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#38 ボリビア人の(私なりの偏った)恋愛観についての考察

2023年2月18日 sábado
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気づけばバレンタインも終わり、あと一ヶ月少しでボリビアでのボランティア活動が終わる。ゴールへのカウントダウン。
去年のバレンタインには出国時、羽田空港であわてて買った抹茶チョコをオフィスのメンバーに配った。ボリビア人に抹茶チョコはハズレなし(私の経験上)なので、今年は抹茶トリュフを作ることにした。ついでにノーマルのトリュフと。

抹茶粉末(っぽいやつ)もこちらのスーパーで入手

同僚に「あまったらここに全部置いてって!」と言われるほど好評だった。胃袋しっかりつかみました。

職場では毎年恒例、女性の同僚の旦那から花束が届く。Amor(愛)の国です。ここではDía del Amor(愛の日)といって、バレンタインは夫婦やカップルで過ごす日という位置づけのよう。道で、花束を持った男の子をよく見かけた。お花を贈ってくれるの、いいなー。

彼女と待ち合わせかな

すでにCarnaval(カーニバル)に突入したボリビアでは、職場には行っているものの、もう仕事モードではない。そんな空気に反して、私は今週なにかと忙しく過ごしていた。
昨日はChalla[チャヤ]という大地の神パチャママに感謝と祈りをささげる日で、街中いたるところで、花びらや色とりどりの飾り、アルコールなどが地面に振りまかれていた。そして爆竹花火がバンバン鳴っている。邪気はらいの意味らしい。

スクールバスも浮かれている
そして職場のオフィスは、夕方こんな感じに。

夕方、それぞれのデスクにそれらが撒かれ(各自、ばら撒くセットが用意され、みんなのデスクに撒いて歩いてた。)
同僚のエンジニアと、ディレクターが「Atsuko, que te vuelvas a Bolivia,,,」(アツコがボリビアに帰ってきますように)と言いながら、それらを私のデスクに撒いていった。グラシアス。

黙々と(急いで)ロゴを作る私のデスクに、次々とばら撒かれていく

その後、空いている教室で、同僚たちとチョリパン、ビール片手にわいわい過ごしていたとき、一人のエンジニアの同僚(男性)が、私に、「日本人の女友達を紹介してくれ」というので、(彼は去年の秋頃に彼女と別れた、と聞いた。)友達が写っている写真を見せていると、
「アツコみたいな感じの、アツコじゃない子を紹介してくれ。アツコ可愛いから。」というので。なんちゅうこと言うんや、と、ポカーンとなった。
褒められているが、拒絶されている。複雑だ。。。
いや、面と向かって「君は可愛い」と言えるのもすごい。なんだか、そこらへんはストレートで、大人も子どもっぽいのだ。ボリビア人の感覚、ほんとにわからない。

前に、スペイン語の先生と話していて、ボリビアでは10組中7組の夫婦は離婚する、と聞いた。周りでも離婚経験者がけっこういるな、とはおもっていたが、まさかそんなに高い確率とは知らず。
そんなことをふわふわ考えていた今週、バレンタインの夜、卒業生のおうちによばれる機会があり、彼女のお母さんに「ボリビアの離婚率の高さは何に原因があると思います?」と聞いてみた。興味本意で。

家族が私に会いたいから、と、招待された。
「友達の日」はまだ先だけど、と、絵をプレゼントしてくれた卒業生の彼女

娘さん(卒業生のお姉さん)も20歳そこそこで結婚し子どもを産んだが、数年後離婚して家に戻ってきている、と。まずひとつは、ボリビアのマチズモ(男性優位主義)が根底にあるという点。あとは、ボリビアでは若く結婚するケースが多く(子どもができたり、で)、まだ考えが未熟なまま、そして恋愛の甘い部分しか知らないまま結婚生活に入って、現実的な苦労にぶつかった途端、我慢できずにすぐ離婚する、ということも多々ある、と。なるほど。
たしかにボリビア人、忍耐力があるとは言えん、、。人の話聞かないし笑。
昨日一緒に踊りに行った同僚も、似たようなことを言っていた。

