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ミニショーMCと剣舞「大楠公」

今日の稽古で久しぶりにミニショーのリハーサルをしたが、MCがロングショーのものをそのまま使っているところがあり、やや違和感があった。ミニショーの内容自体はいずれの剣舞師も板についてきたので、MCでもう少し工夫をして、お客様がさらに没入できるものとしたい。

また、育休から復帰した女性剣舞師が、そろそろ復帰後1年になるので、リハビリ期間を終えて再度舞台に立てるよう稽古を重ねている。コロナ前は「四十七士」を舞台用の演目としていたが、今年は「大楠公」を選んだようだ。

大楠公というのは楠木正成のことで、鎌倉末期から南北朝期にかけて活動した武将。天皇に忠義を尽くした人物として、時代や見方により様々な評価が行われている。「大楠公」という呼称も、その数ある評価の一つである。

剣舞界で「大楠公」と言えば、徳川景山(光圀)の漢詩になる。

豹は死して皮を留む 豈偶然ならんや
湊川の遺跡 水天に連なる
人生限り有り 名は尽くる無し
楠氏の精忠 万古に伝う

豹は死して皮を留め、人は死して名を留めるというが、人が名声を後世に残すのは決して偶然ではなく、忠節を全うすれば、永く人々の心に残り、忘れられることがない。南朝の忠臣大楠公が戦死を遂げた湊川の遺跡に来てみれば、川の流れが天に連なって、今も昔も変わりがない。 人の一生には限りがあるが、立派な人物の名声は永遠に尽きることがない。大楠公のような純粋な忠義の精神は、いついつまでも伝わって、忘れ去られることがない。

読み方と意味:公益社団法人 関西吟詩文化協会

時間に限りのあるショーで漢詩を説明するときはいつも苦労する。
中でも、漢詩には起承転結が大事とされるので、そのまま訳すと転句から話が繋がらなくなる。歴史背景をシンプルに説明しつつ、かつ、漢詩の味わいも伝えようとするのは難しい。

今回は、一旦、このようになった。

When an animal dies, it leaves behind its skin; when a man dies, he leaves behind his name. This is a statement from an ancient history book.

An elderly samurai in the 19th century composed a poem quoting these words about Lord Kusunoki, a 13th century samurai who fought with great loyalty.

The waters of the river where Lord Kusunoki was finally defeated and committed suicide seem to be connected to the universe. Just as the water of the river flows on and on, Lord Kusunoki's name will be passed on for a long time to come.

英語や歴史や漢詩に詳しい方、校正募集中です💦

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