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グローバルニッチGNT

製造業、いまから30年

 GNTは世界市場の特定領域でトップシェアを有する日本企業。過去3年以内に20%以上の世界シェアを占めた会社。ただ、中小企業は、10%以上のシェア確保実績があるものと定義。日本は過去、連統貿易黒字を達成するも、東日本大震災を境に赤字転落。2016年より黒字へ。当時比で黒字幅は縮小、製造業の構造変化もすすんだ。

グローバルニッチ

 2008年リーマンショック。国内企業は安い労働力を求め海外移転を。日本からの最終財(製品)の輸出量が減少、中間材(組立てに必要な部品や加工品など)が中国などの海外工場に向けて輸出されるようになった。こうして、サプライチェーン(部品等の供給体制)は国際化した。日本はサプライチェーンで高い競争力を持つ企業が多く存在します。とくに製造工程の上流部となる素材や中間財の製造において、技術力と独自性、厳格な品質管理などにより高い世界シェアを獲得しています。経産省のものづくり白書(2019年版)によると、日系企業が世界シェア60%以上を占めている素材部品,製品は270品目(全製品群の30%)であり、米国(124品目)、中国(73品目)、EU(47品目)に比べ最も多くなっています。このうち素材,部品関連は212品目であり、今の日本は素材や中間財の製造·輸出国に変貌していることがわかります。

 経産省は、2013年度に国内企業百社をGNT企業百選として表彰した。今年、特定分野で勝ち抜き、サプライチェーン上で重要な部・素材等を製造している等の企業に対して、GNT企業百選として113社を表彰。これら企業は世界シェア43%という実績がある。

ドイツのニッチ企業

 日本は年間80兆円ほどを輸出(世界4位)ですが、3位ドイツはどの倍輸出している。ドイツの国内総生産(GDP)に古める製造業の割合は、約20%で日本と同じ。しかし、輸出上位10%の(大)企業が輸出総額に占める割合は、日本が90%を超えているのに対してドイツは70%程度です。ドイツでは中小企業が輸出に直接貢献している。ドイツで世界シェアが3位以上又は欧州大陸で1位である中小の会社を「隠れたチャンピオンHidden Champions)」企業といい、販路を海外に求め、商社等を介さず直接交渉するなど、日本企業と異なる特徴を有する。日本企業は海外へ直接売込みに出ることには消極的で、親会社や商社等に頼る場合が多いようです。ドイツ企業は参考になる。経産省も後押している。

おわりに

 米国が中国の通信関連企業等の締出しを決め同盟国にも同調を求めるなど、経済環境が不透明となっている。国際サプライチェーン寸断が心配される。日本はWWⅡ前、工業は輸入素材や部材等に依存していた。1936年、対日禁輸が始まりサプライチェーンが寸断、日本は追い詰められた。製品等の製造に不可欠な素材や部材は、一つの戦略物資といえる。日本では、そうした物資が少なからず作られ輸出されています。