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基本性格特性セット

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ビッグ・ファイブ・パーソナリティやダーク・トライアドなど,多くの研究のキーとなる性格特性を説明した記事を集めました。人間の性格特性の基本次元を知ることができます。記事は随時追加さ… もっと読む
他の記事に出てくる用語を押さえるための,基礎知識セットです。人間の性格特性の基本次元を知ることがで… もっと詳しく
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2020年5月の記事一覧

パーソナリティで死因を予測(MMPIの場合)

生きるか死ぬかを問題にする研究は,心理学でも結構行われます。 幸福感や勤勉性といったパーソナリティによる死因の予測や,睡眠不足など行動習慣,生活習慣がやはり早く死ぬか遅く死ぬかに関連するようです……生活習慣は自分も見直した方が良いと思うので,いつも論文を見ながら反省するのですけどね……なかなか改善できません。 先日も,死に結びつきやすいパーソナリティの研究を紹介したのですが,今回も別のアプローチを紹介しようと思います。 こういった研究は予測するのに何十年もかかりますので

死に結びつきやすい性格

心理学的な個人差特性で「生きるか死ぬか」を予測する研究というのは,けっこう世界中で行われています。ある時点で心理学的な測定を行っておいて(多くは質問紙調査をするのですが),その後ずっと追跡していって「いつ死ぬか」を測定するという研究です……このように書くとちょっとひどいことをしているように思えてしまうのですが,生きるか死ぬかというのはある意味で究極的な目的のひとつとも言えるのですよね。 パーソナリティと生死これまでにもビッグ・ファイブ・パーソナリティと「生きるか死ぬか」とい

知能のピークは何歳なのか

知能と「頭の良さ」は,同じではないのですが,何かの課題を与えたときの処理スピードや処理の量の個人差を反映しています。 いわゆる「頭の良い人」のイメージについての研究は,以前にも書いたことがあります。こちらをどうぞ。 年を取ると年齢を重ねると,こうした認知的な能力というのは衰えていくのではないかと思いますよね。私もこれから衰えていくのかな?と思ったりします。 でも,何の能力が衰えていくのでしょうか。全体的に落ちていくのか,それともまだまだ伸びる能力というのはあるのでしょう

引っ込み思案な子どもは内向的だと言えるのか

小さい子どもでも,さまざまな個人差があります。心理学では「気質(temperament)」とことばで表現されるのですが,大人のパーソナリティ特性のように,複数の気質特性や気質の類型が研究されています。 行動抑制傾向気質のなかに,行動抑制傾向と呼ばれるものがあります。アメリカの心理学者ケーガンが研究していた気質概念です。 行動抑制傾向は,新しい場面になかなか順応できないような個人の特徴を表す気質傾向です。言い換えると「引っ込み思案」のようなものだと思ってもらえば良いのではな