最初に、現在のDAW状況を整理しておきましょう。 ◇マスタートラックに仮の音圧上げプラグインがささっている →平均音量-3db~0db以内で編曲・ミックスを同時進行中です なおこのプラグインは後ほどバイパスするため 便宜上さしているだけの状態です ◇各トラック(バウンス前)にEQとコンプがささっている →EQは“削り方向”のみ処理済み、コンプレッサーは 音色ごとに値を調整して波形の凹凸を減らしています ◇音源内、またはプラグイン内で音色の音量を適正化している
前回までの記事でメロディとベースが確定しました。 普通はここからコード(和音)を決めていくと思います。 しかし、本技法ではその手順を踏みません。理由は 「対旋律・オブリガートが動きづらくなるから」です。 確かにコードが決まれば楽曲の雰囲気と流れが明確化し、 その後の作業が楽になるのは間違いありません。 が、その代償として主旋律以外の“印象的なフレーズ”を 随所に散りばめるのが難しくなるのです。 なぜなら“印象的なフレーズ”というのは 制約の少ない、自由な状態でこそ生まれや
現在、音源ごとのパン問題が解決したうえで マスタートラックに仮の音圧上げプラグイン、 個々のトラックにはコンプとEQがささっている状態です。 次に考えるべきは、楽器の配置。 すなわちパンニング作業の第二ステージですね、 何か特別なこだわりがない限り、 各種楽器の配置は以下が基本となります。 ※よく使われる楽器以外は役割で表記。 ◇MID (中央寄り) ベース バスドラム・スネア アンサンブル・コーラス・PAD系 メインメロディ(ユニゾン・ハモ) ◇SIDE (左右寄
※今回は前に書いた“音源のパン問題”が解決済みの前提で お話が進んでいきますので、予めご了承ください。 ―――――――――――――――――――――――――――― ミックスと一口に言いましても、以下の3段階があります。 1段階目:トラックの個別処理(パラミックス) 2段階目:全体の処理(2MIX) 3段階目:マスタリング これからそれぞれの段階について、 特にオーディオインターフェースや モニタースピーカーなどを使わずに (そこにお金かけなくてもDTMは成立します)
前回は“良い方向に進んでいけるような技法”というのを 最後に仄めかして締めくくりましたので、 さっそく言及していこうと思います。 まず、最初に原曲のメロディを書きます。 次にベースを足します(コード進行に合わせルートのみ)。 ここまでは『アレンジの話②』と同じ内容ですね。 が、この後の手順が異なります。 今回は第1段階として、次の内容をご紹介いたします。 ■ベースを歌わせる まだ楽曲に2音だけしかないこの段階で、ベースアレンジを始めます。 あらかじめ打っておいた各小節の
無料音源につきましては、少し調べれば 有益な情報がたくさん出てくると思うので割愛します。 まあ、本当は現役で使ってるサウンドフォントとか 紹介したいのですけれど、どれも10年前くらい入手したもので リネームもしちゃってるので……正直出処を覚えていません(謝罪) というわけで有料音源の話題でいきます。 例によって音源は“加工前提”であり、 演奏方法が多彩か、入力がしやすいか、表情が豊かか の三点が選ぶ際のポイントになります。 そこを踏まえ、楽器ごとのオススメ、というよりも 私
前回、編曲を始める際にピアノから着手する場合の 手順やメリットついて言及しました。 その途中で“大きな短所”があると書きましたので、 今回はそこから切り込んでまいります。 まず、同じピアノロール内で全ての音が俯瞰できると より音楽的なアプローチが可能になると説明しましたが、 これは裏を返せば、声部を意識した クラシカルな編曲には不向きということです。 とりわけオーケストラみたく、横の流れ、 全体の響きを重んじる和声的なアレンジにおいては かなり不利に働くので、避けた方が無
イラストでいうところの“線画”のような感じで、 私はアレンジをする際に 最初ピアノで下書きをつくる場合が多いです。 なぜピアノなのかといいますと ・楽器の中で最も音域が広く、これ単体で低~高音域まで書ける ・↑ゆえに曲の雰囲気・方向性を決定しやすい ・書いてる最中は他のことを考えなくていい(集中できる) 上記三点が大きい理由ですね。 楽器やトラックを分けて、それぞれを行ったり来たりしながら ああでもない、こうでもないと声部を意識して書くよりも 同じピアノロール内ですべ
