見出し画像

【食育の話】食の現実解について検討してみました。#204

皆様、おはようございます。
佐伯です。

毎週土曜日は食についての記事についてコラムを連載していました。
ですが、先日の自然農法についての記事についてもう少し補完したく今回はイレギュラーですがこのテーマで記事を作成させて頂きます。

中々、内容の濃い意見交換だったのでやはり1回では書ききれませんでした。
全部書き切ったと思ったのですが、この点についても考察が必要だと後から次々と出てきます。

それだけ大変重要なテーマなのかと思います。

という訳で、今回は補完的要素が強いですがお付き合い頂けたら嬉しいです。
併せて前回の記事をご一読頂けると更に嬉しいです。


①慣行農業の現状と問題点

慣行農業では、農薬や化学肥料を用いることで、一定以上の収穫を確保し、経済的な利益を追求しています。
これにより、消費者に安価で安定した食料供給が可能となっています。
しかし、これらの化学物質が自然環境に与える影響は小さくありません。
水質汚染、土壌の劣化、生物多様性の損失など、環境への負荷が大きいのです。
また、長期的には人間の健康にも潜在的なリスクをもたらすことが懸念されています。

②全てを有機栽培に置き換えるシナリオの詳細考察

有機栽培への全面的な転換は、農業だけでなく社会全体に大きな変化をもたらす可能性があります。
それでそのシナリオにおける具体的な影響と課題を詳しく見ていきましょう。

環境への影響
有機栽培は化学肥料や合成農薬を使用しないため、土壌や水質の汚染が大幅に減少します。
これにより生物多様性が保護され、土壌の健康が長期にわたって維持されるため、持続可能な農業環境が実現可能です。
しかし、害虫や病気への対応が難しくなるため、それに対応する新たな農法や技術の開発が必要となります。

経済的な影響
有機栽培は一般的に手間がかかり、生産効率が低下するため、慣行農業に比べてコストが高くなることが予想されます。
これは農産物の価格上昇につながり、消費者にとっての負担増加を意味します。
また、初期段階での投資が大きいため、小規模農家や新規参入者には特に負担が大きいかもしれません。

社会的な影響
全ての農業を有機栽培にすることは、消費者の食に対する意識改革も必要とします。
化学物質に頼らない農業は、作物の見た目の品質やサイズが均一でなくなることもあるため、消費者は外見だけでなく、食品の安全性や栄養価を重視する選択を求められることになります。

技術的な挑戦
現在の農業技術では、全てを有機栽培に切り替えるには、多くの課題が存在します。特に害虫管理や病気の防止策は、化学的手段に頼らない方法で効率的に行う必要があり、そのための研究開発が急務とされています。また、気候変動の影響に強い作物の開発も重要です。

移行期間の設定
全面的な転換を行うには、段階的なアプローチが現実的です。
短期的には農薬や化学肥料の使用を徐々に削減し、中長期的には完全な有機栽培へ移行する計画が必要となるでしょう。
これには、政策的な支援や補助金の提供、教育プログラムの充実が不可欠です。

このように、全てを自然栽培(有機栽培)に置き換えるというシナリオは多くの利点を持つ一方で、多大な努力と社会的な支援が必要とされる複雑な課題です。
持続可能な将来を目指す上で、必要な取り組みですがかなり時間とコストが掛かるということを再確認する必要があります。

また、産業的な面以外でも見た目の不均一や虫食いなどについての理解など適切な消費者教育が不可欠です。
これは行政や私たち企業がタッグを組んで啓発活動に努めていく必要があります。

そして移行期間も少しずつ農薬を減らす取り組みとして減薬農法など中間的な取り組みを挟みながら、徐々に徐々にシフトすることが望ましいと考えます。

恐らく全ての慣行農業を一瞬で自然栽培(有機栽培)に切り替えると需要に対し供給が追いつかず価格が高騰すると思われます。
それにより、ご飯が食べれなくなる人が続出することが予想されるので収穫高を維持しながら徐々に農薬からフェードアウトすることが現実解では無いかと考えます。

③まとめ

現実的に全ての慣行農業を切り替えることは不可能であることが分かります。
ですが徐々に自然栽培(有機栽培)に切り替えることが非常に重要だと考えます。

そのためにも農薬メーカーさんはきちんと効果や環境や人体に与える影響を一般の消費者の皆様にご理解頂く取り組みが必要かと思います。

現状でも農薬は人体に影響が少ないと言われており、行政も認可していますが専門的な分析結果を公開するだけでは不十分だと思います。

やはり消費者の方が納得でき自ら、その農薬を使用した作物を選ぶことが可能になるというラインまで説明することが肝要かと思います。

農薬メーカーさんに限らず、行政と企業がタッグを組んで消費者の皆様に商品を選ぶための指針を得うることができる知識を取得するために努力する必要があると私は考えます。

そして、人間が持つ叡智が更に人間と環境に良い解を導き出してくれると考えます。
それでは皆様、ご機嫌よう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?