いびがー

2021年卒/農学修士卒/食品メーカー勤務/本の感想(特に伊坂幸太郎)/日々の感想をつ…

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2021年卒/農学修士卒/食品メーカー勤務/本の感想(特に伊坂幸太郎)/日々の感想をつらつらと/ツイッターもやってますhttps://twitter.com/XJV1BUZm4IRmDAM

最近の記事

未来(湊かなえ)を読んで

久々の湊かなえ作品。 この作品を読むまでは、ひねくれた人だと思ってました。ただ、「未来」を読み終えると見方が変わりました。以下感想です。 自分の力だけでは、どうしようもない問題を抱え、時には絶望しながらも、最終的には「未来」を諦めない登場人物たちの物語。 本作に登場するメインキャラクターは、家庭に問題を抱える自立する前の子供。子供たちは、自分たちの力で問題を解決しようと努力する。しかし、それらが彼らだけの手に負えるものない問題(金銭問題、家庭内暴力など)であるとき、子供たち

    • (あまり)病気しない暮らしをよんで

      こんにちは!! 健康関連の分野に興味を持ち、本を探している時に出会った"(あまり)病気しないくらし”を読んだので、概要と感想を書こうと思います。 どんな本? この本は、なるべく病気にならない生活を送るための秘訣(?)を、著者の経験とともに紹介してくれる本です。 この本の特徴本書は病気をせずに暮らすことはできないということを前提に書かれており、「これさえしてれば大丈夫!!」といった、白黒はっきりした健康法を教えてくれるわけではありません。 ただ、この本では ●体の仕組み(免

      • 「世界史を変えた薬」の読後感想

        コロナ禍を解決する切り札であるワクチンが今話題になっている。 そこで、薬・ワクチンが今までに世界に与えた影響を教えてくれる本「世界史を変えた薬」を読んだ感想をまとめてみる。 1.薬理効果のある化学物質の発見以前の治療薬 病魔は太古から現在に至るまで、人類を何度も恐怖に陥れてきた。また、科学が発展するまで病気の原因も非科学的な存在によるものと考えられていた。例えば、太古の人々は悪魔が体にとりつくことで病気になると考えを持っていた。彼らは悪魔を取り払うことができる、あらゆる方法

        • 残り全部バケーション(伊坂幸太郎)を読んで

          伊坂幸太郎さんの作品です。 以下感想です。  当たり屋コンビの岡田と溝口の二人を中心とした短編集。法に触れ、決して褒められることはしていないが、なぜか憎めない二人。なぜ憎めないのだろう?自分なりに考えてみた。それは、自分の気持ちに正直に行動しているからなのではないだろうか?と結論づけてみた。彼らは未来のために打算的に生きるのでなく、今の気持ちを大事にして生きている。自分にはそれができていない。常に未来の不測の事態に備えようと、びくびくしている。自分にはできない生き方をして

        未来(湊かなえ)を読んで

          オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎)を読んで

          伊坂幸太郎さんのデビュー作品です。 以下感想です。 伊坂幸太郎のデビュー作品。未来を知ることができる不思議な案山子がいる島で引き起こされる事件を描いた物語。未来には様々な道があり、条件によって進む道が決まる。案山子には複数の道が見えている。未来の可能性が見えている。でも誰にも言わない。未来は何が起きるか分からないからワクワクするのだ。起きると分かっていたら楽しみが減る。辛いことも楽しいことも、人生を彩るスパイスと考えれば、未来なんて知らないの方がいいのかもしれない。 伊坂

          オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎)を読んで

          チルドレン(伊坂幸太郎)読んで

          伊坂幸太郎さんの作品です。 個人的に大好きな陣内が大活躍するお話です。 疲れたり、落ち込んだりしているときに読むと明るい気分になる本です。 以下、感想です。 自己中に振る舞う男、陣内の周りで起こる(彼は引き起こす?)おかしくも心温まる事件を描く物語。自分勝手な振る舞いをする人は多い。でも、陣内みたいな人はいない。だって彼は、自分勝手な振る舞いを、分け隔てなくするから。自分も含め、人によって態度を変える人は多いと思う。特に権力者やマイナーな悩みを抱えて憐みの対象とされがちな

          チルドレン(伊坂幸太郎)読んで

          "終末のフール"(伊坂幸太郎)を読んで

          先行きが見えない、このご時世にこそ読んでほしい一冊です。 以下、感想です。 3年後に小惑星が地球に衝突して、滅亡する予定の世界で暮らす人々の物語。物語では、逃れようのない絶望に直面すると人は自棄を起こして秩序を乱すようになる。だが、ある程度すると落ち着きを取り戻し始める。そして、人々は絶望を受け入れ、残された時間を精一杯生きようとする。どうしようもないことを不安に思って日々を過ごしても、未来は変えられない。それなら、残された時間を楽しんだ方がいいじゃないか。自分が絶望した時

