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肩甲上神経について考えよう②

肩甲上神経の支配

肩甲上神経の支配は棘上筋および棘下筋です。しかし、実は肩甲上神経は肩峰下滑液包に自由神経終末として多く分布することを忘れてはいけないところです。

絞扼性神経障害

バレーボールで動作上肢の棘下筋の萎縮を認めることが多い。この場合の筋萎縮は肩甲上神経の絞扼によると考えられる。
肩甲上腕神経は肩甲切痕から上肩甲横靭帯をくぐって棘上窩に達する。そして棘上筋枝を分枝しつつ外側を走り、棘下切痕で内側に向きを変え棘下窩に達し、棘下筋に分布する。この走行の中、棘下切痕で絞扼されるものが上記運動で多いと考えられる。
バレーボールのスパイクや野球の投球動作で上肢を振り下ろす際には、肩甲骨が強く外転する。この時、肩甲上神経に対して棘下切痕で伸張刺激を加え、その繰り返し動作が絞扼障害につながると考えられている。

脂肪性結合組織

棘下窩外側から肩甲頸にかけて棘下筋は肩甲骨とは付着しない。この付着しない間には脂肪性結合組織(脂肪組織を含む疎性結合組織)が介在し、その中を肩甲上動脈・静脈や肩甲回旋動・静脈に由来する血管と肩甲上神経が走行する。脂肪性結合組織が介在することで、これらの血管と神経を保護するとともに、動作時に棘下筋の滑走を容易にすると考えられる。反対にこの結合組織に線維化が起こると滑走を妨げることとなる


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