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夜明け前

木曽路はすべて山の中である

五街道のひとつである中山道は江戸と京都を結ぶ主要な街道であって、全長は135里32丁というからおおよそ534kmにも及んでいて、天候によって大井川で足留めを食う可能性のある東海道よりも、参勤交代などでは好まれたという話もある。

69の宿場が置かれたのだが、うち17宿が岐阜の美濃地方に集中する。
そのひとつである馬籠宿まごめじゅくは名古屋からも割合行きやすい観光地でもある事から遠足などでも出かけたりするような場所だ。

また馬籠宿は島崎藤村の生誕地でもある。
代表作でもある「夜明け前」は、ここ馬籠宿を舞台に書かれたものだ。
「木曽路はすべて山の中である」という有名な書き出しから始まる物語は、藤村の父である島崎正樹の生涯を、明治維新前後の激動の時代を通して描いたものである。

藤村の生家であった旧家跡には藤村記念館が作られていて、藤村の祖父母がいた隠居所も残されている。宿場当時は本陣、庄屋、問屋も兼ねていたとされている。

つまり藤村は地元名士の出自であるのがわかる。

ちなみに「若菜集〜初恋」の「まだあげ初めし前髪の〜」と謳った相手は、隣の妻籠宿つまごじゅく脇本陣に嫁いだ「ゆふ」さんだと言われている。

このあたりは少し悲しい物語などもあったりとか。

ハッセルブラッドの思い出とともに。

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