樋口楓年表編纂者が語る「2023年樋口楓10大ニュース」

皆さん、こんばんは。ジョン・オービンです。普段は樋口楓さんの動画内容をひたすらメモした樋口楓年表を作っています。

この10大ニュースの記事も、今回で6年目です。
もし小学校6年生の1月からにじさんじを見出した人がいたら、今は高校3年生で就職や受験の時期のはず。そう考えると、随分と時間が経ったように感じます。樋口楓さんは相変わらず17歳ですが。

この記事では、2023年に起きた印象深かった出来事を10個あげて2023年の樋口楓さんを振り返ります。
年末年始に、もし暇を持て余している方がいらっしゃいましたら、どうぞお付き合いください。

1. 記念日グッズ発売(2/9)

2月9日に樋口楓 記念日グッズが発売されました。
楓さんはにじさんじでは珍しい「誕生日がない(思い出せない)」ライバーで、これまでの5年間、誕生日グッズを発売していませんでした。その代わりとして、デビュー日である2月9日に記念日グッズを発売することになりました。

ちなみに、楓さんのデビュー日については、

  • 1月31日:Twitterの初ツイート日

  • 2月5日:初めてTwitterに動画を上げた(声を乗せた)日

  • 2月9日:ミラティブでの初配信

と色々候補があるんですが、1周年を祝う際にファン側で2018年2月9日をデビュー日としたため、それが定着した形になっています。これもファンとともに作った記念日と言えるでしょう。

2. Vtuber最協決定戦優勝(3/13~4/15)

2023年前半で一番大きかった出来事と言えば、これだと思います。

ぶいすぽっ!の胡桃のあさん、兎咲ミミさん、コーチとしてみこだよさんを加えたチーム「メープルナッツバニーだよ!」で、Vtuber最協決定戦に出場。見事優勝を勝ち取りました。

楓さんがAPEXを初めて配信で行ったのは、2019/05/26のコラボ配信【APEX】混沌のJK組【ASMR】。当時楓さんはFPSゲームはほぼ配信でやったことがなく、話題になっていたAPEXも触っていませんでした。
2020年から本格的にAPEXを始め、2020/12/27にはCRカップにも出場。その後も、大会には何度も出場しますが、優勝は果たせませんでした。
ただ初出場の2020年のCRカップでは、楓さんの代名詞ともランパートは使っていませんでした。弱かったので。

楓さんといえば、ランパートとLスター。この二つの代名詞は、2020年からずっと使い続けています。
しかし、ランパートについては最初から使いこなしていたわけありません。むしろ、楓さん本人が「一般人」と呼んでいたように、初期のランパートは使いづらく、楓さんはほとんどアビリティを使わずに戦っていました。
Lスターについては「強い」と周りに勧めるのですが、ランパートについては一貫して「弱い」と言っていました。
実際、V最協2023直前の配信まで、楓さんはあまりランパートをうまく使いこなせていませんでした。

そんなランパートの実力とは裏腹に、あるいはランパートが弱いからこそ、世間では「樋口楓=ランパート」というイメージが定着していきます。
楓さん自身も、この評価を少し重く感じていたのか、出場する大会のたびに「本当にランパート使っていいの?」とチームメンバーに聞いていました。

そして、迎えたV最協2023。
数々のアップデートによりランパートは大幅強化。プロシーンさえ見かけることはありませんでしたが、一定の強さがあると知られるレジェンドに変貌を遂げました。
「ランパート専」のみこだよコーチを迎え、猛特訓した楓さんは大会出場者で唯一のランパート使いとして活躍。見事にランパートを使いこなして、優勝を果たしました。

優勝インタビューで「やっぱり、APEXはランパートでしょ」と答えた楓さんが印象的でした。
ここに楓さんとランパートの物語が一つ完結を見たのではないかと思います。

3. 七次元生徒会始動(4/5~)

2023年は叶さんが発起人として始まったライバー主導のユニット七次元生徒会が始動しました。
毎週水曜日に、何かのコンテンツを配信する形式で、学校を舞台にしたマンガやゆるい雰囲気の動画があがっています。

にじさんじフェス2023では、オリジナル楽曲が2曲発表されるなど、今後も盛り上がりが予想されるグループになっています。

同じランティス所属の叶さんや、2022年のにじさんじ甲子園でつながりがあったレオスさんなど、楓さんとは一定のつながりはあるけど、そこまで交友が深くないメンバーが多かったのですが、この七次元生徒会を通じて仲良くなったようです。
特に、周央サンゴさんとは仲良くなったようで、にじフェスでは「ハイチュウを半分こ」したり、と仲のいい様子が伝わっています。

4. ちゅりゅーんカスタム開催(5/6)

仲良しの夜見れなさん、魔使マオさんとともにAPEX Legendsの大会を開催。
にじさんじの国内ライバーだけでなく、ENなど海外ライバーも参加した大会となりました。

