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かさぶたカサカサ1年生(1)ぼっちゃんやらかし事件簿ベスト4

卒園&入学スペシャル第1回目は、この1年で厚子をげっそり・げんなり・がっかりさせたぼっちゃんの愉快な事件簿ベスト4を発表しちゃうよ。

特に4月から新入学を迎えるご家庭よ!入学後、時にお子さんの奇行に悩み苦しむこともあるだろうけど、このnoteを読んで勇気出してね!
小学生はこんな事件が日常茶飯事だよ(※人による)

同級生&パイセンズは「あるある~うちもこんなだったよ~」って慰めて。

「厚子の家マジでやべぇな…」って万が一ドン引きしてても口と態度には絶対出さないでズッ友でいてね!でじゃあいくよ!!!

▼目次
(1)ぶらり途中下車の旅隠ぺい大作戦(失敗)
(2)ぼっちゃん、見知らぬマダムと血の海に溺れる
(3)タイムリミットは48時間、夜な夜な竹馬を駆る母子
(4)2月の池にダイブしたアホの子は半そで短パンで帰宅する

*目次っぽくまとめたがページ内リンクは飛ばない

(1)ぶらり途中下車の旅隠ぺい大作戦(失敗)

テレ朝じゅん散歩と混同しがち

愛するぼっちゃんが小学校に入学し早3週間ー。
厚子は、かさぶた家が小学校受験東京本番で全滅した時と同等いやそれ以上にメンタルをげっそり削られていた。

ぼっちゃんが下校時、帰りの電車が通過する駅に端から順に降り続けるというぶらり途中下車の旅をしていたことが発覚したのだ。

当たり前であるが、最寄駅以外への下車は明確なルール違反である。

学校にばれたらえらいことである。なんとかしてばれる前にやめさせなければいけない…と、脱税額を丸っとそのまま寄付することで難局を乗り越えようとする我が国第一党のようなごまかし策を必死に考えていた。

自民党派の方がおったらごめんなさい



その結果、ぼっちゃんから1か月定期券を取り上げる作戦を実行することにした。


毎朝往復の切符を持たせ

・この切符で行って帰ってくること
・途中下車したらもうその駅から電車に乗ることはできないこと
・勝手に降りて電車に乗れなくなってもお母さんは絶対に迎えに行かないこと
・どうしても降りたいならそこから歩いて帰ってこい

と呪いの言葉を繰り返し、ぼっちゃんを脅しに脅した。

さすがのぼっちゃんもこれはやべぇと母の殺気を感じたのか、お友達がみんなピッ!と颯爽と改札を抜けていくのに自分だけもたつくのが嫌になったのか。

とにかく「1か月1度も途中下車の旅をしなければ定期券を返す」との約束達成に向けて、ぶらり途中下車することなく改札に切符を入れては受け取るを繰り返したのだ。


約束達成の日を迎えるまであとわずかとなった某日、お母さんは終わらぬ仕事を放りだし改札でうなだれていた。

定期券を取り上げると共に、約束した電車に乗れば絶対に到着するであろう時間にお母さんが最寄り駅改札の前で鬼の形相で待つ。という見張りルールも加えていたためだ。

フリーランスという気ままな身分ではあっても、オンタイムである夕方に1か月間ごっそり予定がホールドされるのは大変な負担であった。

お願いだ…ぼっちゃんの見栄はもとよりお母さんの精神衛生安定のために、お願いだからこの1か月チャレンジを達成してくれ!頼んだぞぼっちゃん!!じゃないとお母さん破産しちゃう!!と毎夜必死に祈っていた。

しかし、その日に限ってぼっちゃんはいつもの時間に帰ってこなかった。


あいつ…もしややったのか、残り数日を耐えきれず…とうとうぶらりを再開しちゃったのではあるまいか。

一気に動悸が激しくなる。5分…10分…と時が過ぎ、息子の背信行為を確信し、いよいよ迎えに行くしかないかと悟った瞬間、愛する息子が笑顔で走ってきた。

「ママ~~切符なくしちゃったんだけど500円もらった~~~!!!!」


誰にだよ。

マッシュル最高ですねB.B.B.B!!


