システム開発業界(SIer)について、つらつらと書き連ねてみる

ITエンジニアとして、システム開発の現場で十数年間働いた者として、システム開発の現場がどのようなものか書き連ねてみたいと思います。
これからITエンジニアとして、この業界で働こうとしている方の参考になれば幸いです。

そもそもSIerって何?

SIerというのは、ITシステムの開発を請け負う会社や業界自体のことをいいます。同じIT業界でも、自社でWEBサービスやソフトウェアをつくる会社はSIerとは言いません。

ITエンジニアは激務?

SIerのITエンジニアは顧客の納期厳守のため、過労になりやすく激務である場合があります。ただ、今は働き方に対する考え方も変わってきて、昔ほど無茶な働き方をしなくても済む現場が多くなっています。

SIer業界のエンジニアが大変な理由

1.口出し客

自分たちで開発できないにも関わらず、ひとたび遅延が発生したり、ことあるごとに口を出してくるお客さんがいます。
そもそもシステム開発には想定外の問題が出てくるもので、プロジェクトが予定どおりに進むことなんてないのですが、そういった事情を理解しないお客さんは、遅延の理由を聞いたり、対策を求めたりし、そのたびに開発側の担当者は事情を説明することになります。

2,工数見積もりが甘々

工数見積もりは、プロジェクトによっては、開発リーダーが見積もったり、開発をしたことがない営業担当者やコンサルなどが見積もったりするのですが、開発を担当する者以外が見積もる工数というのは、大抵短めです。

3.無意味な設計書

プロジェクトによっては、プログラムレベルの記載を設計書として記述する現場があります。プログラムレベルの設計書を書くぐらいなら、その設計書を書く時間を使ってプログラムを書いた方がよいと思うのですが、一度、プロジェクトとして、開発方針が決まってしまうと、意味のないことでもやり続けることになります。

4.複雑すぎるシステム設計

仕様の定義やシステムの設計は顧客側で行います。彼らは、実装経験がないため、ユーザー目線でしか設計ができず、費用対効果の薄い機能をどんどん追加してしまいます。結果、開発工数が大幅に増えることになります。

そもそもなぜ自社で使うシステムを他社に作ってもらうのか?

大手企業は自社業務を効率化させるためにITシステムを導入します。そして大抵は、自社に情報システム部やシステム開発部といった部署をもっているのですが、彼らは自分たちでは開発できません。そのため開発を専門に行う会社に丸投げするのです。

SIer業界のこと少しは分かって頂けたでしょうか?
効率的に業務を進めるためにITシステムを導入するのですが、その導入の過程はとにかく非効率なのです。
これから、ITエンジニアとしてシステム開発の現場で働こうと考えている方、SIer業界というのはこういう世界ですが、どうか病まずに頑張ってください。

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