各マッチでチャンピオンを取ったチームには優勝賞品として、「steamのゲーム」「お菓子詰め合わせ」「樋口楓さんによる名前呼びA/S/M/R」のいずれかが用意されていましたが、チャンピオンを取ったチームの全員が「名前呼びA/S/M/R」を指定しました。
ENのSelenさんも、楓さんのA/S/M/Rを聞いて大変喜んでいました。いよいよ楓さんのA/S/M/Rもワールドワイドになったようです。

これまで楓さんは主に大会に参加する側で、主催者側としてゲーム大会にかかわるのは、これが初だと思われます。

5. 楓と美兎の入れ替わり配信(6/9)

突然行われた奇妙な配信です。
楓さんと美兎さんが質問に答えていく、一見普通のコラボ配信ですが、終始違和感が漂います。その後、徐々に楓さんがとんでもないことを口走り始め……
というところで、実はそれぞれがAIによって声を変え、入れ替わって配信していたことが明かされます。

特に告知なく、いわばリスナーへのドッキリとして、このような配信が行われるのは、この二人らしいと言えるでしょう。
似たような配信として、楓さんとクレアさんが入れ替わった配信もありました。こちらは声を替えず、そのまま配信していましたが、告知なしで始まったのは同じでした。

この配信で、楓さんに扮した美兎さんが演じた「女性声優に異様に固執する樋口楓」というネタが強烈な印象を残しました。その後、楓さんは「女性声優」というワードがトラウマになってると語っています。

6. にじさんじ甲子園出場(7/1~8/13)

今年もやってきた熱い夏の大会、にじさんじ甲子園2023に出場。

2022年は選手としての出場でしたが、今年は監督して参加。
公式では「帰ってきた鬼監督」というキャッチフレーズが付きました。

2023年のにじさんじ甲子園のチーム作りは、最初から難航。不運も重なり、厳しい状況でしたが、後半は栄冠ナインについて再度学びなおし、栄冠ナイン内の最終年で、見事甲子園優勝を果たしました。

にじさんじ甲子園本選では残念ながら成績が振るいませんでしたが、本気で取り組む姿が印象に残った大会でした。

7. 三D発売&発売記念イベント開催(9/6)

ドラマ「量産型リコ -もう1人のプラモ女子の人生組み立て記-」のオープニングテーマ「ぶっとんでラニカイ」、ゲーム「すだまリレイション」のテーマソング「Around the bizarre world」、アニメ「英雄教室」のオープニングテーマ「Bravery? Naturally?」の三曲が収録されたCD「三D」が発売。

それに加えて、発売記念イベントとして7/23に大阪でリリースイベント、9/5、9/6に池袋サンシャインシティの噴水広場でのライブイベントが行われました。

実写ドラマ、ゲーム、アニメという異なる三つの分野でのテーマソングを担当。大阪でのリリースイベントでは、2Dの姿でファンと直に交流しサイン会を実施。噴水広場では、熊田茜音さんやTRUEさんというリアルアーティストと共にライブ。
と、楓さんのアーティストとしての目標である「次元の壁を壊す」にふさわしいCDとイベントになりました。

8. 声帯手術のため配信休止(10/6~11/19)

10月上旬に、以前より患っていた声帯結節治療の手術を行いました。
手術後、数日は文字を見たり音楽を聴くのも禁止。その後も長い間、声が出せない、または大きな声を出せない期間が続くため、1か月以上にわたって配信を休止することになりました。
楓さんはデビューして以来、ほとんど休止期間なく活動を続けており、長くても連続で休む期間は1週間程度でした。1か月以上の長期休止は初となります。それだけに、にじさんじ内でも話題となりました。

しかし、実際に休止期間に入ると、事前に貯めておいた動画や写真などを毎日のように投稿。さらには(無言で)配信に出る場面もありました。
休止期間44日のうち、何も投稿や出演がなかった日は6日だけで、ほぼ活動期間中と同じぐらいの露出が続きました。
休止期間中、忘れ去られることを極度に恐れていたようで、事前にかなり撮り貯めをしていたようです。

休止期間中、楓さんは随分と気持ちが沈んでいたようで、よく泣いていたと復帰後の配信で語っています。
普段はにじさんじ内でも活動量が多く、「働きすぎでは?」と心配される楓さんですが、逆に休んだ時、何もしていない時の方が不安定になることがわかった期間でもありました。

9. 勇気ちひろ卒業発表(12/12)

楓さん自身の出来事ではないかもしれませんが、やはり楓さんに大きなインパクトを与えた出来事に違いはないので入れさせていただきました。

2023/12/12に、にじさんじ一期生の勇気ちひろさんが、2024/01/31をもってにじさんじを卒業することを発表しました。
楓さんにとっては、家族同然に思っていた一期生の一員であり、最初期からコラボを重ねた戦友であり、何度もオフラインで会って気兼ねなく話せる友人でありました。

