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「社会インフラ」の誤用を止めて「インフラ」を使おう

要旨:「社会インフラ」は「インフラ」の一部

交通、通信、電力、水道、廃棄物処理、公共施設、治水、防災等を総称して 「インフラ」 または「インフラストラクチャー」または「社会資本」と表現すべきである。「社会インフラ=Social Infrastructure」は、これらと同義ではなく、医療(病院)、教育(学校)、治安(警察)、公共施設(公園、公会堂、図書館、公営住宅等)など、「インフラ」の一部を構成する社会的サービスのことである。
OECD(経済協力開発機構)をはじめ、英国、米国では「インフラ=Infrastructure」と「社会インフラ=Social Infrastructure」は明確に区別して使われている。
「インフラ」を「社会インフラ=Social Infrastructure」と表現することは、明らかに誤用なので止めよう。
また、「インフラ」の訳語として「社会基盤」が用いられてきたが、「社会基盤」が「社会」と「基盤」との合成語であるとして多くの辞書に見出し語となっていないために、多くの翻訳ソフトウェアは「社会基盤」を「社会=Social」+「基盤=Infrastructure」=「Social Infrastructure」と翻訳する。これからは、この点も注意が必要だ。

ChatGPT3.5に「社会インフラとは?」と聞いてみると

Q) What is social infrastructure?

Social infrastructure refers to the physical and organizational structures and systems that support social and economic activities within a community or society. It includes essential public services and facilities that provide the basic foundation for a thriving and connected community, such as schools, hospitals, libraries, parks, community centers, transportation systems, and communication networks.

Social infrastructure plays a critical role in promoting social cohesion, economic growth, and well-being, as it provides people with the tools and resources they need to connect with each other, access education, healthcare, and other essential services, and engage in civic and cultural activities. It also helps to support and sustain communities during times of crisis, such as natural disasters, economic downturns, and pandemics.

ChatGPT Mar 23 Version (ref. 2023-04-08)

Q) 社会インフラとは?

社会インフラとは、社会やコミュニティ内の社会的、経済的な活動を支援するための物理的および組織的な構造やシステムを指します。学校、病院、図書館、公園、コミュニティセンター、交通システム、通信ネットワークなど、基盤となる公共サービスや施設が含まれます。

社会インフラは、社会的結束力、経済成長、ウェルビーイングを促進する上で重要な役割を果たしています。人々がお互いにつながり、教育、医療などの基本的なサービスを利用し、市民的および文化的な活動に参加するために必要なツールやリソースを提供することができます。また、自然災害、経済の低迷、パンデミックなどの危機の際に、コミュニティをサポートして維持することもできます。

ChatGPT Mar 23 Version (ref. 2023-04-08)

ビジネス英語辞典に「社会インフラストラクチャ―」の説明

刊行された辞典に「社会インフラ」の見出し語はない。「社会資本」はあるが、「社会基盤」も見出し語としてはない。これらは、辞書編纂者にとって、確固として一定の意味を持つ語と認識されず、「社会」+「インフラ」、「社会」+「基盤」の合成語として扱われるからである。
2009年に小学館から出版された「プログレッシブ ビジネス英語辞典」の見出し語”Infrastructure”に「公衆衛生,教育などは社会インフラストラクチャーと呼ばれることが多い」という説明文があるのが、見つけられた唯一の例外だ。

Infrastructure
基礎構造;土台;インフラストラクチャー,インフラ,社会的基盤施設[⇒経済活動の基盤を形成する資本設備や制度などの総称.道路,港湾などは経済インフラストラクチャーと呼ばれ,公衆衛生,教育などは社会インフラストラクチャーと呼ばれることが多い]

プログレッシブ ビジネス英語辞典、2009年、小学館

「インフラ」はますます重要に

ここ数年、マスコミ各社の報道において、企業・団体の誤ったプレスリリースをそのまま引用して報道するケースを除いて「インフラ」を「社会インフラ」と誤用するケースは大変少なくなった。米国大統領一般教書演説 "State of the Union Address"や英国政府による国家インフラ戦略 "National Infrastructure Strategy"、世界銀行のグローバル・インフラストラクチャー・ファシリティ "Global Infrastructure Facility"の”Sectors and Themes”などが注目される中で ”Infrastructure”の使われ方が浸透したからだろうか。
なお、Infrastructure、インフラストラクチャー、インフラということばの成り立ちと歴史については、別稿で詳述する。

