のITエンジニアレポート Vol.12~

 総合人材サービス会社のヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:御旅屋 貢、以下「当社」)は、世界のITエンジニアの動向を俯瞰的に把握することを目的に、国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)の公表データ、各国の統計データベース等を基に独自集計し、「データで見る世界のITエンジニアレポート」として発表しています。このたび、IT分野のジェンダーギャップに関するグローバル調査を実施し、「データで見る世界のITエンジニアレポートvol.12」として発表します。

【本件のポイント】

●ITエンジニアにおける女性活躍について、OECD加盟38カ国を対象に集計・調査

●女性比率が高いのは、北欧諸国およびバルト3国、日本の女性比率は17%で22位と下位

●STEM分野の大学卒業者に占める女性比率、日本は38カ国中最下位

【調査結果概要】

 デジタルやビジネス革新が進む中、DXを支えるITエンジニア需要はグローバル規模で拡大し、これに伴いITエンジニア数は世界規模で増え、その伸びも加速しています(※)。またダイバーシティが着目され、あらゆるシーンで女性活躍も進んでいます。こうした背景を受け、本レポートは、IT領域における女性の活躍について、世界の潮流および日本の現在地について把握することを目的に、実施しました。
 OECD加盟38カ国を対象に、ITエンジニアに占める女性比率を集計したところ、北欧諸国およびバルト3国が上位に並び、日本はOECD加盟国の中で22位と、下位に位置しています。またITに係わる幅広い知識を学ぶSTEM分野の卒業者における女性比率では、日本は38カ国中最下位の結果でした。
 日本は、世界と比較し、ITエンジニア数の伸びにおける勢いが見劣りし、IT分野を学ぶ学生数も減少傾向です(※)。国内の総人口の減少、到来する超高齢化社会を前に、DX推進に向かう中において、女性の活躍推進は重要なテーマであり、IT教育におけるジェンダー格差の大きさは、将来のIT領域におけるジェンダーギャップ拡大につながることが危惧される結果であると推察されます。

※以下、当社発表プレスリリース参照
2023年12月13日発表 「世界109カ国のITエンジニア数は推計2,680.5万人、日本は世界4位を維持するが伸び悩む」
2024年1月30日発表 「世界の大学等におけるIT教育について独自集計」

■ITエンジニアとして活躍する女性比率、OECD平均は20.0%、日本は16.9%で22位と下位に

 OECD加盟国について、ITエンジニアとして働く就業者のうち、女性が占める比率を集計したところ、最も女性が活躍しているのは、女性比率が28.0%であるイスラエルとなりました。続いて、25.0%のフィンランド、24.5%のエストニアが続き、米国が23.9%で4位に入りました。一方日本は、16.9%で22位となり、データが取得できた34カ国のうち、下位に位置する結果となりました。
 上位10位には、北欧諸国およびバルト3国が並びました。こうした国々に共通する特徴としては、多くの国で、就業者に占めるITエンジニアの割合が高い国であることがあげられます。なお、G7構成国においては、4位の米国を除き、比較的下位に位置しています。

図表1_ITエンジニアにおける女性比率

(図表1)国際労働機関(ILO)のデータベース「ILOSTATStat.」より作成。国際職業分類(ISCO)における情報通信技術専門職(Information and communications technology professionals)と情報通信技師(Information and communications technicians)の就業者数を元に算出。日本は2020年の国勢調査の結果から「システムコンサルタント・設計者」「ソフトウェア作成者」「その他の情報処理・通信技術者」の就業者数から、女性の割合を算出。OECD加盟38カ国のうち、カナダ、韓国、オーストラリア、ニュージーランドはデータ取得ができなかったため、図表1では対象外としています。

■STEM分野の卒業者における女性比率、OECD平均は34%、日本は18%で最下位に

 続いて、幅広いIT領域における知識を習得するSTEM(Science, technology, engineering and mathematics)分野を学んだ大学卒業者について、女性比率を集計したところ、OECD加盟38カ国の平均は34.0%でした。国別では、1位アイスランド、2位ニュージーランド、3位カナダ、そして4位には米国が入り、上位4カ国はいずれも40%を超えています。
 一方日本は、18.2%で、38カ国中最下位となりました。日本では、STEM分野を学ぶ女性が少なく、よく使用される表現で置き換えると、「理系」を専攻する女性が少ないともいえます。なお、20%を切ったのは、最下位である38位の日本と、36位のルクセンブルク(19.5%)37位のスイス(19.4%)の3ヵ国のみでした。

図表2_STEM分野の大学卒業者における女性比率

(図表2)経済協力開発機構(OECD)のデータベース「OECD.Stat」より作成。STEM(Science, technology, engineering and mathematics)分野を専攻した大学学部卒業者数より、女性比率を算出。

調査対象国:OECD加盟国
日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、カナダ、コスタリカ、コロンビア、チリ、メキシコ、アイスランド、アイルランド、イタリア、英国、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、イスラエル、トルコ(順不同、略称)

▼プレスリリースの詳細

<ヒューマンリソシア株式会社・会社概要>
総合人材サービス会社として、人材派遣、人材紹介、業務受託サービスを全国27拠点で展開しています。1988年創業以来、教育事業をバックボーンに多彩なサービスを展開するグループの総合力を活かし、「人材」に関する幅広いサービスを提供しています。


本記事は、2024年3月8日のプレスリリースの抜粋となります。