Comadresという女性をお祝いする日に。彼女と。

彼女もシングルマザー。45歳で20歳くらいの娘がいる。彼女は、自分の両親も離婚していて、夫婦生活の現実がどんなものかを学ぶ機会がなかった、と言っていた。恋愛と結婚は別のものだという教育を受けてこなかった、と。
彼女に「アツコはボリビアで、いいな、とおもう男の人はいなかったの?」と聞かれ、「私はボリビア人の男性の(恋愛に関することも含めた)感覚がよくわからんのよ」と話した。反応が予測できなすぎて?と、いうか、、、いやいや噛み合わんわ!!笑 というシチュエーションが他の国にいた時よりも強く感じる、気がする。。決して悪い意味ではないが、恋愛対象となると、難しい。

ナンパされたり、これは口説かれてるな、というわかりやすいアプローチもあったはあったが、そういうのは軽くて笑ってしまう。¡Lo siento!
私は、こと恋愛に関して超鈍感らしく、逆に真剣にアプローチされている時ほど気づいてないらしい。ん?もしかして誰かいたのかな、なんつって。

あと、身近にいるボリビア人の女の子たちをみていておもったのは、「好きになるハードルが低い」ということ。まだ二回くらいしか会ったことのない、そんなに喋ったこともないような男の子のことでも「好き!あの子いい!」とか言っている。(そしてまわりにいるボリビア人女子は、アジア人が好き!)観察していると、こっちの子たちはとりあえずいいな、とおもったら付き合ってみてそれから本当に好きになるか様子を見る、という感覚なのかな、と、察する。
なので、(道で見かける)中高生なんかも、大半は彼氏彼女持ちだし、私の生徒(20歳くらい)も、たまにプロジェクトの手伝いに自分の恋人を連れてくる。
ま、ハードルが低い分、パートナーは作りやすいが、別れにも至りやすい、というところだろうな。でも敷居が低いのはいいことです。それは恋愛に限らず言えるボリビアの特性でもある気がする。みんながそこに参加できるハードルの低さ。(私も、全然できないフットサルに参加させてもらっている笑。でもみんなウェルカム。)

至るところにサッカー、フットサルのコートがあるラパス

前にエンジニアの同僚(男性)とふたりで出かけた時のこと。
仕事帰り、いきなりラーメンに誘われーの、バーを2軒はしご。しかも私に1ボリ(ボリビアーノスのこと)も払わせず、タクシーで家まで送り届けてくれる、という紳士な対応でびっくり。(いつもイジワルを言ってくるぶっきらぼうなイメージの人だったので。)

青汁みたいな「Sangre de trol」というカクテルを頼みよった

そしてそれ以降、遅い時間の帰宅時には「無事に家に着いた?」とメッセージか電話をくれるようになった。
ん?

お互い泳ぎに行く習慣があったので、先月には、本気の50mクロール対決するべくプール&サウナに二人で行ったのだが、
ん??

どうやら彼は別の同僚と付き合っているらしい。
ん???

セルフ顔ハメで遊ぶ、われら

はあ???

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ATSUKINO(アツキーノ)

2006年〜日本でグラフィックデザイナーとして働いた後、2013年に渡英。スコットランドの The Glasgow School of Art で修士号(Communcation Design: Graphic Design)を取得。帰国後はアートディレクター、キュレーターとしてデザインディレクションとともに現代アートの展示企画制作なども行う。海外での生活、旅を通じて得られる新たな表現や人との出会いが次の可能性につながると信じて動く、旅するデザイナーでありアーティスト。現在は南米のボリビア、ラパスにてJICAボランティア活動中。デザイン教育環境の改善にあたっている。
http://nakanoatsuko.com/
https://shadow-candle.com/

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