ChatGPT-4に聞いた:インフラと社会インフラの違いは

インフラ(infrastructure)と社会インフラ(social infrastructure)は、両者ともに社会や経済活動に必要不可欠な基盤となる施設やサービスを指しますが、その範囲や目的に若干の違いがあります。

インフラ:
インフラは、一般的に物理的な基盤や施設、システムを指します。これには、道路、橋、鉄道、空港、港湾、電力網、通信網、上下水道などが含まれます。これらのインフラは、人々の移動や物資の輸送、情報の伝達など、社会や経済の機能をサポートする役割を果たしています。

社会インフラ:
社会インフラは、人々の生活や社会福祉に密接に関連する施設やサービスを指します。これには、教育(学校)、医療(病院)、保健(公衆衛生施設)、文化(図書館や美術館)、公共安全(警察や消防)、公共交通(バスや鉄道)などが含まれます。社会インフラは、人々の生活の質を向上させ、社会の包摂性や持続可能性を確保する役割を果たしています。

インフラと社会インフラは、それぞれ異なる側面をカバーしているものの、両者ともに社会や経済の発展に寄与し、人々の生活を支える重要な要素であることが共通しています。

ChatGPT Mar 23 Version Model: GPT-4 ref. 2023-04-26

Google Bardに聞いた:インフラと社会インフラの違いを教えて

インフラストラクチャ(インフラ)とは、社会や経済活動を支える基盤となる設備やシステムのことです。道路、鉄道、空港、港湾、水道、電気、ガス、通信、学校、病院、公園など、様々なものが含まれます。
社会インフラとは、インフラストラクチャのうち、特に人々の生活や福祉を支えるものを指します。電気、ガス、上下水道、道路、鉄道、送電網、通信網といった産業基盤となる施設をはじめ、学校、病院、公園なども含まれます。
インフラと社会インフラの違いは、社会インフラは人々の生活や福祉を支えるという点にあります。インフラは社会や経済活動を支えるという点では同じですが、社会インフラはそこにさらに、人々の生活の質を向上させ、福祉を向上させるという目的が含まれています。
社会インフラは、人々の生活の質を向上させ、福祉を向上させるために不可欠です。電気、ガス、水道がなければ、私たちは快適な生活を送ることができません。道路、鉄道、空港がなければ、私たちは移動することができません。学校、病院、公園がなければ、私たちは教育や医療、レクリエーションを楽しむことができないでしょう。
社会インフラは、経済活動を活発化させるためにも重要です。企業は、電気、ガス、水道、道路、鉄道、通信網などのインフラストラクチャが整備されていない地域では、事業を展開することができません。また、学校、病院、公園などの社会インフラが整備されていない地域では、人々が住み、働くことを望まないでしょう。
社会インフラは、私たちの生活や経済活動に欠かせないものであり、その整備と維持は、私たちの社会にとって重要です。

Google Bard 試験運用中 ref. 2023-05-11 

ChatGPT-4に聞いた:河川改修、ダム建設などの治水事業、舟運や動植物の保護等の利水事業は、経済インフラと社会インフラとのどちらに属しますか。

河川改修、ダム建設、舟運、動植物の保護などの事業は、経済インフラと社会インフラの両方に関連していると言えます。

1.経済インフラ: 経済インフラは、経済活動を支える物理的な設備やシステムを指します。この観点から見ると、河川改修やダム建設は洪水を防ぎ、土地や作物を保護することで農業やその他の産業を支えます。また、舟運は貨物輸送という経済活動を可能にする重要な交通インフラです。

2.社会インフラ: 社会インフラは、社会的な福祉や公共サービスを提供するための設備やシステムを指します。動植物の保護は生物多様性の維持と環境保全という社会的価値を提供します。また、河川改修やダム建設は、洪水から人々の生命や財産を守るという公共の安全を提供する面があります。

したがって、これらの事業は経済的な側面と社会的な側面の両方を持ち合わせていると言えます。経済活動の効率化や拡大を支える一方で、社会の安全や環境保全といった公共の利益をもたらすことから、経済インフラと社会インフラの両方に属すると考えられます。

ChatGPT Model: GPT-4 ref. 2024-01-31


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