          "終末のフール"(伊坂幸太郎)を読んで

          たゆたえども沈まず(原田マハ)を読んで

          芸術家の作品を多く描いている原田マハさんの「たゆたえども沈まず」を読んでみました。 以下、感想です。 ”19世紀後半のパリを舞台に、日本人画商とゴッホ兄弟の交流と彼らの抱えた苦悩を描いたフィクション作品。自分がこの本を読んでいて面白いと思ったのは、次の2点です。 ★ゴッホの弟にスポットを当てていた  「ひまわり」などの作品で有名なゴッホを中心にして作られた物語は多くあるけど、彼の弟を描いた作品は見たことがなかったから新鮮でした(自分に教養がなかっただけかもしれませんけど、

          たゆたえども沈まず(原田マハ)を読んで

          AX(伊坂幸太郎)を読んで

          伊坂幸太郎さんのAXを読みました。本作は、「グラスホッパー」、「マリアビートル」に続く殺し屋シリーズの第三弾です。 以下、感想です。 表の顔は恐妻家、裏の顔は凄腕殺し屋の主人公。 家族を愛し、幸せに過ごす彼は殺し屋家業から足を洗おうとするも、この決意によって窮地に陥る。 自由を得るために戦い続ける主人公を通して、「家族・人とのつながり」の大切さを訴えかけてくる作品。 伊坂幸太郎さんの作品”大切なことを”サラッと”伝えてくるものが多いが、この作品もご多分に漏れず、心に響く言葉

          AX(伊坂幸太郎)を読んで

          そして、バトンは渡された(瀬尾まいこ)を読んだ感想

          2019年の本屋大賞である”そして、バトンは渡された(瀬尾まいこ)”を読んでみました。以下、感想です。 ”子供が読むのか、独身の大人が読むのか、親が読むのかで見える景色や感想は異なる本だと思う。 この物語を読みながら、ふと、自分の人生を振り返ってしまった。自分が子供のころ、親はどんな風に自分を見て、教育してくれていたのか?大人になった今ならわかることもあるが、まだ理解できないこともある。自分が親になれば分かる日が来るのだろうか? 自分が親になった時に再読してみたい。読後の感

          そして、バトンは渡された(瀬尾まいこ)を読んだ感想

          世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)

          タイトルに魅かれて買ってみた。 以下、感想 論理的思考で差別化できる価値を生み出すことが難しくなった世界で、自身の「美意識」を磨くことの必要性を説いた本。 この本でいう「美意識」とは、「周囲の考えと独立した、自身の価値観」だと感じた。 確固とした価値観の形成には、多様な視点を手に入れる必要がある。それには、正解がなく、多様な解釈が許される「芸術」を嗜むことは有効だと思う。自分も揺るぎない価値観を形成したいものだ。でも、同調圧力に屈せず、周りと違う考えを持って、行動に移すの

          世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)

          仙台暮らし(伊坂幸太郎 著)を読んで

          伊坂幸太郎さんが大好きで小説は読んでいたんですけど、エッセーは初めて。 以下、感想です。 筆者が日常生活で体験したことを基に書いたエッセイ。伊坂幸太郎さんの小説はよく読むけど、エッセイは初めて読んだ。この本では、伊坂さんがとても臆病な人のように感じられた。臆病とは、あらゆる事態から様々なことを連想してしまうから、そうなってしまうのだと思う。臆病はマイナスに捉えられがちだが、想像力が豊かすぎるから臆病になったとも考えられないだろうか?想像力が豊かすぎて、臆病だからこそ、誰も

          仙台暮らし(伊坂幸太郎 著)を読んで

          大学の研究室生活での教訓

          はじめまして 私は、この春(2020年度)某大学の理系修士を卒業しました。 4月からは食品メーカーの開発職として働き始めます。 新社会人として働き始める前に、研究室生活を通して感じたことをまとめておきたいと思い、記事を書きました。 研究室生活は自分にとっては、苦しいことも多く、苦い思いででもありますが、今になって思うと、社会に出る前のいい経験になったのかなと思います。 研究室生活で学び、社会人でも大事だと思うことを中心に書いていきます。 学べたことは ①客観的に物事を伝える

          大学の研究室生活での教訓