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観たアニメ2021夏_その1

最近、放送中のシリーズから過去作を一気に辿ったり、春に見落としてた作品に手を出したりという機会が増えました。ここでは夏クールの新作アニメを中心に振り返ることにしていますが、追っかけた作品についても言及したいし、ひとつひとつののめり込みが強めだったし…とだいぶ長くなりそうなので、分割形式で失礼します。

あらためて、夏クールはダークホース含め引き込まれる作品が多かった印象を受けました。引き込まれすぎて沼に落ちた作品からいきましょうか…。

アイドリッシュセブン Third BEAT!

いつぶりかわからないくらいのハマり方をしているアイドリッシュセブン。入り口は3期でした。
アイドルものなのに全然歌わないし踊らない、出てくる人出てくる人しかめっ面してるし、なんだかメンバー同士でケンカが始まり寮を出ていくし、どのグループの周辺もどことなく不穏。私が、3期から見始めちゃったから?それにしても顔がいいな…などとぼちぼち追っているうちに、YouTubeで公開されているMV1曲ずつを別々の制作会社が手がけていることに気づいて感動し、それぞれの動きに引き込まれ、1〜2期を観て、ゲームアプリでその先のストーリーや曲を把握…と、見事に沼に落ちました。

アニメ版はゲーム版のシナリオを忠実に映像化しています。そもそものシナリオとキャラ造形が、とてもよくできているんだと思う。それに輪をかけてアニメ版は、演出と作画、音響のクオリティがとても高いのです。
些細な表情の変化や視線の動き、街灯のちょっとした点滅など、画面に映るものがすべて細やかな意図に基づいて設計されていることが観ているこちらに伝わる。小さな要素も一つずつ積み重なり不穏な空気がつくられていく映像、ずっと見応えがありました。その話数だけの特殊EDも多かったな。曲も映像も。

1クール最終回の折り返しで、TRIGGERが歌う通常エンディングが流れます。ただこのときだけ曲にSEが重なっていた上、最後の1秒足らず、すこーーしだけ音がフェイドアウトされていました。不穏の作り方が細かいんじゃーーー!!
そして本編の最後、ŹOOĻのデビュー曲に締めを奪われる…という一連の流れに痺れた。歌詞にもある(がテレビでは使っていなかった)「主役交代」をこんな形で表現するなんて。しかもこちらはライブ音源の作り込みにびっくり。音響のこだわりを浴びているうちに終わってしまいました。呆然。

はーーーーー、終始不穏だった。この気持ちで1月まで待つのか…まだつらい展開が続くのはわかっているけど、それでも楽しみです。

3期のPVを貼りますね。 ほぼ自分のためのMVまとめは、またの機会に改めてやります。


Sonny Boy

今期ダークホースその1でした。キャラクターを好きになれる作品は、心に残りますね。

江口寿史さんのキャラクターデザイン原案で漂流もの、という前知識のみで観始めたオリジナル。漂流の理由もそれぞれのキャラクターが持つ超能力の内容も、どんどん出てくる「世界」の仕組みも、ひとつもわからないのにずっとおもしろかった。説明もモノローグもほとんどないので、考えが及ばず謎のままになっている部分も多い。後半次々と出てくる寓話に関連があるかも明示されない。でも、主題の軸となったのはシンプルな成長譚だと感じました。
少年は少女に出会い、うまくいかない世界を自ら選んで歩き出す。2周観てなんとなくわかった気がするのは、「わからない」の多さ以上にキャラクターを好きになったからだと思うんです。瑞穂とやまびこ、ラジダニが好きだった。強い能力を持つのに好きな人に振り向いてもらえずイラついている朝風すら、その中学生らしさが愛おしい。

絵の具をベタ塗りしたような背景美術、特に、黒すぎて不安になるほどの真っ黒と青が印象に残りました。
あとは音楽!劇伴は1話につき1、2ヶ所しか使われておらず、それもミツメやなつやすみバンド、toeなどが書き下ろした曲というぜいたくさ。オープニングはなく、エンドロールと主題歌のみ。最終回を見届けた後、毎週聞いていたはずの銀杏BOYZ「少年少女」の歌詞が特に沁みた。

 作品のために書き下ろされたので、MVも作品とリンクしています。作り手の熱量。

かげきしょうじょ!!

今期ダークホースその2はコレ。いやーーーーーむちゃくちゃよかったです!!
関西にある歌劇団養成学校に入った少女たちのお話です。宝塚は全くの素人ですが観たくなっちゃうほど。実際に、元ジェンヌのキャストも数名いらっしゃいました。

シンプルな線や動きで淡々と進めていくかのように見せながら、ここぞというところで登場人物が心に秘めていたでっかい感情をぶつけてくるというギャップにやられた。普段はつい「動いてこそアニメ!」みたいな言い方をしてしまいますが、この作品のように淡々と掻っさらう作品があるからたまらないです…。主人公さらさ、ナチュラル天真爛漫憑依ガールかと思ってたらざっくり裏切られました。同級生たちの過去や葛藤も、知れば知るほど応援してしまう。

そして、見終わった後しばらくリフレインするエンディングをここでは推したいのです。
エンディング曲は基本、メイン2人のデュエット。ただ同級生メンバーも、同じメロディーを別の詞で歌います。それぞれのお当番回に合わせて歌詞も映像も変わるという力の入れよう。この歌がまたいいんです…今期のエンディング大賞。大好きだった。

寄り添い上を目指すコンビ、同じ道をきた上で個を見つめる双子、委員長であることと野心、自信のなさにつぶされそうな歌姫、そして3代目ジェンヌの孤独と努力。それぞれのストーリーと歌詞がリンクして泣けました。

↑メインの2人、さらさと愛

↑キャラもキャストも双子という娘役デュエット。

↑学力1位の委員長と、歌唱力1位の山田さん。

↑サラブレッドの努力家・薫のソロ。彼女の話のあとにこれを観て泣いてしまった。

原作に手を出すか2期を待つか、まだ迷っています。今のところ、読んでしまいたい気持ちが優勢です。

やっぱり長くなったので

その2に続きます。ひょっとするとその3あたりまで行くかもしれません…。

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