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【まとめ】ハプティクスデバイスやインターフェース開発の事例集

ハプティクスとは

ハプティクスとは、利用者に力、振動、動きなどを与えることで皮膚に対して触覚と呼ばれる感覚フィードバックを与えるテクノロジーです。
特にデバイスにおいては、触覚フィードバックを与えてくれるデバイスであり、文字通り、バーチャルな触感を人間に与えてくれます。
特にARやVRなど、バーチャル空間上に見えるオブジェクトに対する触覚フィードバックは、没入感を増長させることが判明しており、技術開発が盛んに行われています。

このような触感現象を再現するには様々な出力を用います。例えば振動を与えるために使用する音波だったり、押されている感覚を表現する圧力だったりが代表的ですが、実際に物体が動くことで触れられている錯覚を表現するなど、多様な研究事例が存在します。

今回のnoteでは、ハプティクスデバイスの開発事例を、今まで掲載した論文の中から選定し、5本紹介したいと思います。

ハプティクスデバイスの開発事例5選

MIT Media Labの研究チームが、ユーザーの心拍数(HR)に基づく触覚刺激による閉ループバイオフィードバックを提供する、手首に装着したモバイル心拍数レギュレーターであるambienBeatを開発し、その成果を2020年度のTEI会議にて報告しています。

カーネギーメロン大学の研究チームは、プログラムでロックできる引き込み式のワイヤーを使用して、手の個々の関節を3D空間で正確に拘束できる自己完結型の摩耗システムであるWirealityを開発し、その成果を2020年度のCHI会議に寄稿、Best paperに選定されています。

KAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology:韓国科学技術院)の研究チームは、0.3秒以内に最大14Nの移動重量をレンダリングできる2つの小型ジェットプロペラに基づいた、フォースフィードバックコントローラであるAero-planeを紹介しています。
研究における2つのユーザー調査を通じて、デバイスの使用中に仮想平面上のさまざまなモーションパスを認識して正しく認識するユーザーの能力を特徴付け、2つのVRアプリケーション(平面上の転がるボール、異なる形状とサイズのキッチンツールの使用)で使用した場合のコントローラーのリアリズムと没入のレベルをテストしています。

中国科学院らの研究チームが、マイクロフルイディクスを使用して触覚フィードバックのような振動をレンダリングできる、新しい皮膚上のハプティックインターフェイスであるHapBeadを提案し、研究成果を2020年度のCHI会議に寄稿しています。

EPFLの研究チームが、ソフト歪みセンサーを備えた空気圧アクチュエータを試作し、触覚フィードバックに対する閉ループ制御を実現したと報告し、その研究成果をSoft Roboticsに寄稿しました。

EPFLの研究チームは、双方向の触覚情報転送を可能にして、よりシンプルで応答性の高いウェアラブルインターフェイスを実現する、新しいソフト空気圧アクチュエータ(SPA)ベースのセンサー統合インターフェイス、SPAスキンを試作しています。

手や腕だけでなく、指先の部分までを対象に様々な検討がされているハプティクス技術は、今後VRやARの技術が更に浸透していった場合には、今までより更に重要なペリフェラルデバイスになりそうです。

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