お悩み相談会での出来事について、ある本に書いてあったお話しですが(うろ覚えですが)、講師が「何か悩みを相談したい方?」と尋ねたところ、ハイ!と手を上げた方がいました。講師が「あなたの悩みは何ですか?」と尋ねると、「私の悩みは、私の息子のことなんです…」「そうですか、その悩みはあなたの悩みではありませんね、では受け付られません。次の方?」と言いました。次の方は「私の悩みは、嫁のことなんですが…」「それはあなたの悩みではありませんね。では受けつけられません。次の方?」…という調子だったそうです。

皆さん、案外自分の悩みではなく、家族や近親者、友人など、自分以外の人の悩みを自分の悩みのようになやんでいたりします。ためしに今悩んでいる悩みについて思い出してください。どうでしょうか?結構、他の人の悩みについて、悩んでいませんか。

息子が会社を辞めたいと言っていて心配、娘に彼氏ができなくて心配、夫がお酒好きで心配、嫁が家事をしないので家が散らかっていて心配、孫が勉強をいやがり成績が悪くて将来が心配、友人がうつ病になって心配…キリがないほど他の人の悩みを抱えていませんか。

自分は深く悩んで心配しているのに、意外や当の本人は案外現状を受け容れて淡々と前向きに暮らしていたりします。もちろん苦しんでいる時もありますが、ずっと苦しみ続けているのにも飽きてしまい、まあいいか、と受け容れて今できることに努力していたりもします。

その人の悩みはその人のもの。他の人はその人の悩みを取ってはいけません。その人の悩みはその人だけのもの。その人が悩むために与えられた試練です。試練に自力で打ち勝てたとき、あるいは試練をあるがまま受け容れて

前を向くとき、人は成長を手にします。試練なくして成長なし。試練は人を成長させてくれる肥料です。その苦しみを全人的な成長への試練にできれば

その人は人の痛みの分かる心豊かな人となり、もっと他の人々から慕われる人格者へと成長していくはずです。そうなれば、その人は孤独どころか、心の奥底から深く他人と関われる幸せな人となるはずです。

周囲の私たちが当人にしてあげてよいのは、温かく見守り続けることです。一緒に悩まないからといって冷たい人なわけではなく、その人の弱音を聴き

苦しいよねと共感し、それでも未来に希望を見いだせるように温かく励ませればよいのではないでしょうか。その人もその人の代わりに苦しんでほしいわけではなく、悩んで欲しいわけでもないと思います。一緒に苦しんだり悩まれたら、自分のせいでそんな思いをさせて…と心苦しくなり、悩みを打ち明けられなくなるでしょう。

ですから、あなたは他の人の悩みで悩まない。あなたはあなた自身の生活を思う存分エンジョイすればいい。あなたが楽しそうにしていれば、その人も悩んでいることがバカらしくなるでしょう。悩むより楽しんでしまえ、と。考え方から変えてしまうかもしれません。

息子は退職して貧乏になったけど、お金がないお陰で泥棒に入られる心配もなくなってよかった!娘は彼氏ができなかったお陰で、学業に集中できてよかった!夫はお酒好きだけど、夕飯を手抜きしても酒のつまみがあればご機嫌だから良かった!嫁が家事をしなくて散らかっているから、息子が会いに来てくれた時のために掃除や整理整頓に励みがでて、私の家がキレイでいられて良かった!孫は勉強は嫌だと言うが、好きな本は読む。きっと読書から人生を学んでいるんだから良かった!

…どうでしょう、なんだかもう悩めなくなりますね!

新しい今日をめいっぱい、幸せに生きましょう! 外へ出たら花を見て。

キレイですよ。