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セールスの未来、SalesNowの大勝負

昨年、資金調達とピボットを終えて会社の魅力についてnoteで発信したところ、想定以上の反響がありました。おかげで面談でお話できる候補者が増え、「将来どのような会社を目指すのか」「プロダクトビジョンを聞きたい」など、ビジョンについて質問されること増えましたので、自分の整理も兼ねて本noteで伝えられればと思います。

資金調達で投資家と話す際や顧客と話す過程で、長期的なプロダクトの将来像を考え続けました。この先、SalesNowがどこへ向かっていくのか書こうと思います。


SalesNowが創る世界

SalesNowは「データとテクノロジーで、働き方を変革する。」を掲げ、非効率でアナログな営業プロセスを根本から変える挑戦をしています。

セールス職には、アナログで非効率な仕事が沢山あります。
Salesforceの調査データによると「セールス」は営業活動以外の業務に72%も時間が取られており、業務時間の3分の1も営業活動に時間を使えていません。

営業担当者が営業活動に費やしている時間

そしてこの効率の悪さを、気合い, 根性, マンパワーで補う無理のある働き方がまだまだ当たり前になってしまっています。
このようなセールスの働き方の現状を、データとテクノロジーを用いて根本から解決したいと思っています。

なぜSalesNowがこのビジョン実現に取り組むか

僕は、SalesNowの創業前、レバレジーズというベンチャー企業で、法人営業のマネージャーとして部下10名を束ね「テレアポ」「メール営業」「DM発送」などthe アナログな営業手法を中心として新規開拓セールスに取り組んでいました。

寝る間も惜しんで作成した企業リスト100件~200件へアプローチして1社商談に辿り着けるかどうか・・・という歩留まりで、大半が一方通行で効率が悪く、商談も取れないし、部下も疲弊して辞めてしまう、でも長時間労働で量をこなすしか手段がありませんでした。
僕の直属の部下の中にも体力的・精神的負荷により病気で退職に至るメンバーが出てしまうほど、無理のある働き方が組織の当たり前になってしまっていました。変えたいけど何をどう変えれば良いかわからないし、僕自身も目先のことで一杯一杯になっていて結局何もできなかった、もどかしい想いをしたのを今でもクリアに覚えています。

このような原体験から「セールス」の働き方をデータベース, テクノロジーによって根本的に変えたい、との想いで創業したのがSalesNowです。

創業後、支援するクライアントが増えていくにつれ、僕が所属していた前職だけでなく日本の法人営業のDX、データリテラシーはまだまだ遅れを取っており、「勘と根性」が中心のアナログで非効率な仕事が残ってると実感しました。

セールスの課題(as is)

便利な営業管理ツールがなかった時代のセールス組織と比べると、現在のセールスは、多くの組織においてCRM(顧客管理)やSFA(営業自動化)を駆使して顧客データを蓄積し、それを元に効果的な営業オペレーションを構築するなど、一見効率的な働き方が実現されたように見えます。

このようなツールで管理するデータの対象は下記です。

  • HP宛に問い合わせがあった顧客

  • 訪問 / 商談を実施した顧客

  • サービスを契約中の既存顧客

これらのデータはそれぞれ、顧客フェーズに応じてMA・SFA・CRMにて管理されます。(下図参照)

MA・SFA・CRMの守備範囲

データ蓄積によって、過去に問い合わせをくれた顧客や商談済みの企業に対し、売上向上のための商談失注・受注分析をすることや、営業ノウハウをチーム間で共有しセールス活動を標準化する、などのことができるようになりました。

このようにMAやCRM、SFAの普及により、十分に効率化/DX化されたように見えるセールスの働き方ですが、実際はまだまだアナログで非効率な働き方が残っているのが事実です。
(前述したとおり、セールスは営業活動に業務時間の3分の1しか使えていない。)

実はセールスフローには、MA・SFA・CRMが活躍できるフィールド以前にも「新規開拓」の大きなステップがあり、この領域においてアナログで非効率な仕事が沢山残っています。

