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デイミアン・チャゼル監督が『ラ・ラ・ランド』の前に描いたドラマーの狂気。映画「セッション」

こんにちは。今回は『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督が『ラ・ラ・ランド』の前に製作した映画「セッション」を紹介します。

ジャズドラマーを描いた映画ですが、デイミアン・チャゼル監督自身が高校時代にジャズドラムに傾倒していたそうです。名門バンドに所属するほど才能を発揮するもスパルタ指導がトラウマとなり、ドラマーの道を断念。その後ハーバード大学で映画の道を進みますが、トラウマにうなされてきたそうです。

撮影中に交通事故に遭うも、翌日には復帰しわずか19日間で製作されました。制作費は3億円。

その監督のトラウマや事故といった苦難を乗り越えて描かれたのがこの「セッション」です。この映画はアカデミー賞に5部門のノミネート、うち3部門受賞という快挙を達成しました。

2014年・第30回サンダンス映画祭のグランプリ&観客賞受賞を皮切りに世界各国の映画祭で注目を集め、第87回アカデミー賞では助演男優賞ほか計3部門を受賞したオリジナル作品。世界的ジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマンは、伝説の教師と言われるフレッチャーの指導を受けることに。しかし、常に完璧を求めるフレッチャーは容赦ない罵声を浴びせ、レッスンは次第に狂気に満ちていく。「スパイダーマン」シリーズなどで知られるベテラン俳優のJ・K・シモンズがフレッチャーを怪演し、アカデミー賞ほか数々の映画賞で助演男優賞を受賞。監督は、これまでに「グランドピアノ 狙われた黒鍵」「ラスト・エクソシズム2 悪魔の寵愛」などの脚本を担当し、弱冠28歳で長編監督2作目となる本作を手がけたデイミアン・チャゼル。
2014年製作/107分/G/アメリカ
原題:Whiplash
配給:ギャガ
19歳のアンドリュー・ニーマンは、バディ・リッチのような「偉大な」ジャズドラマーになることに憧れ、アメリカ最高峰の音楽学校、シェイファー音楽院へ通っていた。アンドリューを男手ひとつで育てている父ジムも、良き理解者としてアンドリューを支えてくれている。ある日アンドリューが教室で1人ドラムを叩いていると、学院最高の指導者と名高いテレンス・フレッチャーと出会う。後日、アンドリューが学ぶ初等クラスをフレッチャーが訪れ、自身が指揮するシェイファー最上位クラスであるスタジオ・バンドチームにアンドリューを引き抜くのだった。迎えた練習初日、フレッチャーは開始早々バンドメンバーに罵詈雑言を浴びせはじめ、1人を退場させる。フレッチャーは一流のミュージシャンを輩出するのに取り憑かれ、要求するレベルの演奏ができない生徒に対し、人格否定や侮辱を含めた罵声や怒号も厭わない狂気の鬼指導者だったのだ。その矛先はさっそくアンドリューにも向けられ、ほんのわずかにテンポがずれているという理由で椅子を投げつけられてしまう。さらに他のメンバーの目の前で頬を引っ叩かれ、屈辱的な言葉を浴びせられると、アンドリューは泣きながらうつむくほかになかった。しかしアンドリューはこの悔しさをバネに、文字通り血のにじむような猛特訓を開始するのであった。

「セッション」はデイミアン・チャゼル監督が2014年に描いた映画で、2016年には映画『ラ・ラ・ランド』を製作しています。原題は「Whiplash」。意味はむち打ち症。「Whiplash」は劇中で何度も演奏されている曲でHank Levyが1973年に作曲した変拍子の難曲です。

この難曲「Whiplash」に超ハードなレッスンという意味の鞭と劇中の事故によるむち打ちの意味もかかっているようです(・∀・;)

この映画を見て、私は笑ってしまいました。
リズムをニーマンの頬にビンタすることで叩き込むフレッチャーの鬼スパルタ指導や徹底的な人格否定が続きます。次第にニーマンもジャズの深みにのめり込みせっかくつき合えた彼女を「偉大なドラマーになりたいから」とクズみたいな理由で振ったり、家族に好戦的な態度をとったりと、性格まで変わっていきます。

今の言葉でブラック部活?いちいちレッスンがブラック。私自身もバスケットボール部で経験は多少ありますが、ここまで徹底したスパルタではなかったなあ(・∀・;)

大事な演奏直前にニーマンは交通事故にあったことがきっかけでニーマンの緊張の糸が切れ、フレッチャーに掴み掛かります。それがきっかけでフレッチャーのスパルタが明るみにでて、フレッチャーは失脚。ニーマンはドラムのない生活を過ごします。

ある日ニーマンはジャズクラブでピアノを弾いているフレッチャーに再会します。そこでフレッチャーが指揮するバンドで大舞台であるJVCジャズフェスティバルの出演を誘われます。

ラストシーンはJVCジャズフェスティバル。
始まったのはニーマンの知らない曲。フレッチャーは失脚の原因がニーマンの密告であることを見抜き、当日の曲をニーマンに正確に伝えていなかったのです。一曲目をボロボロで終え、フレッチャーから「お前には才能がない」と言われステージを降りるニーマン。ステージ袖で待っていた父に優しく帰ろうと促されますが、その言葉を聞きステージへ戻ります。

フレッチャーの2曲紹介を遮りニーマンはドラムを叩きはじめ、曲順を無視してキャラバンへと煽動。完璧なドラミングでステージを支配します。次第に本物のドラマーを前にフレッチャーも「それだ」と言わんばかりの表情で指揮をとります。フレッチャーの表情を見てニーマンも嬉しそうな表情を見せこの映画は終わります。

最後はまるで厳しい父親に認められて喜ぶようなシーンが印象的でした。

うーん、スパルタシーンに嫌悪を覚える方はみると辛いのかもしれません。私はフレッチャーやばい奴だなウケる( ̄▽ ̄)くらいの感じだったのでドラムやバンドのシーンも興味深く見れました。


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