本日分の復路切符を学校でうっかり落としてしまったぼっちゃんは、家に帰れなかったらこりゃ困ると担任の先生にすべてを速攻べろって500円玉を1枚借りて帰ってきたのだ。

限界中年厚子は、目に鮮やかな新緑の空をあおいだ。

そうだよね、悪いことって、いつかはこうやって露呈するんだよね…。

入学早々息子の悪行を隠ぺいしようとしたかさぶた家の悪事は1か月もせず白日の下にさらされた。

そして、小学校入学わずか2か月足で2度目の詫び状を担任の先生宛にしたためることになったのは言うまでもない。使った便せんはもちろん鳩居堂の一番高いやつであった🐦


(2)ぼっちゃん、見知らぬマダムと血の海に溺れる

後半にでてきます🍊


その日の夕方、自宅で仕事をしていると知らん電話番号から着信があった。

電話に出ると、大変感じの良い品のある女性の声で「お宅の息子さんが血まみれで仁王立ちしていたので保護した」と伝えられた。

・駅前で
・血だらけで
・仁王立ちで
・知らんマダム(仮)に助けられる


法治国家である日本を代表する大都市東京23区内においてこんなバイオレンス劇場が開催されるなんて誰が想像したであろうか。齢7歳にして人生ハードボイルドがすぎるぞぼっちゃん!

名著ですよね、春樹

てんぱりまくった厚子は、スウェット上下&すっぴん&メガネのひっつめ髪で、中学校3年間休むことなく毎日5キロの山道ランニングを続けた結果手に入れた競輪選手に並ぶとも劣らないごん太の太もも&脚力をもってママチャリをぶっ飛ばし、通常駅まで5分弱かかる道のりをわずか1分半で到着すると、顔から腰に掛けて血まみれになって泣きじゃくるバイオレンスぼっちゃんが、大変麗しいマダムに手をひかれて立っていた。

その様相は、相手の戦闘力も図れぬまま無謀なケンカを吹っ掛け昇竜拳でぶっ飛ばされたモブのストリートファイターさながらである。エトゥープカラーのガーデンパーティを小脇に抱えた東京マダムとの温度差がえぐい。えぐすぎる。

春麗は永遠のアイドルだよ!

母の顔を見るなり緊張の糸が解けたぼっちゃんは、マダムの手を振り切って我が胸に飛び込んできた。

「ぼっちゃん鼻ほじったら鼻血でたぁあぁぁあぁぁあっぁあ」

それ鼻血なの!!?


お主には鼻の穴なんぼあって何個の穴から同時出血したらこんなに血まみれになるんだよ…我が子ながらこの鼻血にはドン引きである。

マダムに再三お礼を述べ、急ぎ帰宅し鼻の中その他をくまなくチェックするも、確かに鼻孔以外におかしな様子はなかった。


ぼっちゃんよ…お主は鼻の穴に指の第何関節まで突っ込んじゃったんだよ。そんでこの制服どうすんの、血まみれじゃんよ。明日も普通に朝から学校なんだけど…お主の生まれ育った町は東京都米花町(コナン君が生まれ育った町で週に1回殺人事件が起きるよ!)かよ…

犯人の犯沢さん(正式名称)

その日の深夜、限界お母さんががっくり全身脱力したままサニタリー用洗剤で制服一式もみ洗いをしたことは言うに及ばない。


(3)タイムリミットは48時間、夜な夜な竹馬を駆る母子

安心安全のいらすと屋


記念すべき小学校の初めての運動会。ぼっちゃんたち1年生は竹馬を取り入れたダンスを披露することになっていた。

ご存じの通り、小学校受験の運動・体操考査において竹馬なんて項目はない。もちろん我が子に竹馬なんて与えた記憶もなかったお母さんは大変心配した。

そんな母の心配をよそに、愛する息子は満面の笑みで

「よゆーっす!楽勝だよ!」

と自信満々に答えた。

腐ってもうちの子、2年にわたる小学校受験準備を乗り越えてきただけはある。

ぼっちゃんをはじめとする私立小に通うお子たちは、例え未経験であっても、上手いこと竹馬を乗りこなすのか。さすがだね~!

期待という名の自分勝手な欲望に毎度裏切られ続けてきた受験期というの名の辛い日々の記憶をついぞ手放していたお母さんは「私立小学校はイケてるね★」っていう全くもって根拠なき納得を得てしまい、そこから竹馬のことはきれいさっぱり忘れてしまった。


時は過ぎて運動会3日前。
同じクラスのお母さん2人と当日のお弁当やら服装やらに関するとりとめのないLINEのやり取りをしていたところ、眉目秀麗勉学優秀運動神経抜群な1年3組の出木杉君(と厚子が密かに呼んでいた)ことB君のお母さんが

「竹馬、大変じゃなかったですか?うちの子全然できなくてめっちゃ練習しました…」とぽろっとこぼした。


あの…運動神経抜群の…ボール投げなら10Mくらい余裕で飛ばす…体幹の鬼のBくんが…家で…竹馬を…練習…しただと?


