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JAXA主催のプログラミングコンテスト出場17チームの中で2位に輝いた総合学園ヒューマンアカデミー大阪心斎橋校チーム!

 ここは、地上約400km上空にある国際宇宙ステーション(ISS)。日本の実験棟「きぼう」では、宇宙飛行士たちがさまざまな実験に取り組んでいる。ある日、船外制御システムの冷媒として使用されるアンモニアが船内に漏入するアクシデントが発生した。地球上から船内ドローンを操作し、レーザー照射によって漏入箇所を修復する必要がある。この難題に、世界中の若者が挑むことになった!
 
…という、まるでSF映画のような架空の設定で、「きぼう」ロボットプログラミング競技会(Kibo-RPC)が開催されました。米国航空宇宙局(NASA)の協力を得て、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主催するこの競技会は、今年で4回目を数えます。ISSの宇宙飛行士をサポートするために開発された船内ドローン「Int-Ball」(イントボール=JAXA)と「Astrobee」(アストロビー=NASA)のプログラミングをすることで、さまざまな課題を解決する教育プログラム型コンテストです。参加者はプログラム作成を通して、科学技術、工学、数学のスキルなどを磨くことができます。
 
 2023年6月26日~7月9日の期間に世界中で開催された予選大会には、合計12の国・地域・組織から過去最多の421チームが参加。17チームが競った日本国内予選大会で2位の成績に輝いたのは、総合学園ヒューマンアカデミー大阪心斎橋校ITカレッジに通う学生チーム「HArehofu」(ハレホフ)です。素晴らしい成績で大会を終えたばかりのチームメンバー3人にお話を伺いました。

▲写真左:井本 風輝さん(システムエンジニア専攻1年)/写真中央:伊藤 怜志さん(システムエンジニア専攻2年)/写真右:安國 豊蓮さん(システムエンジニア専攻1年)

——このたびは、「Kibo-RPC」2位入賞おめでとうございます!
 
安國:2位と聞いたときは、自分でも「すごい!」と驚きました。
 
伊藤:僕も同じです。よくて5位くらいかなと思っていたので。
 
井本:僕もそう。下から数えたほうが早い順位なのかなと。
 
——ご本人たちも驚きの結果だったようですね。そもそも、このメンバーで大会に出場しようと考えたきっかけは?
 
伊藤:昨年の大会に出場して3位という成績を収めた先輩から勧められました。出場すると決めた時点で、プログラムの締め切りまで1カ月しかなかったんですね。そこで1カ月の間、自分と同じ高いモチベーションでやってくれるメンバーが欲しくて、普段から仲の良い1年生の2人に声をかけました。

——チーム名「HArehofu」の意味は?
 
伊藤:ヒューマンアカデミーの頭文字「HA」に、3人の名前「REIJI・HOUREN・FUKI」の最初の読みを合わせて、僕が考えました。

——1年生のお二人は、チームに誘われたときどのように思っていましたか?
 
安國:この大会に興味を持っていたので、誘われてうれしかったです。

 井本:学校の勉強とは違うので、いい経験になるのではと思っていました。でも、自分に何か貢献できる力があるとは思っていなくて……。伊藤さんに言われたことをやっていればいいかな、というスタンスでした。 

伊藤:もともと僕はチームで競うことに興味を持てなかったんです。でもチームでしか参加できないので……。二人を誘ったものの、去年の自分自身を思い返せば入学して2、3カ月の1年生に何かができるとは思えなかった。井本くんが言うように、いい経験にしてくれたらといいなというくらいの気持ちでした。ところが、二人とも分担した作業をあっという間に終わらせてくれたんです。逆に、僕自身が担当していた部分にかなり手こずってしまい、めっちゃ情けない先輩でした(笑)。結果的には、この二人と組んだことは大成功でしたね。 
 
安國:でも、このチームでいい成績を残せたのは、やっぱり伊藤さんの力が大きかったです。とくにチームミーティング前の準備がすごくて。ミーティングはオンラインで行っていたんですが、始まる前にかならず図やグラフを多用した見やすい資料をまとめ、あらかじめ送ってくれるんです。おかげでこちらの理解も早く、とても助かりました。
 JAXAの公式サイトにある資料を、より見やすくひも解いてくれていて、とても分かりやすかったです。アストロビーがどのように回転して、どのように進むのか、こまかいところまで本当によくわかる。おかげで目的達成までの時間も節約できました。

 伊藤:学校の授業もある中で、ミーティングも含めると毎日5〜6時間くらいかけていました。あまり遅い時間までがんばらせることに罪悪感もあったので、ミーティングの時間を短くするために事前準備はしっかりしておこうと考えていました。
 
——このチームの強みはどこにあったと思いますか?
 