セールスプロセス

新規開拓は「リスト作成→企業リサーチ→アプローチ」の大きく3ステップから成り立ち、それぞれのステップで根深いアナログな業務が発生しています。

では、それぞれのステップにおけるセールスの「アナログで非効率な業務」とはどのような仕事内容か説明していきます。

新規開拓セールスの非効率な業務3つ

①リスト作成
企業によってはセールス担当がテレアポの企業リストも自分で用意します。平日9~18時はテレアポや商談の時間で、次の日のテレアポリストを作るために、web上から「IT 企業一覧」「資金調達 企業」など調べて、電話番号も調べた上でスプレッドシートに1件ずつ貼り付け、100件作り終わる頃には終電を迎えていることも。
格安で名簿を販売している会社もあるのですが、誤った情報が多かったり情報の鮮度が低く、目標達成するにはセールス担当者が自前で作成したリストが必要になることが多く、効率が悪いとは理解しつつも手作業でリストを作ります。

②企業リサーチ
これからセールスをかける企業について、事前にリサーチをした上で提案内容を組み立てます。アプローチ前に10~20分くらい調べる場合や、長いケースだと1社のクライアントのために事前準備に1時間以上かかります。バラバラに散らばった企業の情報を手作業で1箇所にまとめる、というアナログな業務が発生してしまっています。

③アプローチ
「毎日100件~200件の電話をすること」がノルマの企業もいまだに存在しています。せっかく入社した会社で「テレアポに耐えられない」がために、早期リタイアしてしまい、キャリア形成に苦労する方が毎年沢山います。
アプローチ先の情報には「社名」「所在地」「設立年月日」「電話番号」等の最低限の情報しかないため、優先順位を付けることができません。

予算の問題や社内事情や、景気・為替をはじめとする外部環境、経営方針・経営課題の変化や、サービスのフェーズがどこにあるのかによっても顧客が検討してくれるタイミングは変わります。

結果、優先順位を付けるためのデータが不足しており、セールス担当者は、羅列された企業リストへローラー的にアプローチする他ありません。

このように、「新規開拓」に関わる業務に膨大な時間が取られています。膨大な単純作業に時間を取られることで、セールス職は気合い, 根性, マンパワーがいまだに主流となっています。
長時間労働する人ほど成果につながる、結果として非効率な長時間労働が蔓延しています。

実際に1人の顧客を見つけるまでに沢山の雑務があることによって、本来セールスが時間を費やすべき「顧客の課題解決」に十分時間が避けない状況に陥っています。

結果として、労働時間, 気合い, 根性, マンパワーが必要となり、無理のある働き方が当たり前になっております。
RevComm社の調査によると、営業職として働く中で「やりたくない/休みたい」と感じている人は全体の82.7%にものぼるほど、不人気な職種として名前がよく挙がります。

引用:新卒営業時代の「壁」調査

セールス職は人気がない

セールスはネガティブな側面が多く人気がない職業としてよく名前が挙がっています。

ITmediaの記事によると、営業をしていて辞めたくなった理由では、上位3つとして「給料が安い」「長時間労働」「モチベーション維持」の3点が挙げられています。

僕は、「アナログで非効率な営業プロセスが残っていること」によって起きている問題だと考えています。

  • 給料が安い:時間あたりの生産性が低い

  • 長時間労働:残業でカバーしないと給与分の稼ぎが得られない

  • モチベーション維持:気合・根性を高い水準で維持しないと成果が出せない

など「働き方」にそもそも問題があることによって、セールスがネガティブな職業と認知されています。

一方で、営業をしていて良かったと思えることとして「相手に喜んでもらえる」「色々な人と仕事ができる」など数多くのポジティブな内容が挙げられています。

営業していてよかったと思えること

前職時代、直接お客様からお礼を言ってもらえるときに、自分が顧客のことを考えてやってきたことが人のためになったことを実感できるような、気持ちが高ぶる貴重の経験を何度も体験できました。
このように、営業をやっていて「良かった」「楽しい」と思える瞬間は今でも沢山あるのです。

