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イタリア☆オリーブオイル産地ツアー⒂

オーガニックオリーブオイル「オルチョサンニータ」


2022年のコメント
 あれから10年、コンスタンチーノさんは70歳ですが、きっと幸せな余生を過ごされているかと思います。イタリアも政情はいろいろとたいへんそうですが、イタリアも共和国、人びとの人権意識や民主主義に対するこだわりが、日本に比べて遥かに高いですから。
 タイトルの写真は、我が家に在庫の「丘の上のポモドーロ」。

2012年12月5日
Signor コンスタンチーノのこと。

 「丘の上のポモドーロ」のアントニオさんの農家レストランで、彼の作ったワインとママンのごちそうを、たっぷりいただいて、本日の宿舎、この町の教会の宿泊施設へ向かいました。

 ここで、特筆しておかなければならないのは、最初にご紹介したバスの運転手・コンスタンチーノさんのことです。
 イタリアでは、素晴らしいことに、長時間労働が法律で禁止されています。ですから、チャーターしたバスの運転手さんの労働時間も、1日8時間までということになっています。ペンネからの長距離を移動してきたわけですから、モンテカルボの入り口に着いた時点で、すでに、規定の時間になっていました。本来は、ここでコンスタンチーノさんは、ご自身の宿泊場所へ行かれることになるわけです。しかし、思ったより時間がかかったアドリア海沿いの道でしたから、お日様との競争で、「丘ポモ」の畑に早く着かなくては、真っ暗になってしまいます。
 途中まで迎えに来たアントニオさんとコンスタンチーノさんが、なにやら大声でやりとりしてます。その様子はまるで、ミケランジェロ・アントニオーニの映画を見ているよう。
イタリア語はまったく分かりませんが、「通訳」します(笑)。

 「いいよ、いいよ、畑まで、俺が行ってやるよ。歩いてなんて行ったら、日が暮れちまうよ。それに、ディナーのあと宿舎まで、そんな乗用車で、数人ずつピストン輸送だって! そんなことしていたら、日付が変わっちまうよ! 俺がバスを動かすよ。そのかわり、夕飯は食わせろよ(笑)」

 ということで、私たちは、ぎりぎり日暮れに間に合い、アントニオさんの畑を見学することができたのです。おまけに、アントニオさんの畑は、よく肥えていて軟らかく、粘土質です。そこを歩くのですからたいへん。みな靴の裏にずっしりと土が付いて、再びバスに乗る前に、草などで一所懸命泥を落としたのですが、バスの中は泥だらけになってしまいました。ところが、翌朝、バスの車内はピカピカ、なんてすばらしいのでしょう!
 そして、ディナーのテーブルでは、周りの人たちに食べ物をいろいろと取り分けてくださったりと、ホスピタリティーに富んだ細やかな気遣いは、おみごとでした。

 この素敵なおじさまは、60歳。ナポリの方ですが、日本でよく言われるのとは正反対に、運転は超安全運転、いつも穏やかな笑みを浮かべていいます。さぞかし女性にもてるのではないかと、誰かが言ってました。
 参加者の中からは、もし、また次回があるのなら、コンスタンチーノさんにお願いしたいとの声が上がりましたが、それはきっと難しいでしょうということでした。旅行代理店に手配を頼んでいるので、バス会社自体、同じところで可能かどうかさえ、分からないとのことだったので、もうこれは、一期一会というものだったのでしょう。

ディナーの席は、幸運にも彼のとなり。ipadで山口泉さんに撮っていただきました。
それにしてもこのiPadのカメラは、あまり性能がよくない。

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