伊藤:「きぼう」船内の空間を、3人がしっかり把握できていたことですね。アストロビーは一辺が約30cmの立方体です。それを、広い「きぼう船内」で正確にコントロールしなければなりません。アストロビー自身も回転するので、方向を指示するとき上下や左右という言葉ではわかりづらい。そこでXYZの軸を使って、3人が共通認識できるような資料をつくりました。「きぼう」船内の空間認識の共有は完璧で、他のどのチームよりもできていたと思います。

井本:アストロビー主体で考えると難しいけれど、「きぼう」の空間全体をとらえることで、いまいる場所やターゲットまでの距離を認識しやすくなるんです。
 
安國:3人ともアストロビーの実物を見たことはないんですが、頭の中ではプログラム通りに動くアストロビーをしっかり描けていました。

 
——予選を1位で通過したチームは、実際の「きぼう」船内で行われる軌道上決勝大会に出場できます。総合学園ヒューマンアカデミー大阪心斎橋校ITカレッジの成績は、昨年が3位、そして今年が2位でした。来年への期待が高まりますね。
 
伊藤:僕は、来年は就職活動があるので、二人に任せたいと思います。昨年も今年も2年生が中心となっていました。来年2年生になるこの二人なら、今年の経験を活かしてよいチームを作ってくれるでしょう。
 
——ところで皆さんは、どうして総合学園ヒューマンアカデミーITカレッジに入学されたのですか?

安國:僕は中学で勉強が苦手でした。このまま周囲と一緒に高校、大学に進むよりも、自分の好きなことを学び、それを活かした仕事に就いて人生を送りたいと考えたんです。そこで興味のあったITの知識を身に付けようと、中学を卒業してから総合学園ヒューマンアカデミーに入学しました。
 
井本:僕は高校を卒業してから総合学園ヒューマンアカデミーに入学しました。もともとITに興味があったわけではないけれど、社会に出てから必要とされるスキルなので身に付けておこうと考えたんです。いざ学んでみたら、意外と自分に合っていました。
 
伊藤:僕は大学の経済学部で学んでいたものの、単位を落として留年しそうになったんです。留年するくらいなら違う道を探そうと、ビジネス系やIT系の専門学校を探しました。そうした中で総合学園ヒューマンアカデミー大阪心斎校の小島先生の話を聞くことができ、ここでITスキルを身に付けたいと考えたんです。大学を中退して進路を変更することで、親を説得するためにプレゼンを行いました。
 
——将来はどのように考えていますか?
 
安國:ITを使いこなして人の役に立つ仕事に就きたいです。家族の仕事が忙しそうなので、少しでも助けになれたらと考えています。
 
井本:まだ明確な将来像は描けていませんが、将来役立つ技術を身に付けていきたいですね。
 
伊藤:入学前からITコンサルを目指しているので、その職に就くことが目標です。

 ——いま進路を悩んでいる人にアドバイスをお願いします。
 
安國:総合学園ヒューマンアカデミーでは、普通の学校では学べない技術やスキルを身に付けられます。「将来は絶対こうなりたい!」という強い意思でなくとも構わないので、まずはチャレンジしてみてください。どんな学びも、活かすかどうかは自分次第です。
 
井本:好きなこと、興味のあることなら、勉強に苦も無く取り組めるものです。総合学園ヒューマンアカデミーITカレッジは授業の内容が実践的で、無駄と思える授業がありません。先生方の指導もとてもわかりやすいですよ。
 
伊藤:僕は入学前にオープンキャンパスに行くなどして、いろいろな専門学校の比較をしました。多くの学校では、小学校のときからプログラムに馴染んでいたような人を前提としていましたが、総合学園ヒューマンアカデミーは初心者にも門戸を開いていました。ITに興味はあるけれど知識がなくて自信がない、という人にはおすすめです。

 最後に、毎年このJAXA主催のプログラミングコンテストにチャレンジする学生を指導している小島先生にもお話を伺いました。

総合学園ヒューマンアカデミー大阪心斎橋校 ITカレッジ講師   小島 基伸先生


 
「Kibo-RPC」2位というすばらしい結果には大変驚いています。プログラム面では相談に乗ることもありましたが、本質的な部分はすべて彼ら自身でやり遂げました。1カ月の間、本当によくがんばったと思います。

 この大会はプログラムの技術力だけでは勝てません。むしろ発想力が必要で、いかにロジックを組み立てるかが肝となるコンテストです。また、わからないことがあれば試行錯誤を繰り返し、一つずつハードルを乗り越えていかねばなりません。そうしたチャレンジはエンジニアにとって大きな経験となります。彼らは気づいていないかも知れませんが、この大会を通して実社会で役立つ力が相当ついたことでしょう。彼らに続き、この大会にチャレンジする人たちが、来年以降も現れることに期待しています。

▼第4回「きぼう」ロボットプログラミング競技会 日本国内予選会の開催報告はこちら



 総合学園ヒューマンアカデミーは全国21校舎(2023年4月現在)のネットワークを活かし、ITカレッジをはじめ、マンガ、ゲーム、e-スポーツ、パフォーミングアーツ、ヘアメイク、釣り、バスケットボールなどの多岐分野に渡り、多彩なニーズに柔軟な発想で応えています。数多くある分野の枠を超えた横断的な教育や関連分野学生のコラボレーション学習のほか、常に業界の最先端を意識した教育を実施しています。現場で活かせる実力の育成、及び、「時代が求める教育のカタチ」を追求していくため、現役プロを講師に招聘しています。また、企業と一体となって取り組む企業連携プロジェクトや長期インターンシップ、各種コンペへの参加も積極的に推奨しています。


※2023年8月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。
 カレッジ・専攻名称等は取材時のものとなります。

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