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201 マンガ1122(いいふうふ) 感想

ネットでたまたま無料部分を読み始めて、知ったマンガです。1122 (いいふうふ) 渡辺ペコ先生。

「1122(いいふうふ)」は月刊モーニングtwoに連載されていた漫画です。30代の夫婦生活の有り様とそこに絡む婚外恋愛許可制などをリアルに描いた作品。
主人公の相原一子はフリーのWEBデザイナーです。一子には夫の二也(おとや)がいます。おとやは文具メーカーに務めるサラリーマンです。二人は結婚7年目です。子供はいません。一子にとっておとやは良き夫であり理解者であり親友のような関係でもあります。理想的な夫婦のように見えるのですが、実は二人はセックスレスです。
一子は長年のセックスレス状態から自分の性欲を「凪」と形容しています。一方のおとやはといえば浮気相手がいました。しかもそれは一子が公認していることでした。

1122 あらすじサイトより引用

夫とのセックスを拒否した妻が公認する形で、夫が外で既婚女性と恋愛をしているというストーリーです。 物語の最初から、こういう設定。巻が進むにつれ、どうしてこの夫婦がこうなっていったのかが明かされます。もう、面白いから、本編を読んで!!ですが、それぞれの登場人物の「性」が変化していく様子が描かれます。予想の斜め上をいく展開なのです。

いろいろな夫婦の「性」をどう考えるか?が主軸なのですが、考え方がとても新しい気持ちがします。銀婚式も過ぎたわたしから見るとね。

わたし自身は、結婚したら、他の人とはセックスしてはいけない、いわゆる、上野千鶴子先生がよくおっしゃっている「婚姻は,自分の身体の性的使用権を排他的に相手に独占させるという契約 」

と考えてきました。だから、自分の婚外恋愛はもちろん墓場まで持っていく覚悟ですが。。

結婚していても、自分の体は、自分のものであると、主人公いちこちゃんが宣言するシーン。

1122 3巻より

わたしの性は、わたしだけのもの。
このセリフが、まさに慧眼でした。。わたしにとっては。 夫婦でも、性の問題は、立ち入れないのです。

最近はもう少ないのかもしれないけど、夫がAVを見ることが許せないとか、そういう妻もいますよね。でも、性については、お互いに神聖不可侵なんだと思うんですよ。。もちろん、相手を尊重して、不快な思いをさせない、とか、配慮も重要ですが。。

海野つなみ先生の「逃げるは恥だが役に立つ」
という作品でも、主人公の森山みくりが
「私、森山みくりは、“愛情”の搾取に断固として反対します」という場面があり、多くの共感を得ました。
「結婚したら、好きな人のために無償で家事するのが当たり前になり、子供産んだら子供のために無償で人生捧げるのは当たり前になる」ということを、愛情の搾取と呼んだわけです。
いやーー、最近のマンガはすごいな!と、驚いたわけですが、わたしにとっては、この1122でのいちこちゃんのセリフは、同じくらいの驚きです。

出会えてよかったマンガでした。渡辺ペコ先生の他のマンガも読んでみたいです。


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