このように、現時点でもセールスにはポジティブな側面は沢山あるため、ネガティブな側面を消していく( - を0にする) ことに加えて、人にしかできない「顧客コミュニケーション」や「顧客の課題解決」に時間を使えるようにする( + を増やしていく)ことでセールスは素晴らしい職業へと進化できるはずです。
この現状を変えていくには、あるべき姿や新しい働き方を定義してプロダクトという形で世の中に広めていく必要があると考えています。

セールスの理想(to be)

セールスは「データ」と「テクノロジー」を駆使し、人にしかできない「顧客コミュニケーション」や「顧客の課題解決」に注力できる状態が理想です。

そのためには前章で記載した非効率な3つの業務「リスト作成」「企業リサーチ」「アプローチ」を効率化し、「新規開拓」に関わる業務プロセスを再構築していく必要があります。

理想的なセールスプロセスとは

セールス業務が効率化された、理想的なセールスプロセスとは具体的にどのようなものでしょうか。
全章で記載した非効率な3つの業務の現状(as is)と理想(to be)を下記にまとめました。

現状(as is)と理想(to be)

それぞれどのようになれば解決されていく記載していきます。

①「リスト」がリアルタイムで更新され続ける

動的に「企業リスト」が更新され続ける状態が理想です。

「検討しているタイミング」は時間が経つにつれて変化するため、顧客がサービスを必要とするタイミングは変わります。そのため、効果的なアプローチをするためには、ターゲットリストは動的に更新され続ける必要があります。

企業情報に加え、顧客の行動や関心も考慮された「動的な企業リスト」にセールス担当者がダイレクトにアクセスできると「リスト作り」や「精度の低いリストへのアプローチ」が解決できます。

②「企業リサーチ」を1分で完結

企業情報収集を1分、或いはそれ以下に短縮できると良いでしょう。
商談前・問い合わせがあった顧客へ連絡する前・契約更新前後の顧客面談など、顧客情報を事前に調べてインプットすることで、「事前に仮設を立てて」顧客と対話に挑むことができます。

顧客(営業を受ける)側も貴重な時間を使ってセールスの話を聞くことになり、「自社に恩恵をもたらす人なのか」「信用に足る人物なのか」を慎重に判断していきます。

セールスが時間を必要以上にかけずに、顧客の情報を的確に把握し丁寧に顧客と対話できる状態、をつくるために「企業の情報」が深く正確に知れるデータベースが必要です。

③必要としている顧客にだけ「アプローチ」する

企業選定においては、企業の業界・従業員数といったような属性情報だけでなく、「検討しているタイミング」を特定してターゲットを絞っていく必要があります。

例えば下記のような情報をかけ合わせて企業を絞っていきます。

  • 従業員エンゲージメントに関心がある

  • ECサイトの売上を伸ばしたい

  • 技術スタックの移行を検討している

昨今注目されている「ABM」と言われる概念では、ターゲット先は固定されてしまっているため、セールスアプローチは顧客側が検討しているか否かに関わらず営業をかけることになってしまっています。

理想のターゲット顧客の特定ステップを画像で表すと下記のようになります。企業情報から「自社のターゲット企業」を特定し、興味・関心のデータから「今検討している」可能性の高い企業を特定してアプローチしていきます。

見込み顧客特定ステップ

これにより闇雲な数打ちゃ当たるアプローチから必要としている顧客にだけアプローチすることが可能になります。


この3つの変化により、「営業する側」だけでなく「営業される側」にとっても良い本質的なセールスコミュニケーションが主流になり、必要な情報が必要なタイミングで提供されるWin-Winな状態(図の右)を実現できます。

セールス環境のBefore・After

「データ×テクノロジー」により本質的な業務に集中できる

更に、AIやLLMなどのテクノロジーの発展により、3つの非効率な業務の改善だけに留まらない、働き方の抜本的な変革が行われるでしょう。

400年ぶりの産業革命と言われているChatGPTやBardなどのLLM(Large Language Model)のビッグウェーブが来ています。これまで技術的難易度が高かったり、生成するのに膨大な人手や高度な処理が必要なために、手の届かなかったソリューションへも容易に届く未来がこようとしています。
LLMはまさに「データ」の価値にレバレッジをかける技術だと考えており、セールス組織の生産性を大きく変えるでしょう。

