皆様、おはようございます。
佐伯です。

毎週土曜日は食について様々な角度から検証していく連載を始めたいと思います。

私は仕事柄、様々な食品に関わることがあります。
一つの製品に生産者様やメーカー様のこだわりや信念など、様々な思いが込められております。
これが製品の美味しさや健康への配慮、地球への配慮など様々な面でも思いが反映されています。

さて、今週はとても悲しい事故がありました。
皆様も報道等でご存知かと思いますが、紅麹菌に関する事故です。

恐らくこれから調査と捜査が進み因果関係が解明されるかと思います。
もしかすると事故から事件に変わるかもしれません。
調査の進捗を見守ると共に今回、被害に遭われた方、そして何より命を落とされた方が居られるという重い事実を業界全体で深く受け止める必要があります。

今回は以前にも少し触れましたが、サプリメントの摂取における注意点について再度、お話したいと思います。
過去の記事はこちらをどうぞ。

①サプリメントの品質管理は千差万別

結論から申しますとサプリメントは薬ではありません。
その為、薬の製造と同じ品質管理をどのメーカーも行っているわけではありません。

分類上は食品です。
物凄く極端な話をすれば「HACCP」と言う厚生労働省が定めた衛生管理に沿ってさえすれば大丈夫なのです。

更に突っ込んでお話しすれば、大規模事業者にしか遵守する義務がありません。
小規模事業者に至ってはHACCPに沿った衛生管理を各業界団体が自主的に設定しているに過ぎません。

つまり、かなりサプリメントの製造は衛生管理に関する規制が緩いのです。

②品質を保証する目安について（再掲）

1.GMP（Good Manufacturing Practices）：
厚生労働省がガイドラインを定めています。そして公益財団法人 日本健康・栄養食品協会が認証しています。製品が一貫した品質と純度を持つことを保証するために重要です。これには原材料の品質管理、製造過程の厳格な監視、そして製品の一貫した検査が含まれます。

しかし、留意頂きたいのはサプリメントや健康食品に関してはGMPは義務ではありません。推奨です。なので全てのサプリメントがGMPをクリアしている訳ではないことを十分に注意して下さい。

2.第三者による認証とテスト:
独立した第三者機関によるテストと認証は、サプリメントがそのラベルに記載された成分を含んでいること、および不純物や禁止された物質が含まれていないことを確認するために重要です。例えば、USP（United States Pharmacopeia）、NSF International、ConsumerLabなどの組織が認証を行っています。

残念なことに全てアメリカの機関です。
日本にも一応、認証機関がありますが信頼性及び認知度においてはUSP、NSF、ConsumerLabに劣ります。

したがって、日本製のサプリメントを選択する場合は「本当に信頼できるメーカーなのか？」そういった視点を持って選んで下さい。
今回の件でも判明しましたが大手メーカーだから絶対に安心という訳でもありません。
その為、製造元の情報発信は非常に重要な情報源になります。
必ず確認して下さい。

③最後に

薬とは昔から利幅の大きい商材です。
その為、各製薬（創薬）メーカーは一発当てれば暫く大儲けできるので血眼になって研究に励みます。
しかし、失敗すれば儲けはゼロです。

それに連動し株価も薬株は乱高下が激しく上級者向けの銘柄が多いのもそういったビジネスモデルだからです。

私の住む富山県は昔から薬都と呼ばれ、現在でも多くの製薬メーカーがあります。
その為、薬に関する不祥事はよく耳にします。
最近ではジェネリック大手だった日医工が不祥事の末、上場廃止になりました。

富山に住む高齢者で昔の言葉をよく知って方は「薬九層倍」をもじって「薬くそばい」と話します。
その位、富山と薬の関係は深く、遥か昔から薬の利益とリスクについて深く承知していました。

サプリメントも同じで利幅の大きい商材です。
利益を最大化するためには管理費を圧縮するのが手っ取り早いです。
そうです。安全と価格はトレードオフの関係性なのです。

私のnoteで何度もお話ししましたが、「安くて良いもの」は基本的に存在しません。
安全を犠牲にしているのか、従業員を犠牲にしているのか、そもそもPRしている効用が嘘なのか何らかの理由があります。

私たち消費者は商品を見定める眼を養う必要があると言うことになります。
大変なことですが、自分の健康や大事なものを守るためには必要な事になります。

それでは皆様、ご機嫌よう。