【趣味の話】崎玉県

正直に白状したい。

私は大学に入るあたりまで、埼玉県は崎玉県だと思っていた。おそらく、それまでにテストで崎玉県って書いてバツをもらったことはなかったし、指摘されたこともなかった。都道府県の名前を白地図に書くような授業や自習はあったと思うんだけど…。

今でも埼の字を書きながら、「こっちが正しい。間違えるなよ」と自分に言い聞かせている。

タチが悪いのは、社会科は好きで、しかも得意だと思っていたこと。数学の次に好きで得意だと思っていた科目だ。あとこれはいいわけだが、テストで埼玉県と答える機会はあまりなかったと思う。たまたま出題されても採点で見逃されていたのか。よく出る新潟県とか愛媛県みたいな間違いやすいものは印象に残るが、そうでないものこそ、意外と身に付いていないのかもしれない。

間違いに気づいたのは、大学時代の塾講師のアルバイトのとき。塾で使う小学生用のテキストを授業前になんとはなしに見ていたときに、「…えっ!」となったのである。子どもたちに「崎玉県」と教える失態はおかさずに済んだけれど、あの時は目が覚めた。

他人が知らないような知識を知ることは大事だけど、それ以上に、基本は大事だ。なにより、恥ずかしい。崎玉県と書いてしまうような人が社会科を教えるなんて…

一か月先の地理検定に向けて勉強を続けているけれど、どうしても知識がマニアックな方向に偏ってしまう。へぇ、そうなんだ!と新しい発見をしながら勉強を進めるのはいいんだけど、試験日に「なんでこんな基礎が分からなかったんだ!」となるのは悔しい。たぶん、さいたまはどれでしょう?みたいな問題は出ないと思うけど。

せめて、一度勉強したことを振り返って自分のものにするくらいの時間はほしい。

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