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エスキスのコツ〜平面検討・プランニング

はじめに

 9月になりました。いよいよ学習の中心が作図からエスキスや記述へと本格化してくる時期です。先日「エスキスが苦手な受講生の共通点」にて書きましたが、エスキスができていない人は今年も今の所同じような傾向で、既受験生は変な癖がついていて情報整理仕切れていない人が多く、初受験の人は整理した情報の使い方に戸惑っている、という印象です。
 条件整理が完璧でも平面検討になるとイマイチわからない、ピンと来ない、何から考えていいかわからない、こういう人たちは実際多いです。そもそも仕事で設計をしていない、という人も多く無理からぬことかとも思います。

 平面検討及び詳細を詰めて行くプランニングは「このようにしてやったら必ずハマる」という手法はなく(あれば誰も苦労しません)、設計に慣れていない人は課題を複数こなして解答のパターンを積み上げて行くしかありません。その為、前回やった考え方では解けない、ということが続きこのままでは合格出来ないのではないだろうか、と思い始める人たちが増えてくるのもこの時期です。エスキスが苦手な受講生にとってはこれからの2、3週間は精神的にも堪える時期です。
 ただ、「このようにしてやったら必ずハマる」方法はありませんが、「必ずやるべきこと」と「基本的な考え方」というものは存在します
 平面検討・プランニングで手が止まってしまう受講生に多いのが、コアの位置を中々決めることが出来ずに四苦八苦している、というものですが、それも上記「必ずやるべきこと」と「基本的な考え方」を踏まえれば、課題の仕掛けでつまづきつつもある程度進むことが出来ます。少なくとも、検討の方法はわかるので手が止まることはなくなります
 以下、本記事各項目の内容について簡単に説明します。

「必ずやるべきこと」は空間構成を破綻させないための基本的な取り組み方法です。意識的、無意識的いずれの場合もスムースにエスキスを進めることの出来る人は実践できている内容です。これをちゃんと意識することで自分自身で破綻している時に気付くことが出来ます

「基本的な考え方」は万能の解答法ではないですが、大事な指針にはなり得ます。平面検討のやり方がよくわからないという人、コア位置が決められない人、パタン出しに時間がかかる人には非常に有効な内容だと思います。また、例えば解答例を見て「基本的な考え方」を踏まえても出来ないないならば、どこが「基本的な考え方」と違うイレギュラー部分なのか、そのイレギュラー部分は何によって出てきているのか、という視点での復習も可能になりそのイレギュラー課題が引き出しとして明確に意識出来ると思います。(本記事のメインパートになります)

「1/400と1/1000の切り替えどき」は時間的に効率よくエスキスを進めるために意識すべき大事な事柄です。どこまで1/1000か、どこから1/400か、何故そこで切り替えるのかについて書いていきます。

「スパンの決め方」プランニングする上で苦しまないために知っておくべきことについて書いています。シンプルな事柄ですがほとんどの受講生は意識出来ていません。

「小部屋のおさめ方」は上記「基本的な考え方」と同じような内容ですが意識しておくだけでスムースに取り組める方法です。

 以下有料パートになりますが、本記事内容は実際に僕自身がエスキスの平面検討をする時の手法を言語化したものです(断面検討のコツについてはまた後日書く予定)。講師として解いたエスキスを受講生に見せていますが、この解き方で解けないものはありません。自信を持ってお勧めできる内容です。


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