メランコリック

17回目の祥月命日の二日後、うちの周りは被害も少なく無事に父の墓参りでき、家族だけでかんたんな法事を済ませました。

十七回忌だというのにやはり昔話にはあまりならず、昼間にやってた映画を流しながら最近の話ばかりが止まらない。

私「うちのお父さん豪快だったよね」
母「豪快だけど繊細だったわね」
私「よく泣くしね」
母「映画でもスポーツ中継でもなんでも泣いてたね」
私「映画と本は別口で小遣いくれたしね」
私「そういえばさあ、また映画見始めて」
母「いいじゃん、何おすすめ?」
私「東大出のニートが銭湯でバイト始めたらそこが夜、殺人現場に使われてて」
母「えー怖い」
私「うっかり目撃しちゃったから処理手伝わされるようになってさ」
母「やだー」
私「それが初めて自分「の」仕事で稼いだから本人ヤル気だしちゃって」
母「いいじゃん」
私「お仕事ムービーよ」
母「お仕事って色々あっていいわよねえ」
私「ちなニート役が気持ち悪いんだけど」
私「イケメンで。メランコリックよ」
母「こっち来たら見るわ!」

辛うじて20代だった当時は私も体調が良くなくMAXトンチンカンだったのですが、それからこれまで、手塩にかけて育てた娘がまさかの塩漬け案件になっていようとは思うまい。

母「何それ」
私「塩漬けベーコン的な?」
母「ふうん、じゃ、いいんじゃない?」

そういえば父が仕事でもらった賞状的なものは漬物のようにしまったままである。(仕事柄内容は家族も知らない)一応、母が自分の死ぬ前に処分することにしているのですが、もう時間も経ったしで片付ける前に一度見せてもらう予定。って書くとヤバイ仕事してた人みたいですね。どんな仕事もヤバイのかもね。自分が3040代に存命だったらもうちょっと仕事の話をしたり聞いたりしてみたかったです。

あ、映画メランコリック、超面白いよ!


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