AIやLLMなどのテクノロジーの発展により、顧客との商談や顧客コミュニケーションを除くセールス雑務を効率化・リプレイスしていくことができると考えています。
もう少し具体的にいうと、

  • AIにより成約確度の高い企業が提案される

  • セールスのアプローチ文言が自動レコメンドされる

  • 目標達成のために今日実施すべきタスクがスケジュールされる

  • 提案資料 / 営業資料が自動生成される

  • 顧客行動からアップセル/クロスセルを検討しているユーザがわかる

などデータとテクノロジー活用によって現場のセールスの働き方を劇的に変化させることができます。これにより、セールス担当者は人にしかできない「顧客との直接ミーティング」「チャット・電話での顧客コミュニケーション」「顧客の課題解決のためのサポート業務」などのセールスの強み・専門性が活きる本質的な業務に集中することができます。

このような働き方を根本から変えるトレンドを僕ら自信が台風の目となって作っていく必要があると考えています。

SalesNowのプロダクト創りについて

「SalesNow」というプロダクトは上記に書いたような課題(as is)を解消し理想のセールスの働き方を実現します。

LLMを始めとするテクノロジーが急速に発展し次々と社会実装されていく未来から逆算した場合、僕らはどのような進め方でこのような理想のセールスの働き方を創っていくのか。

SalesNowは「セールスの働き方を変えるためのデータ」に賭けたいと思っています。
SalesNowはデータによって価値を生み出す“セールステック“として「世界で最も包括的なビジネスデータベース」の構築を目指します。

ビジネスデータベース

この「包括的なビジネスデータベースの構築」によってセールスの課題(as is)で説明したアナログで非効率な働き方を引き起こしている3つの課題がそれぞれ解消できると考えています。

この第一ステップとして、国内に520万社以上存在する会社の「部署情報」「決裁者情報」「財務情報」「ニュース情報」「採用情報」「技術スタック」「推移情報」「地理情報」などの情報とそこから読み取れる「顧客の関心」情報をリアルタイムで読み取れる試みを始めています。

SalesNowで構築する企業データ

現在は国内の情報のみ取り扱っていますが、世界には1億社の企業データ / 30億人のビジネスパーソンが存在していると言われており、B2Bに関するデータを、リアルタイムに、正確に、網羅的に収集・統合・整理していきます。

また、集めたデータを元に”更に”セールスの働き方を変えるための、独自データ/指標の実装やLLM技術を用いたセールス特化型AIの開発に注力することで、セールス職が真に重要な仕事に時間を費やせる状態をつくります。
社内では既にLLMチームが発足されており既にプロダクトの一部プロセスにおいて価値を発揮し始めています。

SalesNowは、まずは「データ」を抑えるところから始まり、「データ」にレバレッジを効かせる「テクノロジー」を掛け合わせ、働き方変革していきます。

最後に

僕らの挑戦はセールス・営業領域において「時代の転換点」を生み出す道のりだと思ってます。

上記のような大きなビジョンを描いているものの、まだ社員は7名。業務委託含めてもまだまだ小規模な組織です。
ビジョン実現のため皆さんの力を貸してほしい。

表層的にしか変化してこなかったセールスの現場を本質的に変えていくため、強い想いで課題を1つずつ解決してくれるメンバーが必要です。
大きなビジョンであり、実現するのは非常に難しく色々な壁が待ち受けていると思いますが、このビジョンが実現したときには、「社会を大きく変えられた」「人類史に残る産業をつくれた」と胸を張って言えると思います。

結果として、SalesNowで一緒に働いた時間がみんなの仕事人生の「最高傑作」になる。プロダクトで実現した世界が、一生で成し遂げた大業の1つになる。そんな事業を一緒につくりましょう。

もし手を貸してやるか!と思っていただいた方は、下記も見てみてください。よろしくお願いします。


■会社説明資料

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以上

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