マリノス長崎_局所的数的優位

【サッカーに触れよう!①】サッカーの3つの優位性を言語化

こんにちは、AT_Soccerです。今回のnoteは昨日の清水vs名古屋の戦術分析とは異なり、もう少し概論の話として、「3つの優位性」という、サッカーを見る上で欠かせない考え方について説明を試みたいと思います。最近巷でもかなりよく説明されている概念ではありますが、図示と言語化で、少しでも分かりやすく情報を提供することを目指します。今回のnoteは、サッカーをいつも見ている人の助けとしていただくだけでなく、日本代表戦がやっていたらたまに見る程度の方々にもぜひ読んでいただき、サッカーに興味を持っていただけたら嬉しいです。

目次
1. 質的優位
2. 量的優位
3. 位置的優位
4. まとめ

1. 質的優位

これは単純にいうと、上手さということにつきます。上手い選手がいると、相手に対して優位性を持てるよね、ということです。例を出すと、攻撃面ではシュートやパスの上手さ、守備面では間合いの詰め方(ボールを持っている人との距離のことで、基本的には狭ければ狭いほどいいと言えます)や読みの鋭さの上手さ、両者に必要なものとして足の速さや視野の広さなどが挙げられます。
世界最高級と称される選手は、この質的優位を確実にチームにもたらせるからこそという部分があります。例えばメッシのドリブルスキルを持ってすれば、あらゆるDFに対して脅威を与え、優位性を持つことができますし、クリスティアーノ・ロナウドのシュート力はあらゆるGKへの優位性を保証できます。

2. 量的優位
これはプレイヤーの数の多さです。「サッカーは11vs11だから、同数じゃないか!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。以下の図を使いつつ説明します。

これはJ1第32節、V・ファーレン長崎 vs 横浜・F・マリノスとの試合の前半19:03頃のシーンです。画面全体を見ると、長崎のプレイヤーが9人、マリノスのプレイヤーが6人ですが、青い四角の中に注目すると、マリノス3人、長崎2人という状況になっています。こうした、局所的な数的優位というのが、量的優位性の意味です。これを作り出すことにより、攻撃側からすると選択肢が増え、守備側からすると極めて守りにくい状況が生まれることになります。

3. 位置的優位
これが少し難しいのですが、プレイヤーの、位置取りによるプレイしやすさです。前述の試合の、前半12:45辺りの場面を使って説明します。

この局面で、大津のポジションを見ると、見事にスペースの真ん中に位置取っています。スペースの真ん中に位置取るというのは、どの相手からも距離を取れるということであり、自由にプレーできる余地が大きいことを示しています。また、扇原と天野も松原からボールを受けやすくも大津のスペースを潰さないポジション取りをしています(余談ですが、今期のマリノスはこうした位置的優位性を取るのが非常に上手いので、残り2試合ですが観戦してみることをお勧めします)。こうした、本人と周りのポジショニングによってプレーしやすい環境を作り出す、というのが位置的優位です。

4. まとめ

以上、質的優位、量的優位、位置的優位について簡単に説明させていただきました。お互いのチームはこれらの優位性を追求し、相手の優位性を削ぐことによって勝利を目指します。これから試合の解説でも各チームがピッチのどこでどうやってこれらの優位性を追求しようとしているのかに目を向けていきますし、サッカーの見方についても、サッカーをあまり見ない方でも楽しめるようにnoteも執筆していきたいと思います!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。解説等についてご意見、ご感想があればコメント欄にいただけますと嬉しいです!

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