Entue

音楽サークル Aula Fonsで活動しています。 DTM歴は15年ほど(ガチり始めて…

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音楽サークル Aula Fonsで活動しています。 DTM歴は15年ほど(ガチり始めてからは10年くらい)。 もっぱらゲーム音楽のインストアレンジを制作してます。 自由な編曲スタイルに定評があったりなかったり。 “Entueにしか出せない音”をモットーに邁進中。

最近の記事

ミックスってどうやったらいいの④

最初に、現在のDAW状況を整理しておきましょう。 ◇マスタートラックに仮の音圧上げプラグインがささっている →平均音量-3db~0db以内で編曲・ミックスを同時進行中です  なおこのプラグインは後ほどバイパスするため  便宜上さしているだけの状態です ◇各トラック(バウンス前)にEQとコンプがささっている →EQは“削り方向”のみ処理済み、コンプレッサーは  音色ごとに値を調整して波形の凹凸を減らしています ◇音源内、またはプラグイン内で音色の音量を適正化している

    • アレンジの話⑤

      前回までの記事でメロディとベースが確定しました。 普通はここからコード(和音)を決めていくと思います。 しかし、本技法ではその手順を踏みません。理由は 「対旋律・オブリガートが動きづらくなるから」です。 確かにコードが決まれば楽曲の雰囲気と流れが明確化し、 その後の作業が楽になるのは間違いありません。 が、その代償として主旋律以外の“印象的なフレーズ”を 随所に散りばめるのが難しくなるのです。 なぜなら“印象的なフレーズ”というのは 制約の少ない、自由な状態でこそ生まれや

      • ミックスってどうやったらいいの③

        現在、音源ごとのパン問題が解決したうえで マスタートラックに仮の音圧上げプラグイン、 個々のトラックにはコンプとEQがささっている状態です。 次に考えるべきは、楽器の配置。 すなわちパンニング作業の第二ステージですね、 何か特別なこだわりがない限り、 各種楽器の配置は以下が基本となります。 ※よく使われる楽器以外は役割で表記。 ◇MID (中央寄り) ベース バスドラム・スネア アンサンブル・コーラス・PAD系 メインメロディ(ユニゾン・ハモ) ◇SIDE (左右寄

        • ミックスってどうやったらいいの②

          ※今回は前に書いた“音源のパン問題”が解決済みの前提で  お話が進んでいきますので、予めご了承ください。 ―――――――――――――――――――――――――――― ミックスと一口に言いましても、以下の3段階があります。 1段階目:トラックの個別処理(パラミックス) 2段階目:全体の処理(2MIX) 3段階目:マスタリング これからそれぞれの段階について、 特にオーディオインターフェースや モニタースピーカーなどを使わずに (そこにお金かけなくてもDTMは成立します)

        ミックスってどうやったらいいの④

          アレンジの話④

          前回は“良い方向に進んでいけるような技法”というのを 最後に仄めかして締めくくりましたので、 さっそく言及していこうと思います。 まず、最初に原曲のメロディを書きます。 次にベースを足します(コード進行に合わせルートのみ)。 ここまでは『アレンジの話②』と同じ内容ですね。 が、この後の手順が異なります。 今回は第1段階として、次の内容をご紹介いたします。 ■ベースを歌わせる まだ楽曲に2音だけしかないこの段階で、ベースアレンジを始めます。 あらかじめ打っておいた各小節の

          アレンジの話④

          音源のこと②

          無料音源につきましては、少し調べれば 有益な情報がたくさん出てくると思うので割愛します。 まあ、本当は現役で使ってるサウンドフォントとか 紹介したいのですけれど、どれも10年前くらい入手したもので リネームもしちゃってるので……正直出処を覚えていません(謝罪) というわけで有料音源の話題でいきます。 例によって音源は“加工前提”であり、 演奏方法が多彩か、入力がしやすいか、表情が豊かか の三点が選ぶ際のポイントになります。 そこを踏まえ、楽器ごとのオススメ、というよりも 私

          音源のこと②

          アレンジの話③

          前回、編曲を始める際にピアノから着手する場合の 手順やメリットついて言及しました。 その途中で“大きな短所”があると書きましたので、 今回はそこから切り込んでまいります。 まず、同じピアノロール内で全ての音が俯瞰できると より音楽的なアプローチが可能になると説明しましたが、 これは裏を返せば、声部を意識した クラシカルな編曲には不向きということです。 とりわけオーケストラみたく、横の流れ、 全体の響きを重んじる和声的なアレンジにおいては かなり不利に働くので、避けた方が無

          アレンジの話③

          アレンジの話②

          イラストでいうところの“線画”のような感じで、 私はアレンジをする際に 最初ピアノで下書きをつくる場合が多いです。 なぜピアノなのかといいますと ・楽器の中で最も音域が広く、これ単体で低~高音域まで書ける ・↑ゆえに曲の雰囲気・方向性を決定しやすい ・書いてる最中は他のことを考えなくていい(集中できる) 上記三点が大きい理由ですね。 楽器やトラックを分けて、それぞれを行ったり来たりしながら ああでもない、こうでもないと声部を意識して書くよりも 同じピアノロール内ですべ

