au_temps_jadis_

好きなものは、黄瀬戸、織部、志野、唐津。古筆、禅語。額縁庭園。京都、大阪。Mozart…

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好きなものは、黄瀬戸、織部、志野、唐津。古筆、禅語。額縁庭園。京都、大阪。Mozart、Bach。Pat Metheny。山廃、生酛、ビオ、ノンチル。鱧、モロコ。古今和歌集。青もみじ、紅枝垂桜、萩、紫式部、大山蓮華。

最近の記事

京都 天色(あまいろ)の照り返し ねねの道~石塀小路

長かった梅雨も明け、今年も暑い夏がやってきました。真夏の京都は観光シーズンとは違った趣があります。もちろん地元の方々も夏の昼間に散策などしません。それでも京都好きは、昼間も少し京都の風情を感じたいもの。熱中症に注意しながら真夏の京都を楽しみましょう。 京都 洛東 高台寺前の石塀小路は石畳が敷かれた細く曲がりくねった一角で、京の風情を色濃く残す小道です。盛夏の正午は酷暑ゆえ、この辺りを散策する観光客は疎ら(まばら)です。高台寺の門前 ねねの道も同じ。人影まばら。皆さん室内で涼

    • 上賀茂神社 ~ならの小川~

      賀茂別雷神社(かもわけいかづち神社)、通称 上賀茂神社(かみがも神社)は、世界遺産にも登録される京都を代表する神社の一つです。 夏の盛り、蝉の聲(こえ)が鳴り響く頃、一の鳥居をくぐり、強い日差しを遮る樹々の無い開けた境内を、右手に枝垂桜の銘木 斎王桜・御所桜を目にしながら通り過ぎ、馬場殿(重要文化財)を右に折れてすぐその場所に、清らかな清流「ならの小川」が流れています。小川の周辺は樹々も茂り、先ほどまでの強い照り返しも無く、ほっと一息つける場所となっています。 『風そよぐ

      • 京都 蘆山寺 桔梗の寺

        大暑、梅雨明けの今頃、桔梗を楽しめるお寺が京都にあります。天台圓浄宗 蘆山寺(ろざんじ)、御所の東、寺町通り沿いに佇むお寺です。 祇園祭の山鉾巡行で街が賑わう中、今出川にほど近い寺町通りに位置するこちらのお寺には、源氏庭と名付けられたお庭があります。平安様式の浄土式庭園のような立派な池や島はありませんが、細長く交互に入り組んだ白砂の海と苔の島が極楽浄土の景色を表しているように感じます。 青苔(せいたい)の島の上には桔梗が咲き誇ります。涼しげな青みを帯びた紫、桔梗色と言われ

        • 雑節 半夏生(はんげしょう)

          7月初旬、夏至を過ぎた今頃、雑節「半夏生(はんげしょう)」と呼ばれる暦日を迎えます。 半夏生は梅雨のいま頃、葉の半分を白く化粧し(半化粧)、池泉(ちせん)庭園に純白の彩を与える多年草です。ヒトリシズカ、フタリシズカといった春の野山に観る山野草にも似ていますが、種属科目もこれらとは違い、池の周り等の湿地のような環境を好みます。 京都では祇園にほど近い建仁寺両足院が毎年今の時期に庭園の特別公開をしています。 半夏生には梅、桜、山吹、藤といった華やかさ、艶やかさは全くもってあ

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          京都 〜梅雨と青もみじ〜

          京都は桜の季節と紅葉の季節に観光のピークを迎えます。梅雨の時期、祇園祭も始まらぬ頃、青もみじの鑑賞には丁度良い静かなお寺巡りを楽しめます。 瑞巌山 圓光寺は臨済宗南禅寺派の禅寺で、額縁庭園を訪れた人々の心を和ませる尼寺です。 徳川家康が学問発展のために伏見に圓光寺を建立したのがはじまりで、貞観政要などの多くの木活字の書籍を刊行したといわれています。 訪れる人が絶えないお寺ですが、梅雨の時期は観光の方々も少なく、青もみじを静かに眺めるには丁度良い季節です。 お庭は冒頭の

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          京都 三室戸寺 ~紫陽花と大山蓮華~

          紫陽花(アジサイ)の寺で有名な三室戸寺は、6月になると多くの観光客を迎えます。宇治市に佇むこのお寺は京都を代表する寺院で、西国十番の観音霊場でもあります。 京阪電車中書島駅で宇治線に乗り換え程なく乗ると、終点宇治駅ひとつ前の三室戸駅に着きます。本堂に至るまでの参道沿いには、色とりどりの紫陽花が咲き誇り、訪れた参拝客は、山門近くの紫陽花で埋め尽くされた斜面を、川下りの小舟のように行き交います。 参道の突き当り、石段を登り終えた先には本堂、その右側には三重塔が佇んでおり、こち

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