週に3回はこういう顔している

厚子が全身を小刻みに震わしながら耳を疑う最中、クラスで1番の俊足を持つスポーティガールCちゃんのお母さまも「うちも大変でしたよ~まだ10歩も進めなくて」というではないか。


母となって早7年、今のところ私は誰よりもぼっちゃんのこと理解しているはずだ。一切信用を置けないことに厚い信用がある我が息子である。お母さんの野生の勘がいまピーピーと強く激しく警報を鳴らしている。


BくんもCちゃんも自宅練習しなきゃできなかった竹馬に、うちのぼっちゃんがノー練習で乗れるわけがない!!

その日ノー天気に帰宅したぼっちゃんに、お主実は竹馬に乗れないんじゃないか?と詰問すると


「そうだよ!ぼっちゃんが竹馬に乗れるわけないっしょ!!!」

すんごいちょうどよい炭治郎がいた。

と、はじける笑顔で宣言した。
絶望の淵に立ったお母さんにとって、こんなにも死亡宣告に近しいYESはなかった。


俄かに1か月前の記憶がよみがえる。

あの時…竹馬の話を聞いた時…確かにぼっちゃんは「楽勝、よゆー」と言っていた。しかしただの一言も「乗れる」とは答えていなかったのだ。


日本語って難しいねー!!!!!!!!

こちらの記事からお借りしました。

厚切りジェイソン化した厚子は速攻amazonで即日発送可能な竹馬を購入。無料お急ぎ便にて翌日昼に届いた竹馬を両手に握りしめ駅の改札でぼっちゃんを待ちかまえ、近所の公園で夜な夜な竹馬特訓を繰り返した。

運動会本番までの48時間、厚子の背中には竹馬の鬼が棲み着いていたはずだ。


その後、たった2の晩の猛特訓によりなんとか5歩程度進めるようになったところで迎えた運動会、ぼっちゃんの竹馬ダンスは可もなく不可もなく見事にド平凡な仕上がりで幕を閉じた。



そして我が家の狭い玄関には、あの日以来一度も主人を背中に乗せることのない竹馬(当時税込4325円)いまも抜群の存在感をもってして鎮座している。


(4)2月の池にダイブしたアホの子は、半そで短パンで帰宅する

他人とは思えない


2月某日、その日はいまにも雪が降りそう程に冷え込んでいた。

学校行事で帰宅が遅くなる予定だったぼっちゃんを駅まで迎えにいき、改札前で待っていると「ママー!」といつもくそデカボイスで愛する我が子が手足丸出し半そで短パン姿(運動着)で駅の階段を駆け上がってきたのだ。

「ぼっちゃん池に落ちたんだよ!!でへへへ!!!!!」



とまるで「僕は駅で困っているお年寄りを助けたんだ!今すぐ褒めて!ほめちぎってくれ!」と言わんばかりの顔でどやってきた。

ああそうだ、最近平和だったから忘れてたけど…私はアホを生んでたんだ。ついでに私はアホの母ちゃんだったんだ…

自宅最寄り駅改札前で、その日厚子は思い出したのだ。自分がアホの子の母であることを。


膝から崩れ落ちそうになるのを必死にこらえ、アホといえども風邪はひくと羽織っていたUNIQLOのダウンをアホの子にかぶせると、お魚くわえたどら猫をうっかり超薄着な部屋着で追いかけてきちゃった系アホのお母さんが爆誕した。

思い出したくもないくらい寒かった

そしてそのまま、こんな寒空の下スウェット1枚で外に出かけたアホ母は、寒い…寒い…と凍えながらアホの子の手を引き帰宅した。

アホの子は鼻歌まじりに「ぶ~は豚のケツ~」と生産性ゼロの替え歌をご機嫌に歌っていた。

帰宅すると厚子のスマホに担任の先生から着信が何件も残っていた。即折り返すと、池に落ちたぼっちゃんに着がえを貸すと言ったのに「自分の服で帰るから大丈夫です!」と学校側の親切をぶったぎって帰宅したと説明を受けた。

背筋も凍る真冬の候、半そで短パンで電車に揺られる小学校1年生はさぞや奇怪な存在に映っただろう。

しかし本人は誇らしげだった。
どうやら高学年のお兄さんが部活後にジャージで帰宅する様子を見て「かっけー!!!!」と思い至り、チャンスがあればいつか自分もやってやろうと虎視眈々とその機会をうかがっていたそうだ。

「ねぇあんた、帰り道寒くなかったの…?」

そう尋ねるアホの母に、アホの子は

「めっちゃ寒かったよ!寒いに決まってんじゃん!!!」

と、大声で答えてはまた豚のケツを熱唱するのであった。


【完】

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▼第2話(前編)はこちら



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