          アレンジの話②

          メロディについて②

          優れたメロディとは何か。 私なりの見解を示しますと、以下の3点があるかがポイントです。 1.印象に残る(ふとした時に鼻歌になる)フレーズ 2.起承転結 3.他の音に引き立ててもらうための余白 1については、誰もが目指しているところだと思います。 ではそのようなフレーズを書くために 作曲家は何をするべきでしょうか? これ、意外と難しく考える必要はありません。 答えはずばり、“実際に口ずさんでみること”です。 ハミングでも母音でもいいので、とにかく歌ってみる。 そうすると、

          メロディについて②

          インストにおけるメロディ楽器の選定

          ※今回はいつも以上にふわっとした内容です。  オカルト話だと思って適当にお読みください。 歌モノはそのアーティストの音域によって メロディの最低音と最高音が決定されます。 最高音は表情が出やすいので、サビで用いて インパクトを強くするのが定石ですね。 これは基本的にインストでも同じで、 主旋律を担当する楽器の音域に合わせて曲を書きます。 一方、歌とインストで明確に違う部分もあります。 それは“音色としてのエネルギー量”。 人間の声って非常にパワーがあるんですよ。 なぜなら

          インストにおけるメロディ楽器の選定

          リズムへのアプローチ①

          すごく基本的なところから始めますと リズム楽器のなかにも音程が存在します。 ティンパニなんかわかりやすいですね。 ちゃんとチューニングしてあげないと 全体の響きが台無しになってしまうため ここは最初に考慮すべき点でしょう。 まあドラム音源なんかはプリセットで使う人が多いでしょうし 直で使用しても実際問題そこまで悪影響はないのですが それでもやっぱり、あらかじめベストの音程を探っておく方が 最終的な仕上がりの説得力が増すと思います。 さて、音程をクリアしましたら次は帯域別の

          リズムへのアプローチ①

          ミックスってどうやったらいいの① (2024.4.25改稿)

          ※読み返したら誤解しか生まなそうな  文章になってたので修正させていただきました。 ―――――――――――――――――――――――――― 作編曲に重きを置いているDTMerなら 「これが主軸じゃないんだけどな……」と言いたくなる。 それがミキシング、いわゆるミックスというやつです。 その道のプロに君臨している“エンジニア”さん達には どうあがいても届かないことをわかった上で それでも自分なりに高めていかねばならない技術 (しかも奥が深すぎて泥沼に陥りやすい分野)なので、 中

          ミックスってどうやったらいいの① (2024.4.25改稿)

          音楽理論①

          引き合いにコード進行のお話をまじえながら語ります。 音楽理論というのは、まあなんといいますか ドミナントとかトニックとかああいうやつです(適当) 現代の音楽理論って、むかし重んじられていた禁則だらけの和声、 つまりクラシック的な着想・発想からどんどん発展していって、 やがて「こういうのも実はいいんじゃない?」とジャズ方向に拓き より即興性を重視した結果、生まれたものと私は認識しています。 ただどんな理論であっても“人間が耳で聴いたときにどう感じるか” を体系的に示そうとし

          音楽理論①

          編曲の心得①

          編曲の心得① 心得なんて書くと、なんだか大袈裟ですね。 たぶん当たり前に感じるようなことしか書かないので 肩の力を抜いてお気軽にお読みください。 まずは音域。 いかんせん、楽器ごとに“得意とする音域”というものがあります。 逆にちょっと無理しなきゃ鳴らせない音、そもそも鳴らない音もある。 とりわけ生音系の楽器は、この点を意識して作業に取り掛からないと 2MIXまで行った段階で「おやおや?」と違和感の原因になりがちです。 まあ最近の音源は“不自然”な音域を端から収録していな

          編曲の心得①

          音源のこと①

          DTMには不可欠の音源について語っていきましょう。 今回も最初に持論を展開しますが、 音源ってそのまま使うことがほぼありません。 これは売る側も、買う側もそうですよね。 販売元が提供しているサンプル音源とかは、 その音源をより良く聴こえるように調整されてます。 当然 私たち作り手側も、作品をつくって公開しようと思ったら、 何かしらの調整を入れた上で発表するのが普通です。 EQ・コンプはもちろん、数多のエフェクターで音作りして 最後はマスタリングで仕上げるわけですからね。

          音源のこと①

          アレンジの話①

          良いアレンジとは何か(自分で作曲してない場合の話です)。 編曲されるかたなら、一度は考えたことがあると思います。 前回の記事でメロディの重要性を書いたので それを踏まえて私なりの定義をさっくり書きますと、 良いアレンジ=メロディを大切にしていることです。 もちろん大胆にメロディ変えるやり方もあるでしょう。 でもアレンジって、そもそもメロディありきなんですよね。 先に作曲があって初めて編曲が成立します。 なのにその作曲部分を思い切り変えたら、 編曲のなかで作曲することになっ

          アレンジの話①