楓さんは休止期間中に、卒業の話を本人から聞いていました。本来であれば、卒業は公式発表までライバーにも伏せられるのですが、一期生についてはちひろさんの意向で、先に知らせることにしたそうです。
その後の約一か月間、楓さんは様々な人に掛け合い、ちひろさんの卒業を思いとどまらせるために、発表の前日まで駆け回ったとのこと。ただ、ちひろさんも1年以上前から考えていたことであり、翻意は難しく卒業の発表となりました。

これを書いている私自身も、あらゆることは不変ではないと知りつつも、どことなく一期生は変わらぬ存在であるように思っていたので、驚いています。

ある意味で、この5年と10か月に渡る楓さんの活動の中でも、最も衝撃的な出来事だったかもしれません。

10. にじさんじフェス2023に出演

12/22のにじさんじフェス前夜祭、12/23のDay1、12/24のDay2と三日間にわたって行われたにじさんじフェス2023に出演。

楓さんは、まず前夜祭の1曲目から登場。まさしく、にじさんじフェス全体のトップバッターを務めました。
さらに、Day1ではハンドベル部として出演。
Day2には、にじさんじ吹奏楽部、七次元生徒会としてステージに出演。閉会式はJK組として出演し、にじさんじフェスの最初から最後までいたことになります。

他にも、私物・私服展示コーナーの企画を担当。ライバーの私物に一つずつコメントをつけていました。
フードコートでは、コラボドリンクの「楓と美兎~ジンジンじょぼじょぼ編~」というネーミングを考案。ある意味で、話題になりました。
タロットカードの読み上げ、着ぐるみステージには楓さんの着ぐるみがいたり、ガレリアのブースには等身大パネル、会場内に様々な落書きなど、にじさんじフェスのあらゆるところに現れました。
楓さんの活動量と幅には、いつも驚かされます。

前夜祭のリハーサル時、「でっきこないをやらなくちゃ」の間奏部分でスタッフに対して「これからも大変だと思いますが、にじさんじ一緒に盛り上げていきましょう!」と煽りを入れて、スタッフから感謝されたというエピソードも楓さんらしくて印象的でした。


2023年を振り返って

毎年のことですが、今回の10大ニュースとして取り上げなかったことでも、多くの印象的な出来事がありました。
健屋花那さんの主催で行われた「カタシロ」。Jリーグとのコラボでガンバ大阪を担当し現地観戦。壱百満点原サロメさんとのコラボ動画で衣服関連の企画が多いのも印象的でした。
長く続けているラジオ番組THE CATCHは100回を超え、休止期間で一時中断しましたが、2024/01/05から復帰が決まっています。

にじさんじ内では、一期生はもちろん、夜見れなさん、星川サラさん、壱百満点原サロメさんなど、去年から交友があった方々に加えて、七次元生徒会やにじさんじフェス前夜祭で一緒になった方々とも交友を深めました。
一方で、燦鳥ノムさんぽんぽこさんといった昔からの外部Vtuber仲間とのコラボもありました。

今年を振り返ると、「樋口楓の続けてきた努力が実った年」だと思います。それは、長く続けてきたAPEXのV最協優勝であったり、次元の壁を壊すイベントとしてずっと企画していた三Dのリリースイベントであったり、常ににじさんじの先頭を切って走ってきた経験値からくるにじさんじフェス前夜祭のステージパフォーマンスであったり。
にじフェスの吹奏楽も、ある意味、子どものころからの努力の成果ではあります。

七次元生徒会といったグループ活動へ誘われることも、ちゅりゅーんカスタムといった大会で多くの人が集まるのも、幅広い交友関係を持ち、常にその中で信頼を築き続けてきた努力の結果と言えるでしょう。

そういった過去の積み重ねからくる安定の一方で、勇気ちひろさんの卒業などの変化や手術による休止など、不安定な面も見えた一年でした。

バーチャルライバーが「私たちと同じ時間軸を生きている」以上、必ず変化は起きます。
2023年には、ハードロックバンドの「KISS」が3Dアバター化して「永遠の命を得てバンド活動継続」というニュースもありました。
しかし、バーチャルライバーも同じくバーチャル上の身体を持ち活動していますが、それはアニメキャラクターのように「別の時間軸」を生きる存在ではなく、むしろ「同じ時間軸」を生きる「有限な命」だと思います。
ファンと同じ時間軸を生きるからこそ、相互に交流が出来、「あの時のライブは~」なんて記憶を共有することができる。それがバーチャルライバーの大きな強みであると、私は思っています。

この先、樋口楓さんに、にじさんじにどのような変化があるのか。時に変化を祈り、時に不変を願いながら、常に期待と不安の入り混じった気持ちです。
しかし、変化があるからこそ、記録し記憶する価値があるのだと、変化を否定せずに、今後も楓さんを追い続けたいと思います。


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