今日どうだった？
だいじょうぶ？
なにかあった？

ぼくは仕事から帰ると、まず妻にこんな風に話しかける。

それは質問や確認と呼ばれるものかもしれないけど、ちょっと違うんです。

妻の心を開き、滞っていた感情を流させるもの。親密な会話のための信頼関係を作るファーストステップ。

言ってみれば、感情チェックインです。

この感情チェックインのおかげで、ぼくらは良好な関係性を維持できています。

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なぜ、感情チェックインが良好な夫婦関係を維持させるのか？

そこには２つの理由があります。

一つは「相手のイマココの心理状況が分かること」。

人の気持ちってその日にあった出来事でコロコロ変わりますよね。自分の妻に何が起こりどう変化したのか、一日中一緒にいるわけじゃないので、分かりようがないですよね。

男女で見えている世界が違うと言いますが、同じ体験を重ねていないことが二人の世界に距離を生むのだと思うのです。

そして、お互いの身に起こったことや、その時どう感じていたかをお互いに共有しないから、分かってもらえない寂しさが積もっていく。

会話が少ないことも原因ですが、事務的な会話は二人に情緒的な豊かさを与えることはなく、同居人のような距離感を作り出すだけです。

必要なのは、タスク管理の共有ではなく、なにを感じていたか、感情の共有なのです。

今、この瞬間。妻が何を感じているのか？

仕事で自分勝手なお客から嫌味を言われ落ち込んでいるかもしれない。

子供が友達からいじめられ、どうしていいか悩んでいるかもしれない。

子供の習い事の送り迎えが大変で疲れ切っているかもしれない。

そんなイマココの気持ちを知ることで距離をグッと縮めることができるんです。

もう一つの理由は自己開示の練習になることです。自己開示というと難しく聞こえるかもですが、単純に素直な気持ちを話すというだけの話です。

ですがこれが難しいんですよね。素直な気持ちをパートナーに伝えるときに戸惑いを感じたことはないですか？

ああ、どうやって言おう…。相手が傷つかないかな。でも遠慮したらまた自分の中に抱え込んじゃうし。どうやったらお互い嫌な気持ちにならずに素直な気持ちを話せるようになるんだろう…。

そう感じたことはないでしょうか？ぼくは何度もあります。一人でモヤモヤを抱え込んじゃうんですよね。

でも感情チェックインなら大丈夫。相手からの短い問いに対して答えるだけなので、あれこれ考え込む必要はありません。

仕事でこんなこと言われてちょっとイヤだったな。

今日、子供がこんなこと言っててさ。

ちょっと疲れちゃったな。

ほんのちょっとだけハートをオープンにするだけでいいんです。カウンセリングじゃないんですから、あれやこれやを話さなきゃと意気込む必要はないんです。

そしてもっとも大切なことは、妻からの自己開示に対してきちんと応答する(安心感を与える)ことです。

そうだったんだね。
辛かったね。
大変だったね。

人の愛着は不安表現に対してきちんと応答(受け止める、抱きしめる、安心させる)させることによって育っていきます。

受け止めてもらえた安心感が信頼関係を築くからです。

声かけ→自己開示→応答

感情チェックインを起点としたこの一連の流れが、あなたの夫婦関係を良い方向へと進ませてくれるはず。

狭い水路に滞っていた二人の感情はスムーズに流れ出し、小鳥がさえずる小川を悠々と流れ、どこまでも広がる大海原へと繋がっていくはず。

ただ、相手が自己開示を自然としてくれるようになったり、自分が適切な応答ができるようになるには時間がかかるかもしれません。

本当に疲れ切っていると何も話したくなくなるし、自分が疲弊している時に相手のことを気にかけるのは難しかったりしますよね。

ぼくも妻の感情の流れを把握出来ずに見当違いなことを言って険悪になったり、逆にぼくが心配事を自分で抱え込み過ぎて妻を不安にさせたこともありました。

まずは自分の心身の安定を図ることと、歯磨きのように何も考えずチェックインできるよう習慣化することが大切です。

慣れるまで時間はかかりますが、一度習慣化できれば心理的負担は減るので、試す価値のある挑戦だと思っています。

感情チェックイン、よかったら試してみませんか？

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