優れたメロディとは何か。 私なりの見解を示しますと、以下の3点があるかがポイントです。 1.印象に残る(ふとした時に鼻歌になる)フレーズ 2.起承転結 3.他の音に引き立ててもらうための余白 1については、誰もが目指しているところだと思います。 ではそのようなフレーズを書くために 作曲家は何をするべきでしょうか? これ、意外と難しく考える必要はありません。 答えはずばり、“実際に口ずさんでみること”です。 ハミングでも母音でもいいので、とにかく歌ってみる。 そうすると、
※今回はいつも以上にふわっとした内容です。 オカルト話だと思って適当にお読みください。 歌モノはそのアーティストの音域によって メロディの最低音と最高音が決定されます。 最高音は表情が出やすいので、サビで用いて インパクトを強くするのが定石ですね。 これは基本的にインストでも同じで、 主旋律を担当する楽器の音域に合わせて曲を書きます。 一方、歌とインストで明確に違う部分もあります。 それは“音色としてのエネルギー量”。 人間の声って非常にパワーがあるんですよ。 なぜなら
すごく基本的なところから始めますと リズム楽器のなかにも音程が存在します。 ティンパニなんかわかりやすいですね。 ちゃんとチューニングしてあげないと 全体の響きが台無しになってしまうため ここは最初に考慮すべき点でしょう。 まあドラム音源なんかはプリセットで使う人が多いでしょうし 直で使用しても実際問題そこまで悪影響はないのですが それでもやっぱり、あらかじめベストの音程を探っておく方が 最終的な仕上がりの説得力が増すと思います。 さて、音程をクリアしましたら次は帯域別の
※読み返したら誤解しか生まなそうな 文章になってたので修正させていただきました。 ―――――――――――――――――――――――――― 作編曲に重きを置いているDTMerなら 「これが主軸じゃないんだけどな……」と言いたくなる。 それがミキシング、いわゆるミックスというやつです。 その道のプロに君臨している“エンジニア”さん達には どうあがいても届かないことをわかった上で それでも自分なりに高めていかねばならない技術 (しかも奥が深すぎて泥沼に陥りやすい分野)なので、 中
引き合いにコード進行のお話をまじえながら語ります。 音楽理論というのは、まあなんといいますか ドミナントとかトニックとかああいうやつです(適当) 現代の音楽理論って、むかし重んじられていた禁則だらけの和声、 つまりクラシック的な着想・発想からどんどん発展していって、 やがて「こういうのも実はいいんじゃない?」とジャズ方向に拓き より即興性を重視した結果、生まれたものと私は認識しています。 ただどんな理論であっても“人間が耳で聴いたときにどう感じるか” を体系的に示そうとし
編曲の心得① 心得なんて書くと、なんだか大袈裟ですね。 たぶん当たり前に感じるようなことしか書かないので 肩の力を抜いてお気軽にお読みください。 まずは音域。 いかんせん、楽器ごとに“得意とする音域”というものがあります。 逆にちょっと無理しなきゃ鳴らせない音、そもそも鳴らない音もある。 とりわけ生音系の楽器は、この点を意識して作業に取り掛からないと 2MIXまで行った段階で「おやおや?」と違和感の原因になりがちです。 まあ最近の音源は“不自然”な音域を端から収録していな
DTMには不可欠の音源について語っていきましょう。 今回も最初に持論を展開しますが、 音源ってそのまま使うことがほぼありません。 これは売る側も、買う側もそうですよね。 販売元が提供しているサンプル音源とかは、 その音源をより良く聴こえるように調整されてます。 当然 私たち作り手側も、作品をつくって公開しようと思ったら、 何かしらの調整を入れた上で発表するのが普通です。 EQ・コンプはもちろん、数多のエフェクターで音作りして 最後はマスタリングで仕上げるわけですからね。
良いアレンジとは何か(自分で作曲してない場合の話です)。 編曲されるかたなら、一度は考えたことがあると思います。 前回の記事でメロディの重要性を書いたので それを踏まえて私なりの定義をさっくり書きますと、 良いアレンジ=メロディを大切にしていることです。 もちろん大胆にメロディ変えるやり方もあるでしょう。 でもアレンジって、そもそもメロディありきなんですよね。 先に作曲があって初めて編曲が成立します。 なのにその作曲部分を思い切り変えたら、 編曲のなかで作曲することになっ