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アジアの「純情」

あつこは結婚指輪をしていない。
これはちゃんと理由がある。
ひどい手荒れ症なのだ。

ちょっとハンドケアを怠ると
指のいろいろな部分がかゆくなってきてしまう。
指輪はイベントの時にしかつけない。

ーーー
一方、理科系夫。

結婚以来、ずうっと結婚指輪をしている。
なんでだろう〜。

あつこ「なんでずっと結婚指輪をしているの?」

理科系夫(5秒ほど沈黙)
「神様の前で誓ったでしょ」

(結婚式は神前式だった)

あつこ「そうだけど。でもわたしは指輪してないよ」

理科系夫「それは理由があるから仕方ない」

あつこ「これって夜寝てる時もしてるんでしょ。気にならないの?」

理科系夫「別に。慣れたし」

あつこ「無理しなくていいのに」

理科系夫「そういう発言って、男の純情を踏みにじるよね」
(少しだけ怒る)

あつこ(……うわわ)

理科系夫「純情、愛情、過剰に、異常、
どっちもこっちも…(黙る)」

あつこ「え?」

理科系夫「いや、だから、男の純情は踏みにじっちゃいけないっ」(早口)

あつこ「それって小泉今日子?」


理科系夫「いやいや、、、それだったら、
白のパンダをどれでも全部並べなくちゃいけない」

あつこ「それ、PUFFYですよね」

理科系夫「あ、わかった?アジアの純情
ずいぶん流行った」

ーーーー

でもね、あつこは気がついていたのだ。

アジアの純真!


純情な理科系夫には
黙っていてあげよう。

ーーー
理科系夫は昔、歌謡曲が大好きだった。
歌謡ベストテンは欠かさず見ていた。
カセットテープにお気に入りの歌謡曲を録音してコレクションしていた。
オヤジギャグやちょっとした会話に歌謡曲のフレーズが出るのは、そんな背景がある。
ちなみに、今の流行の曲は、ほとんどわからない。

ーーー
結局は、お気楽な夫婦の会話となった。
長く一緒に暮らすとは、こういうことなのかもしれない。

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